川崎鶴見鉄道録

川崎・鶴見界隈の鉄道に関するブログ

2年半越しの糠南駅 道北ラッセル遠征⑥

前の記事はこちら。 

 

倒木の影響により、ラッセル列車は雄信内駅にて運転抑止されることになったので、その時間を利用して本遠征中にどうしても行きたかった場所へと移動することに。

というわけでやってきたのがこちら。

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前回の雄信内駅からひとつ旭川寄りにある、幌延町の糠南駅でございます。

 

この糠南駅は、宗谷本線の数ある「秘境駅」の中でも最も知名度・人気のある駅です。

実は私と糠南駅にはちょっとした因縁?がありまして・・・

2018年の夏に敢行した「北海道放浪の旅」にて、幌延町内にある秘境駅を巡ったのですが、糠南駅だけは道路工事の影響で訪問することを断念。

それから2年半が経った2021年2月、ようやく糠南駅を訪れることができました。

 

糠南駅の周囲の様子。

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駅の周辺は牧草地が広がっているらしいですが、冬の時期になると一面雪に覆われてしまうので、雪原の中にポツンと佇んでおりました。

夏よりも冬のほうが、より秘境駅感が味わえるのではないでしょうか。

 

ホームは由緒正しき?木板の単式ホームです。

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長さも車両一両分にも満たない、まさに秘境駅って感じですね。

 

そして糠南駅を「宗谷本線随一の秘境駅」へと昇華させたものがこちら。

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待合室としてホーム横に据え置かれたヨドコウ製の物置です。

この物置 改め待合室は、設置から30年近くが経ち老朽化が進んでいたのですが、そのことを取り上げたテレビ番組をたまたま当時のヨドコウの社長さんが見ていて、すでに廃版となっていたにも関わらず無償で修理を行ったという、ちょっとした感動エピソードを持つ建物であります。

 

そんな待合室の中の様子。

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さすが有名駅だけあり、整備が行き届いていますね。

ベンチがビールケースというのも、とてもいい味を醸し出しております。

 

駅ノートもありました。

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普段はあまり駅ノートに記入しないのですが、今回は2年半越しの訪問ということもあり、一筆書かせていただきました。

気になる方は、糠南駅まで足をお運びくださいませ。

 

せっかくなのでラッセル列車を糠南駅で撮影するのもありかなと思い、ここで運転再開を待つことに。

スノーシューを履いて駅周辺の雪原を歩き回って構図を固めたころ、タイミングよく踏切が鳴り始めました。

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まさか糠南駅でラッセル列車を撮影するとは、2年半前は考えもしませんでした。

そのときのちょっと悔しかった思いが、ようやく晴らせた気がします。

 

ラッセル列車は超低速で糠南駅を通過していきました。

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そして糠南駅には、今年のダイヤ改正で大きな動きがあります。

JR北海道の経営合理化の一環として、宗谷本線の利用者の少ない駅を廃止もしくは自治体への維持管理移管が進められ、糠南駅もJR管理から幌延町管理へ移行することになりました。

今回の合理化において幌延町はもっとも影響を受けた市町村となっており、糠南駅も含めた町内の駅は以下のような処遇が決定しております。

廃止:安牛駅・上幌延

幌延町への維持管理移行:問寒別駅・糠南駅・雄信内駅・南幌延駅・下沼駅

 

宗谷本線全体で見ても、12駅が廃止、17駅が維持管理移行するという、前代未聞の大ナタが振るわれることになりました。

幌延町は5駅を抱え込むという英断を下したわけですが、そんな幌延町を「ふるさと納税」で応援することができます。

幌延町は秘境駅を観光資源として生かす取り組みを行っておりますが、ふるさと納税の使途として秘境駅の維持費を指定することが可能で、私も実際に納税してマグカップを返礼品として頂きました。

幌延町なんて気軽に行ける場所ではない分、このような制度を活用して是非とも応援していただければと思います。

 

 

これにて待望だった糠南駅訪問を終了です。

ラッセル列車もようやく運転を再開したのですが、遅延はさらに拡大して糠南駅通過時点で約3時間へと拡大・・・。

私も急ぎ撤収し、ラッセル列車の追っかけ撮影へと戻ります。