前の記事はこちら。
岡谷駅で下車するのは初めてなので、まずは駅舎をパチリ。
岡谷市など諏訪地方は、明治期には製糸産業で栄えたまち。
そんなお土地柄か、駅舎もどこか赤レンガ造りの工場風味な外装です。
駅舎の中の様子。
特急「あずさ」も停車する駅だけあり、待合室や売店も完備する、そこそこ立派な駅でございます。
そして1日目の乗り鉄旅はここからが本番となります。
岡谷駅から乗車するのは、こちらの列車です。
4本目 飯田線 1412M 天竜峡行き 岡谷(10:46)⇒天竜峡(13:54)
1日目のメインは、秘境駅天国としてお馴染みの飯田線でございます。
飯田線は愛知県 豊橋駅から長野県 辰野駅までを結ぶ路線で、東海道本線と中央東線という関東~中部地方を結ぶ大幹線を連絡する地方交通線なので、首都圏や名古屋圏からアクセスしやすい立地。
さらに近年の「秘境駅ブーム」もあり、乗り鉄にとどまらず一般旅行客にも人気が高い路線であります。
その一方で飯田線は、鉄道ファンからは「乗り鉄地獄」「修行の路線」とも呼ばれる、悪名高い?路線でもあります。
飯田線の路線長は195.7kmあり、これは東海道本線なら東京~西焼津、東北本線なら東京~泉崎(福島県)に匹敵する、非幹線としては比較的長距離な路線です。
ですが飯田線は、なんと駅数が94駅もあるため平均駅間距離がわずか2.1kmしかなく、これは高輪ゲートウェイ駅開業前の京浜東北線 東京~横浜(2.05km)に匹敵する、大都市圏の各駅停車並みの細かさを誇るくせに、全線を直通する特急・快速列車が1本も無いので、否が応でも普通列車での移動を余儀なくされます・・・。
言い換えると、飯田線全線を普通列車で踏破するのは「東京から静岡まで、京浜東北線の各駅停車で移動する」のと同じようなもんで、乗り換え不要の全線通しの列車でさえ約6時間もかかるため、地獄・修行という形容詞も決して大げさでは無いでしょう。
今回はそんな飯田線を、体調万全の1日目のうちにたっぷりと満喫しよう、という計画であります。
そんな長い長い旅路のパートナーは、JR東海の標準車両である313系の3000番台です。
313系3000番台は、ドア間中心は固定ボックスシート、車端部とドア付近はロングシートのセミクロス配置です。
そのほか飯田線では、転換クロスシートの213系や313系1700番台も運用されており、「ロングシート地獄」と恐れられる静岡地区と違い、それなりに快適な乗り鉄旅ができそうですね。
あちこち観察していると発車時刻を向かえ、いよいよ飯田線の旅へ出発。
乗車率は座席の6~7割が埋まる程度でした。
まずは中央本線から分岐して、辰野支線へ入ります。
ここまで「飯田線」と連呼しておりますが、実は岡谷~辰野は「中央本線 辰野支線」であり、飯田線ではありません。
ですが飯田線の列車の大半は岡谷~辰野に直通し、かつ同区間の普通列車のほとんどは飯田線直通列車が占めているので、運行系統的には飯田線の一部のような扱いとなっています。
中部地方の大河川の一つである天竜川は、諏訪湖が源流となっているので、ここに見えているのは天竜川の最上流にあたります。
そして飯田線は、途中の佐久間付近まで天竜川に沿って敷設されているので、しばらくは天竜川を眺めながらの旅となります。
最初の停車駅は川岸駅です。
由来は言うまでもなく、天竜川の真横にあるから。
分かりやすくも、分かりにくくもある駅名です。
ここで車窓を眺めながら一服。
岡谷駅で購入した、信州産の白桃100%のジュース。
普段はあまりジュースを飲みませんが、なかなか美味しかったです。
広い側線が見えると、辰野駅に到着です。
前述の通り、辰野駅からが飯田線となりますが、駅名標をよく見ると飯田線側のラインカラーがオレンジ表記となっています。
つまり辰野駅が、JR東日本とJR東海の境になっているので、ここからが「JR東海 完乗の旅」の本番ということになります。
向かい側に止まっている列車は、辰野支線を経由して塩尻駅まで行く普通列車で、E127系100番台が充当されていました。
この辰野支線、かつては「ミニエコー」という愛称で親しまれていた、元荷物電車の123系が活躍する路線として有名でした。
いずれも2012年10月撮影
JR東日本に継承された123系は、このクモハ123-1が唯一の存在でしたが、2013年3月ダイヤ改正をもって引退し、同年解体されたため現存していません。
「ミニエコー」は乗り鉄したことはありましたが、撮り鉄はできなかったので、それだけが心残りであります。
ちなみに123系はJR西日本では現役で、山口県の宇部地区で活躍中です。
2016年10月撮影
こちらは逆に、撮ったことはありますが乗ったことは無いので、今年の夏くらいに乗り鉄しに行きたいですねぇ~。
まあ、コロナウイルスが収まっていればの話ですけど・・・。
ちょっと話が脱線しましたが、ここ岡谷~辰野間は「ミニエコー」目当ての時に乗車済みの区間でした。
いよいよ次回からは未知の領域、飯田線に足を踏み入れます。