川崎鶴見鉄道録

川崎・鶴見界隈の鉄道に関するブログ

初めての京都鉄道博物館!! その2 梅雨の関西撮り鉄遠征⑭

前の記事はこちら。

 

いよいよ京都鉄道博物館の本館に潜入します!!

本館の展示といえば、まずはこれでしょう。

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高い吹き抜けフロアにドドンと並べられたこの車両たちは、数多のテレビや雑誌で紹介されておりますので、見たことがある方も多いと思います。

 

そのなかでも、一番人気はやはりこちらのようです。

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521-1

こちらは500系の先行量産車であったW1編成の東京方の先頭車です。

500系は16両編成のW1~W9編成製造されましたが、山陽新幹線内の「こだま」転用改造を受けて、W1編成全てとW2~W9編成の中間車が廃車されました。

しかし、それ以外の車両は現在も運用中であり、残存率にすると40%くらいは残っている状態で、ちょうど前日本線を走行している姿を撮り鉄したということもあり、博物館で見るというのもちょっと違和感がありますね・・・。

 

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クハネ581-35

こちらは世界初の寝台電車である581・583系の先頭車で、南福岡電車区に新製配置され、主に関西~九州の昼行・夜行特急列車に使用されていましたが、山陽新幹線の博多開業に伴い向日町電車区に転属し、晩年は大阪~新潟を結んでいた「きたぐに」に使用されたのち、国鉄色に復元されてここに展示されています。

 

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クハ489-1

こちらは485系をベースに、信越本線横川~軽井沢間の「横軽越え」を行うための装備が施された系列である489系のトップナンバー車です。

晩年は上野~金沢を結んだ夜行急行「能登」や間合いの「ホームライナー鴻巣」、臨時の「はくたか」などで使用されており、JR東日本管内にもちょくちょく顔を出しておりました。

 

上記3両の正面には、レトロな蒸気機関車が展示。

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230形233

こちらは国産初の量産型蒸気機関車230形で、鉄道記念物にも指定されています。

「国産初」とは言いつつ、まだまだそれ以前の輸入機関車のテイストが色濃く残る、どこか異国の香りがする車両となっていますね。

 

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1800形1801

こちらは京都~大津間の勾配区間で使用されていたという、イギリス製の機関車。

1881年に輸入されたあと、1964年まで83年間も現役だったというはすごいですね。

 

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EF52 1

こちらのEF52は国産初の大型電気機関車で、それまでの外国産機関車の技術と国内メーカーの技術を組み合わせ、合計9両が製造されました。

この茶色の塗装とデッキ付きの台車が、旧型機関車という感じですね。

 

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キハ81-3

こちらは日本初のディーゼル特急車であるキハ81系の先頭車で、181系485系のボンネット車とも少し違う顔つきは「ブルドック」と形容されています。

しかしキハ81系はわずか26両の製作に留まり、以降は改良型のキハ82系が量産されため、全国に広がったキハ82系とは対照的に使用列車は限られていました。

 

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122-5003

100系は0系の改良版として国鉄時代に登場した形式ですが、ここに保存されているのは民営化後にJR西日本が製造した「グランドひかり」用の車両で、もともとは3000番台を名乗っていましたが、山陽新幹線の「こだま」用に短編成化改造が施された際に5000番台に改番されたものです。

 

「グランドひかり」用の100系先頭車の大きな特徴は、鼻の下にあるルーバーです。

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100系16両編成のMT比は12:4となっており、オリジナルの編成では両先頭車と中間の2階建て車両が付属車となっていましたが、「グランドひかり」では2階建て車両を4両にするため、両先頭車を電動車に変更しました。

そのため3000番台の先頭車には、鼻の下に床下機器の冷却用の通風孔を増設する仕様変更がなされています。

 

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EF66 35

こちらはもはや説明不要なEF66で、民営化時にJR西日本およびJR貨物に継承され、東海道・山陽筋のブルトレ高速貨物列車牽引に従事していました。

 

京都鉄博の構想が持ち上がったとき、JR西日本が継承したEF66はすでに全機廃車またはJR貨物に売却されており、保留車や保存車もゼロだったことから、自前でEF66の展示機を確保することが出来ませんでした。

そのため、JR貨物からEF66の譲渡を受けることになり、35号機がその栄誉に選ばれ京都鉄博に展示されています。

 

そんな35号機の現役時代の写真がこちら。

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2013年7月撮影

展示に当たり、塗装変更のほかクーラーの撤去や、前面の飾り帯とナンバープレートの台座の復元など、国鉄時代の姿に近づけられる工事が行われいるので、大分印象は異なりますね。

 

実はこの35号機、譲渡前は部品取り車として扱われており、本線に復帰することなく解体される運命の車両でありました。

そんなとき、京都鉄博に展示するためのEF66の譲渡の話が出たのですが、当時のJR貨物は保留車だったゼロロクを相次いで復帰させるほどの機関車不足であったこともあり、もともと自走不能で戦力外だった35号機が譲渡にピッタリということで、解体寸前の部品取り車から一転して京都鉄博の保存機へと転身することになったのです。

事実は小説より奇なり、という言葉がありますが、本当に運命というのは分からないものですね・・・。

 

EF66 35は、床下にも入れるようになっています。

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ただかなり暗いので、写真を撮るには厳しい環境でございました。


EF66の向かいには、もう1つJR貨物からの譲渡車が展示されています。

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DD51 756

こちらのDD51 756号機は、晩年はJR貨物門司機関区に配置され、通称「岡見貨物」などに充当されていましたが、門司機関区の前は東新潟機関区に配置されていたため、旋回窓やスノープロウを装備する「A寒地仕様」となっているのが特徴です。

DD51自体はJR西日本で今でも現役で活躍中ですが、京都鉄博開業時に廃車になるような機体が無かったのでしょうかね?

 

こちらも床下に入れるようになっています。

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本館には機関車だけではなく、貨車も展示されています。

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ヨ5008

こちらはコンテナ特急「たから号」用の緩急車として製造されたヨ5000で、外観が薄緑色でデッキ部に電照式のテールマークが装備されているのが特徴です。

わざわざ貨物列車の最後尾に電照式のテールマークを装備したということからも、当時の国鉄の「たから号」にかけた気合いの大きさが伝わってきますね。

 

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ワム7055

こちらは形式的にはワム3500形で、戦前の大正6年から11873両が製造されましたが、現存しているのはこの車両を含めわずか4両しかないそうです。

 

変わったものでは、こんなものも展示。

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なんとパンタグラフが稼働状態で展示されていました。

特に500系の翼型パンタグラフは、運用中の500系はすべてシングルアーム式に換装されているため、ここでしか見られません。

 

以上が本館に展示されている車両たちでしたが、本館には車両以外の展示物もいっぱいございます。

長くなったので、車両以外の展示物は次に記事にて。