川崎鶴見鉄道録

川崎・鶴見界隈の鉄道に関するブログ

京急800形の前面行先方向幕を電動化する

本日の更新は、久しぶりの鉄道部品工作ネタをお届けします。

今回工作する部品はこちらです。

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京急800形の前面行先方向幕でございます。

こちらの方向幕は、5月に行われた「京急ファミリー鉄道フェスタ」で購入したものになります。

今回は、コイツを自作の簡易指令器で動かせるように改造したいと思います。

 

まずは回路解析がてら、この巻取器の仕組みを簡単に解説。

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今回購入した巻取器上部には検知ピンが付いており、方向幕側には検知ピンの場所と合致するように穴があけられています。

方向幕側の穴の配列には規則性があり、検知ピンの落ち込みの組み合わせにより現在のコマ番号を検知する仕組みとなっており、これは以前ご紹介した185系の方向幕と同様です。

 

ただここで注意が必要なのが、800形の方向幕は制御方式が2種類あります

今回取り上げた検知ピン式とは別に、2000形のようなバーコード式の巻取器を採用した編成もあるようで、同じ800形でも両者が混在しているそうな。

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2000形の方向幕

バーコード式の場合は、方向幕の端に印刷された黒い点をセンサーで読み込んで、現在のコマ番号を検知する仕組みとなっています。

 

京急の用語?的には前者を「ブリッジ式」、後者を「SPC式」と呼んで区別されているそうですが、両者の見分けは簡単で

方向幕に穴が開いている⇒ブリッジ式

方向幕に穴が開いていない⇒SPC式

となります。

そして今回取り上げるのはブリッジ式となりますので、SPC式は当記事の話には当てはまらないのでご注意ください。

 

話を戻しますと、上記の検知ピンの先にはトランスが繋がっています。

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トランスの仕様までは探っていませんが、おそらく検知ピンの組み合わせによって、出力電圧が変化する仕組みっぽいですね。

JR・国鉄仕様の方向幕でいうところの「電圧比較式」と同様の考え方で、コマ制御を行っているものと推測します。

 

だた「電圧比較式」と大きく違うのは、コマ制御するための制御基板が巻取器に実装されておらず、出力電圧をそのまま外部に出力する仕組みとなっているのです。

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指令器にすべての巻取器の制御回路が仕込まれているとは考えずらいので、おそらく巻取機とは別に制御装置的なものが存在するんでしょうかね?

詳しいことは調べてもよく分からなかったので、間違っていたらゴメンナサイ。

 

そんなわけで巻取器に制御回路が無いため実装部品点数は少なめで、モーター・コンデンサ・安定器・手動スイッチくらいしか載っていません。

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このくらいシンプルだと、回路解析も楽ちんなんですがねぇ~。

 

解析の結果は詳しくは書きませんが、結論から言うと2000形用の自作簡易指令器をそのまま流用できました。

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上の写真の箇所のように、端子盤にAC100Vとモーター制御用の回路を繋げば、蛍光灯を点灯させた状態でモーターの正逆転制御が可能となります。

ちなみに端子盤への配線接続には、M4のビスを使用します。

 

今回の工作の成果は、こちらの動画でお楽しみください。

京急ブリッジ式の方向幕の工作は初めてでしたが、思ったよりも簡単に電動化できました。

800形は引退してしまいましたが、我が家にはこれからも部品という形で息づいてくれそうです。

 

最後にいつものお約束を。

方向幕の改造は、すべて自己責任で行ってください。

ここに書いていることが間違っていても、責任は負いません。

また質問をいただいてもお答えしませんので、ご了承ください。

 

改造には最低限、電気工事士2級程度の知識と工作スキルが必要と思いますので、自信の無い人は電気工作に詳しい人に頼みましょう。

 

以上、「京急800形の前面行先方向幕を電動化する」でした。