2021年ダイヤ改正特集、今回は車両運用に関する話題をお送りします。
前回の列車運用編はこちらをご覧ください。
EF64の関東運用が完全消滅!!
今回の改正で一番大きな変化となったのは、愛知機関区EF64の関東運用が完全消滅したことです。
JR貨物のEF64は2010年まで高崎機関区にも配置されており、その頃は本来の任務である上越線仕業の間合いで「里運用」と呼ばれながら、関東地方各地の貨物列車を牽引していました。
その後、愛知機関区に移動したあとも関東地方へ出張する形で顔を出していたのですが、その歴史に終止符が打たれることに。
改正前までEF64が担っていた各列車は、以下に引き継がれております。
・3074レ~3086レ:EF66
・2095~3075レ:EF66
東海道本線の3074~3075とそれに絡む列車がEF66、鹿島貨物は地元の新鶴見EF210が充てられています。
じゃあEF64は関東から撤退した分だけほかの仕業が増えたのか?というとそうではなく、関東地方の列車およびその前後の仕業が単純に削られただけで、それ以外の運用はほとんど変化がないのです。
すなわち、改正後は運用が減った分だけ余剰車が生まれることになります。
これはちょっと、雲行きが怪しくなってきたように思えますねぇ・・・。
関東運用の消滅により、関東勢がEF64に会おうとすれば名古屋か中央西線・篠ノ井線のどちらかまで遠征しなければならなくなりました。
今年の紅葉シーズンは、中央西線へ重連タンカーの記録にでも繰りだそうかなと思います。
EF66の運用も縮小傾向に
今回の改正では、EF64のみならずEF66にも運用の縮小傾向が見られ、その中には編成に特徴がある専用列車も含まれております。
主だった列車は以下の通りです。
・54レ「福山レールエクスプレス」:新鶴見EF210へ
・2059レ「カンガルーライナーSS60」:新鶴見EF210へ
・5097レ:吹田EF210へ
・1096レ~3087レ:吹田EF210へ
逆に3074レ~3075レや、昼間に移動した1092レにEF66が充当されたりもしているので、いきなりガツンと削減されたというわけではありません。
しかしながら、EF66全体の仕業数が34仕業から31仕業に減り、丸鮫に廃車が相次いでいることからも、今後もジリジリと見る機会が減っていくのは間違いなさそうですね。
リニア残土輸送が新鶴見EF210へ
世代交代の波は新鶴見EF65にも押し寄せ、運転開始以来充当され続けてきたリニア残土輸送列車が新鶴見EF210へ置き換えられました。
事前に噂は聞いていたのですが、こういった短距離列車はEF65のほうが適任と思っていただけに、本当に置き換わるとは驚きました。
まあ押し桃だと腰部のオレンジ帯がコンテナと揃って、見栄え良さそうなので見てみたいなと感じており、一度くらいは桃に持ち替わってほしいなとは思っていたのですが。
といっても新鶴見ベースで1仕業で完結する列車なので、今後もEF65の代走機会はあるんじゃないでしょうかね。
鹿島貨物の1往復は新鶴見EF210へ
上述した通り、EF64の関東撤退により鹿島貨物の1往復が新鶴見EF210へと置き換えられました。
もう一往復の1092レ~1093レはEF65のまま残ったのが、辛うじて救いと言えそうですが、EF65も長くは無いでしょうからもう一回くらいは鹿島へ行っておきたいですかね。
「トヨタロングパスエクスプレス」が吹田EF210へ
早朝の名物貨物列車の一つである、2053レ「トヨタロングパスエクスプレス」が新鶴見EF210から吹田EF210へ変更されました。
個人的には吹田EF210自体はどうでも良く、EF66が代走してくれる可能性が生まれたことを歓迎しております。
さすがにニーナ充当を所望するのは欲張りすぎだと思いますが(笑)
石油+配給列車の下り列車が吹田EF210へ
石油列車と回送貨車の配給を兼ねた8764レ・8765レのうち、上り列車が新鶴見EF210から吹田EF210へ変更となりました。
下り:8765レ 吹田EF210
上り:8764レ EF66(改正前と変わらず)
運行体系が変わったので、牽引機だけではなく荷にどういった変化を及ぼすのかも気になりますね。
根岸線貨物に吹田EF210投入
根岸線貨物にも小変化があり、一部列車が新鶴見EF210から吹田EF210へ変更となりました。
置き換わったのはお昼に根岸へ向かう3090レと、その折り返しの8571レです。
根岸線の石油列車の多くは新鶴見EF210とEH200が担っており、これらが担当する列車は長らく運用が固定される盤石ぶりで、吹田・岡山のEF210は1153レ~4091レを年ごとに担当するのが常だったのですが、その牙城を吹田EF210が切り崩したのが個人的には驚きでした。
さらにこの2列車に絡む形で倉賀野駅と宇都宮タまで吹田EF210が定期運用されるようなったのも特筆すべき点ですね。
EH500の運用は現状維持
個人的に毎年気になっていた、南武支線方面および東海道線方面へ乗り入れるEH500の運用は、昨年に引き続き現状維持となりました。
撮影可能な時間帯の列車は変わらず2079レ、8072レ、5971レの3本です。
運転時刻も2079レの新鶴見信号場発時刻が13:46から13:45へ小修正されたのみで、基本的に変化は有りません。
「クリーンかわさき号」も現状維持
川崎市の廃棄物輸送列車「クリーンかわさき号」は、昨年に引き続き朝の153レはEF66、夕方の152レはEF65となります。
EF66の運用が縮小されるなか、153レが残ってくれたのは助かりましたね。
「異種重連」の8097レも現状維持
朝の根岸貨物名物、異種重連列車の8097レですが、今年の改正でも牽引機に変更はなく、EF65+EH200のコンビが続きます。
昨年の記事で「一昨年から原色先頭を撮影したいと言っときながら全然できてない。」とボヤいていましたが、昨年の6月29日にクリームプレ先頭で撮影することが出来ました(笑)。
今年はカラシあたりを狙ってみたいですね。
「海コン列車」も現状維持
当ブログでも度々登場する注目列車「海コン列車」こと4072レ~4073レですが、今年もEF65が維持されました。
昨年度の記事では「カラシこと2127号機が撮れなかったので、今年はそれを目標に狙っていきたい」と言いつつ、遭遇機会が無かったので今年こそは撮りたいです。
また列車運用編でも触れましたが、上り4072レは今年から日曜運休となっていますのでご注意くださいませ。
「東京タ~隅田川シャトル」のEF66は現状維持
昨年改正での一番の注目点として挙げた、東京タ~隅田川シャトルに新充当されるようになったEF66運用は維持されました。
EF66の充当列車は73レ・74レ・75レ・76レの4本です。
それ以外の列車も現状と同じくEF65が担当します。
74レに関しては、南武支線内だと昼間に移動した1092レの直前に走り、かつ1092レもEF66が担当するので、夕方にEF66が2本続けて通過するようになりました。
EF66のまとめ撮りにはちょうど良いので、いい塩梅の光線が得られる日は夕練したいと思います。
以上が今年の機関車運用の概要でございます。
機関車運用に関しては、昨年はほとんど動きが無かったこともあってか、EF64の関東撤退を除いても今年はかなり変わったなという印象でした。
といっても「これは撮りたい!!」という列車・運用はさほど無いので、今年も遠征が捗りそうな気がしますね (^_^;)
最後に、全国的に気になる内容をいくつかご紹介したいと思います。
DD51の定期運用終了
こちらは今回のダイヤ改正において、一番の大きな話題となったもの。
JR貨物で唯一のDD51だった、愛知機関区所属DD51が定期運用を終了し、それに伴いDD51の貨物列車運用も終焉を迎えました。
本来は昨年改正で引退かと思われたのですが、1年延びて今年まで活躍することになり、そのおかげで名古屋地区に3回も遠征をすることができたので、最後の雄姿をたっぷり記録できたのは幸運でした。
北海道生まれの私は、貨物列車といえば鷲別機関区のDD51重連を見て育ったので、DD51の運用終了にはグッとくるものがありました・・・。
関西本線でDF200の重連運用が誕生
DD51の引退に伴い異種重連スタイルで人気を集めた8075レが、今度はDF200の重連に変更されました。
この8075レ、DD51が単機で列車を牽けないからDF200が補機として付いていたのではなく、四日市駅へ機関車を送り込み回送するため重連になっていたものです。
なのでDD51が引退したからと言って、機関車が1両で済むようになるわけではないので、大方の予想通り改正後はDF200の重連へと変更されました。
「白ホキ」にEF510が充当
こちらも名古屋地区の話題ですが「白ホキ」の牽引列車がEF64からEF510へ変更されました。
EF510が名古屋地区に進出したのは2017年改正ですが、基本的には北陸方面への貨物列車を1往復と、その間合いで2070レ~2071レを牽くだけで、正直目立った運用には付いていませんでした。
しかし今回の改正で、間合い運用に名古屋地区の名物列車の一つ「白ホキ」5580レ・5767レが追加され、大きな話題を呼ぶことに。
さらに「赤ホキ」にはEF66が付くということで、DD51引退後も名古屋地区の貨物はかなり熱くなりそうですね。
前述したDF200重連も含め、今年も名古屋地区には何度か遠征したいところです。
秋田臨海鉄道の事業終了
2020年度いっぱいで事業終了を発表していた秋田臨海鉄道ですが、ダイヤ改正に合わせ3月12日をもって貨物列車の運行を終了しました。
秋田臨海鉄道の廃止に合わせ、それに接続する秋田港線の貨物列車も運行を終了しております。
一部の機関車は仙台臨海鉄道へ譲渡されており、車両のほうはまだまだ活躍してくれそうですね。
ちなみに私も昨年の8月に訪問し最後の雄姿を記録してきたのですが、相変わらずの遅筆癖のおかげで未だブログに更新できておりません・・・。
できれば3月中に連載を始めたいと思っているので「今更かよ!!」とか言わずにお付き合いくださいませ (^_^;)
DE10の運用縮小が進む
DD200への置き換えが進むDE10ですが、今年の改正では以下の運用がDD200へと置き換えられました。
北九州:2運用(門司機関区)
酒田港関連(厳密には入換扱い):1運用(東新潟機関区)
四日市地区関連:1運用(愛知機関区)
(前述の通り、仙台総合鉄道部が担っていた秋田港関連も終了)
そして今回の改正で東新潟機関区と門司機関区のDE10の定期運用が消滅しました。
逆にDE10・DE11の定期列車牽引の運用(所属区)はこちら。
石巻貨物:1運用(仙台総合鉄道部)
宮城野駅入換:1運用(仙台総合鉄道部)
米タン関連:2運用(新鶴見機関区)※実質DD200化済み
名古屋港線:1運用(愛知機関区)
水島臨海関連:1運用(岡山機関区)
意外だったのは、石巻貨物が相変わらず1運用残ったのと、お膝元である名古屋港線も一応DE10が所定で残ったことですが、いずれにせよ来年全廃に追い込まれてもおかしくない、風前の灯状態へと追い込まれております。
個人的には水島臨海だけ行けていないので、EF64に会いに伯備線へ行くことも兼ねて、岡山地区に遠征してみたいですね。
EF67は充当列車がさらに増える
こちらも昨年記事で、後継機たる「押し桃」が増備されているセノハチ補機専用のEF67の運用が「減るどころか増えた」という話題をお届けしたのですが、本改正ではさらに充当列車が増加しました。
ごらんの通り、1本ながら充当列車が増えております。
EF67の場合はDE10とは違い、押し桃が増備されたからと言って直接置き換えに充てられるとは限りませんが、今後の展開は気になりますね。
といった感じで、今年ダイヤ改正における川崎鶴見界隈の貨物列車の動きをまとめてみました。
地元でもいくつか変化はありましたが、やはり今年も他地区のほうが面白い列車・記録しておきたい列車が多いので、コロナの状況を見極めつつ遠征を敢行したいですかね。
健康第一で、今年も趣味活動に勤しみたいと思います。