川崎鶴見鉄道録

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「鉄道員」のロケ地 幾寅駅 北海道放浪の旅 7日目⑧

前の記事はこちら。

富良野駅と美瑛駅 北海道放浪の旅 7日目⑦

 

美瑛町からは再び国道237号線と38号線を南下し、今度は南富良野町へ向かいます。

やってきたのは、南富良野町の中心駅である幾寅駅です。

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しかし、入り口の看板は幾寅駅ではなく「幌舞駅」となっています。

 

なぜ名前が違うのか?という答えは、入り口の看板を見ればわかります。

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幾寅駅は高倉健主演の映画「鉄道員(ぽっぽや)」のロケ地となった場所なのです。

幌舞駅は劇中で登場した駅名で、訪れるファンのためにあえて幾寅ではなく幌舞の看板を掲げているそうです。

 

ちなみに、映像作品のロケ地として本物の駅を使用したものとして、以前NHK連続小説「すずらん」の舞台となった恵比島駅をご紹介しましたが、「すずらん」では恵比島駅舎の横に「明日萌駅」というロケセットを建築していました。

しかしこちらの場合は、本物の幾寅駅舎をより古く見せるために改装したという手法が取られています。

 

さっそく駅舎の中へ。

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駅舎の中にも「鉄道員」にちなんだ掲示が一杯で、維持管理も行き届いております。

 

また駅舎内の旧事務室を利用して、「鉄道員」にちなんだ展示スペースがあります。

こちらは映画で使われたセットや小道具など。

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幌舞駅は架空の駅ですが、劇中で使われた料金表は幾寅駅基準で、本物の駅名が記載されているようですね。

 

こちらは衣装類。

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出演者や原作者のサイン。

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さらにはこんなものまで。

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2014年に亡くなった、高倉健さんを偲ぶ祭壇がありました。

幾寅駅自体は24時間立ち入れますが、こちらの展示スペースは9時~17時しか公開されていないのでご注意を。

 

続いてホームの様子。

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幾寅駅は1面1線の棒線ホームです。

 

新得方には植木式信号機が立っていました。

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といってもこれも映画セットの一部で、現役ではありません。

 

駅名標を記録。

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さすがにホームの駅名標は幾寅の表記となっています。

 

そして幾寅駅は、駅舎の回りにもセット類が残されています。

その中でも一番目立つのがこれ。

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なんと気動車の先頭部分が保存されています。

 

ちなみにこの車両は、キハ40形をキハ12形風に改造したものです。

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劇中では「キハ12 23」として「出演」した後、2005年まで一般のキハ40と混ざって運用についていました。
現役引退後は、先頭部分だけカットされてこの地に保存されています。

それにしても、現役の車両を映画のために改造するなど、今のJR北海道では考えられませんな・・・。

 

こちらは食堂のセット。

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こちらは床屋さん。

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こちらは商店。

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こちらはトイレ(使用不可)。

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すずらん」の舞台となった恵比島駅と比べると、結構残されていますね。

 

しかしこの幾寅駅は、現在大きな問題を抱えています。

それは2016年に発生した台風被害により、幾寅駅を含む東鹿越駅~新得駅が長期間不通となっているため、幾寅駅を発着する列車が1本も運転されていないうえ、当該区間JR北海道より「単独維持不可能な路線」に指定されているため、復旧の目途が全く立っていない状況なのです。

そのため現在は、東鹿越駅~新得駅間でバスによる代行運転が行われており、幾寅駅も代行バスのみが発着しています。

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一応6往復が確保されていますが、鉄路が廃止となればバス路線にも変化が訪れることでしょう。

「その日」が来たとき、幾寅駅はどうなるのでしょうかね。

 

 

そして幾寅駅は、南富良野町の「わがまちご当地入場券」発売駅となっています。

幾寅駅は無人駅ですが、駅横の観光案内所的な場所で発売されているので、乗り鉄にも優しい・・・と思いきや、土日祝日が休業なので遠方組には利用しづらいです。
というか、土日祝日休業の観光案内所って、どんな客層のために開設してるの?)

 

しかし、町内の道の駅とセイコーマートでも委託販売されているので、今回は道の駅で購入しました。

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表の柄は「クリスタルエクスプレス」でした。

 

幾寅駅「わがまちご当地入場券」発売情報
発売場所:南富良野情報プラザ(幾寅駅隣接)
発売時間:8:30~17:00
休業日:土日祝日、年末年始

 

発売場所:道の駅 南ふらの(幾寅駅から徒歩10分)
発売時間:9:00~17:00(10月~5月)、9:00~19:00(6月~9月)
休業日:年末年始

 

発売場所:セイコーマート マルクくろだ店(幾寅駅から徒歩10分)
発売時間:7:00~23:00

※2019年2月時点

 

次の記事はこちら。

中富良野駅と上富良野駅 北海道放浪の旅 7日目⑨