昨日、ふとJR北海道のホームページを見たところ「新千歳空港リニューアル工事のお知らせ」なるページを見つけました。
http://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/news/pdf/20180426_KO_shinnchitosekuukoukouji.pdf
それでいろいろ調べると、4月からコンコースのリニューアルを行っているそうな。
リニューアルのプレスリリースは以下リンクです。
http://www.jrhokkaido.co.jp/press/2018/180314-6.pdf
リニューアルするのは結構なのですが、そのプレスリリースで気になったのは
「これまでのデンマークデザインを一新」
という文言です。
新千歳空港駅のデザインはJR北海道とデンマーク国鉄との共同制作となったことから、このように呼ばれております。
そのデンマークデザインというのがこちら。
深い青色をベースとしながら単調にならぬよう赤いアクセントを挟みつつ、天井に埋め込まれた照明がまるで「冬の夜空に浮かぶ星々」を連想させる、とても秀逸なデザインだと思います。
ちなみにこちらのデザインは、世界的な鉄道コンペであるブルネル賞を受賞しているほど高い評価を得ております。
で、こちらのデンマークデザインのコンコースが、この度のリニューアルで下の様なデザイン一新されるというわけです。
プレスリリースより抜粋
今はやりのデジタルサイネージをこれでもかと配置し、観光王国北海道の玄関口として北海道の魅力を存分にアピールしようという意欲が垣間見れます。
日本中の鉄道駅を見渡しても、これほどの規模のデジタルサイネージを備えた駅はそうそう無いのではないでしょうか。
ただ、このパースを見たとき「どこにでもある平凡な駅になっちゃうな~」と、私は落胆してしまいました。
「そうそう無い」とは言いましたがそれは単に規模の問題であって、現在の「唯一無二の存在」とは程遠いもの。
JR東日本や大手私鉄、大手デベロッパーが本気を出したら、これ以上のものは簡単に作るでしょう。
現在のデザインが時代の最先端かと言われれば、そうは思いません。
しかし時代遅れかと言われれば、そうも思いません。
このデンマークデザインは、私たち日本人が外国の平凡な街並みを見ても新鮮に感じるような「非日常感」を、利用客に与えてくれるような気がします。
この「北欧的な非日常感」は北海道ととても相性が良く、非日常的な体験をしようと北海道にやってきた観光客を迎える玄関口のデザインとしてとても親和性が取れており、まさに「あるべくしてあるデザイン」であったと思います。
この駅舎が出来たときとは、JR北海道も、社会の情勢も、新千歳空港の利用客層も全く異なることも重々承知しております。
いくらデザインが秀逸でも、デジタルサイネージのように広告費が発生するわけでもないし、それだったら広告で埋めたほうが多少の収益も見込めるでしょう。
そして時代が変化していく以上は何事も、特に空港駅という公共性の高い場所は、より時代の変化に対応し進歩していかなければならないと思います。
けれど、それを勘定しても「変えてほしくなかった」と私は思うのです。
以上、ひとりの鉄道オタクの戯言でした。
リニューアル工事完了後の様子はこちら。