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なんだかんだで3回も引っ張った土曜日の撮影記録ですが、最後となります今回の主役はリニア残土輸送列車でございます。
いま川崎鶴見界隈の貨物列車で一番注目を浴びているのは、あえて申す必要もなく石炭列車ですが、その陰でリニア残土輸送列車も絶賛運行中。
先日、扇町駅で石炭列車の入換風景を記録したので、リニア残土輸送列車についても記録しておこうと思い、夕暮れの扇町駅へ向かいます。
梶ヶ谷貨物ターミナルから残土を積んだ列車が到着。
8152レ EF65 2085
石炭列車はDE10またはDE11ディーゼル機関車が入換を行いますが、リニア残土輸送列車は主にEF65電気機関車が入換を担当します。
その理由は、のちほどご説明いたします。
列車到着後、機関車と荷を切り離すと同時に、終端方のパンタグラフを下して入換体勢に入ります。
準備が整ったら、機関車だけ終端方にある「三井埠頭」の専用線に進入。
三井埠頭の専用線は線路が3線あり、一番左がリニア残土輸送列車、右側2つが石炭列車の荷役に使用していますが、よく見ると一番左の線路のみ架線が張られており、右側2つは架線が張られていないのです。
つまり、リニア残土輸送列車は本線を牽引してきた電気機関車がそのまま入換もできるが、石炭列車は非電化なので電気機関車が入換できないというのが、両列車で入換の機関車が異なる理由となっております。
と言いつつ、実はリニア残土輸送列車も、運行開始当初はディーゼル機関車が入換を行っていました。
2017年8月撮影
リニア残土輸送列車が運行を開始した2017年当時、一番左側の線路も非電化だったため、石炭列車や安善駅の米タン、さらには横浜羽沢駅で入換作業をしているDE10やDE11が、その間合いでリニア残土輸送列車の入換も行っていました。
ですが2018年ダイヤ改正で、リニア残土輸送が1往復から3往復に増便され、すべての作業をディーゼル機関車1台でカバーしきれなくなったので、リニア残土輸送用の線路を電化し、本線を牽引してきた電気機関車が入換できるように運用が改められて、現在の形態になっています。
そんなわけで、EF65が返空列車を引き出して戻ってきました。
そのまま、先ほど牽いてきた列車の隣の番線に移動。
引き出した返空列車の最後尾に、後部標識を取り付けます。
それと同時に奥では機関車の入換を行い、再び積載編成に連結。
今度は積載編成を三井埠頭に押し込みます。
押し込み終わったら機関車を切り離し、扇町駅へ戻ります。
そして返空編成の先頭に連結し、入換作業が完了です。
この編成が、梶ヶ谷貨物ターミナルへの返空列車である8153レとなります。
以上がリニア残土輸送列車の入換作業となります。
同じ三井埠頭発着である石炭列車とは、少し入換手順が異なるのも面白いですね。
今は石炭列車が大いに注目されていますが、このリニア残土輸送列車も中央新幹線の掘削工事が終了したとき、同時に役目を終える存在です。
いずれ運転終了するのが確定している列車ですので、気になる方はゆっくりと記録できる今のうちがオススメでございます。
8153レの走行写真は、今の時期はちょっと厳しいのでこれにて切り上げます。
帰りの道中、綺麗な夕陽が見られたのでパチリ。
工業地帯の風景写真は、昼間よりも薄暗いときのほうが画になりますね。
このあとコンビニで適当に雑誌を立ち読みし帰宅しようとすると、ちょうど5971レの通過時間となっていました。
まだオンシーズンとは言えぬ季節ですが、残照を頼りに浜川崎で今年初の5971レ撮影にチャレンジしてみます。
5971レ EH500-52
流せばなんとか撮れるようですが、この列車はカマより荷のほうが重要なので、個人的には流し撮りをあまりしたくない列車。
ダイヤ改正後の牽引機も気になりますが、やはり春分を過ぎたあたりがシーズン初めですかね。
といった感じで、なかなか収穫の多かった一日でした。