今回から「北海道放浪の旅」の連載を一時中断しまして、新たな連載シリーズをお届けします。
本連載の舞台となりますのは、青森県・岩手県を中心とした北東北地方です。
北東北地方には何度か撮り鉄遠征を行ったことがありますが、そのほとんどが北海道新幹線開業の前の津軽海峡線(北斗星・ED79重連貨物など)が目当てで、それ以外に関しては全くと言っていいほど、眼中にありませんでした。
しかし、北海道新幹線が開業しそれらの列車がなくなったあと、改めて北東北地方に目を向けると、なかなか魅力的な被写体が多いことに気付きました。
そんな折、偶然にも土日と連続して月火も合わせた4連休をいただけることになったので、お盆休みの乗り鉄遠征の疲れも癒えぬ状態でありましたが、半ば強行軍気味に撮り鉄遠征を敢行することにいたしました。
そんなわけで今回より「2019北東北撮り鉄遠征」と題しまして、その遠征の記録をダラダラと綴ってまいります。
まずは始発の東北新幹線で、一気に北上します。
今回乗車する6時発「はやぶさ45号」は臨時列車で、定期列車の「はやぶさ」下り始発は3次発に表示されている「はやぶさ・こまち1号」となります。
東北新幹線全体で見ると、6時4分発の「やまびこ41号」が下り始発となりますが、この45号を定期化して1号を繰り上げたほうが、早朝移動を強いられた社畜様が仙台・盛岡へ出張するには便利な気がしますが、そうでもないんでしょうか?
今回は社畜ではなく遊び人の立場でありますが、始発の「はやぶさ45号」に乗り込み、車内で朝食タイムです。
2020年東京オリンピック開催にちなみ、1964年東京オリンピック当時に販売されていたという「東海道新幹線 開業記念弁当」が復刻発売されていたので、今回はそれをチョイスしてみました。
中はこんな感じ。
55年前の弁当の復刻版ということで、現代から見ると地味な内容ですかね。
地味なのはともかく味もイマイチ美味くなかったのは、味まで忠実に再現したのか退化(という名の手抜き・コストダウン)をしたのか、どっちなんでしょう (^_^;)
そんな感じで2時間半ほど乗車し、岩手県北部の二戸駅で下車します。
早朝の臨時列車ということもあり、降りたのは私を含めて5人だけでした。
今回は乗り鉄ではないですが、二戸駅は初訪問だったので駅舎も記録。
見た目もさることながら、機能や動線もコンパクトにまとめられており、なかなか良い駅だと思います。
ここからレンタカーに乗り換えて、いよいよ本格始動です。
最初の目的地は県境を越えた青森県八戸市ですが、今回はあえて一つ手前の岩手県二戸駅で下車して、レンタカーを調達します。
写真を撮り忘れたので、グーグルストリートビューから引用
というのも、本遠征の後半は岩手県南部が中心となるため、レンタカーは所謂「乗り捨て」することになりますが、乗り捨てすると営業所間の距離に比例して手数料がかかるのが一般的です。
これが案外いい値段を取られるもので、県をまたがるくらいの距離で乗り捨てると、数千円~1万円を請求されたりするのもザラだったりと、地味に痛い出費になります。
しかし、今回利用するトヨタレンタカーは「北海道以外の同一都道府県内は乗り捨て無料」なので、あえて一つ手前の岩手県最北部の二戸市から出発し、返却地を岩手県最南部の一関市にすることで、乗り捨て料金がゼロ円に抑えられるのです。
何ともセコイ話で恐縮ですが、この話をしないと二戸駅から出発する意味が説明できないので、豆知識として聞いていただければと思います (^_^;)
そんなわけで県境を越えてやってきたのは、青森県八戸市にある八戸線長苗代駅です。
といっても、八戸線を撮影しに来たわけではありません。
本遠征最初のターゲットは八戸臨海鉄道でございます。
八戸臨海鉄道は、JR八戸駅に隣接する八戸貨物駅から、沿岸部にある北沼駅までを結ぶ、総延長8.5kmの臨海鉄道です。
グーグルマップより
かつては、八戸港周辺に支線が何本かあったようですが、現在は上記地図の赤線部分1路線しか残っていません。
北沼駅の北部には「三菱製紙八戸工場」があり、工場と北沼駅は専用線で接続されていて、工場で生産された製紙を輸送する貨物列車を1日3往復運行しています。
そして上記地図を見ていただけると分かりますが、八戸貨物駅から長苗代駅の東側までは、JR八戸線と並走しています。
右端の線路が八戸臨海鉄道線で、長苗代駅から午前遅め順光で撮影可能です。
というわけで1発目は、長苗代駅の歩道橋から撮影を行うことに。
現着してまもなくすると、遠くからお目当ての列車が姿を現しました。
しかも牽引機は、充当されればいいなぁ~と願っていた「チビロク」ことDD16ではありませんか!!
なぜか長苗代駅ホーム付近でくの字に曲がっているのですが、惑わされることなく十分に引き付けます。
13レ DD16 303
こちらのDD16 303は、もともとJR東日本長野総合車両センターに所属していましたが、2009年に八戸臨海鉄道へ売却されて線内の貨物輸送に従事しています。
DD16の現存機は、八戸臨海の303号機、JR東日本の11号機、若桜鉄道の7号機の3機のみですが、11号機は工臨や臨時列車の牽引が主な業務、7号機は体験運転用の動態保存機的な扱いであるため、定期運用を持つDD16は全国でこの303号機だけです。
八戸臨海鉄道の本線用機関車は、DD56が3両とDD16が1両の4機体制であり、かつ4機合わせて1日1運用しかないため、単純なDD16への遭遇確率は25%となります。
なにかと運に見放されることが多い私でありますが、今回の遠征は幸先の良いスタートを切ることができました (^o^)
このあとDD16は、北沼駅で別の列車を牽いて戻ってくるので、馬渕川の河川敷に移動して待ち構えます。
14レ DD16 303
薄曇りでしたが、個人的に好みの1エンド先頭の姿を捉えることができたので、初訪問にしては十分な成果と言えるでしょう。
ちなみに八戸臨海鉄道線内では方転する機会が無いため、1エンド側が八戸貨物駅側、2エンド側が北沼駅側に固定されているので、エンドにこだわる方はご留意を。
そしてこの14レは、貨車のほうも充実していました。
まずはコキ106のトップナンバーであるコキ106-1が入っていました。
コキ106-1は1回だけ遭遇した経験がありましたが、そのときはまともに撮影できなかったので、今回はきっちり撮れてよかったです。
こちらはコキ104の特別仕様車。
コキ104-10000番台は、山陽本線の難所である「セノハチ」の補機機関車の走行中自動開放に対応する装備を持ったグループで、計4両のみ製造された希少種です。
自動開放の廃止後は、一般のコキ104と共用で運用されているため、そうそう見かけることが出来ない車両となっています。
そんな14レをケツ打ちでお見送り。
この日は土曜日だったので積載率を気にしていましたが、ご覧の通りのフルコンで心配は杞憂でした。
コキは12両繋がっているので、フルコンだと結構な撮りごたえがありますね。
14レは動画も撮影したので、あわせてお楽しみください。
八戸臨海鉄道線はあと1往復撮影しますが、次の列車までは時間がだいぶ空いてしまうので、その間は八戸線の撮影をして時間を潰すことにします。