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「鉄路廃止決定」日高本線末端部巡り④ 新冠駅 北海道放浪の旅 13日目⑩
新冠駅を後にし次の町に移動している最中、衝撃の光景が目に入ったので、思わず車を降りてしまいました。
そこは豊郷~清畠にある「慶能舞川」という小さな川の河口でした。
この河口には日高本線の橋梁が架かっているのですが・・・
この慶能舞川橋梁は、2016年に襲来した台風により壊滅的な被害を受け、橋梁の半分ほどが橋脚を残して破壊されてしまったのです。
残された橋桁に近づいてみます。
海のすぐそばにあるせいか、かなり錆びついています。
このまま再利用するのも、ちょっと厳しいんじゃないでしょうか。
すぐ隣には、橋桁を失った橋脚が無惨な姿を晒しています。
橋脚と橋桁を繋ぐ部品が生々しく残っており、高波によって橋桁が引きちぎらるように破壊されたのでしょうかね。
砂に埋もれかけている姿が、余計に哀愁を誘います・・・。
少し離れた場所には、引きちぎられた橋桁が放置されていました。
こんな橋桁を鉄筋コンクリートの橋脚から引き剥がすとは・・・。
自然の力をまざまざと見せつけられたようです。
路盤であった砂利はむき出しになり、まとめていた鉄製の網が破れて一部は流失してしまったようです。
レールは赤錆びて、一部は砂や草木に埋もれつつあります。
一番下の写真は、北海道の鉄路の行く末を暗示しているような写真に思えてなりません・・・。
今回掲載したのは、2018年7月時点での様子です。
それから1年4か月が経過したわけですが、おそらくもっと状態が悪くなっていると思われます。
日高本線の鉄路廃止が決定した今、慶能舞川橋梁が復旧される見込みは完全に断たれました。
いずれ橋桁は撤去、橋脚や路盤は放置され朽ち果てていくことでしょう。
そんな惨すぎる最期を迎えた慶能舞川橋梁ですが、その姿をこうやって記録し残すことが、せめてもの慰めになればと思います。
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