川崎鶴見鉄道録

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方向幕から辿る 東海道線185系の歴史⑤

前の記事はこちら。 

185系引退記念企画「方向幕から辿る 東海道線185系の歴史」。

最終回となる今回は、2013年から現在に至る「終末期」の方向幕を取り上げます。

  

終末期:田町区の廃止と波動用編成の誕生

2013年、185系大きな転換期を迎えることになります。

それはデビュー以来の住処であった田町車両センターが廃止され、大宮総合車両センターへ転属となったのです。

 

大宮総合車両センターには、すでに高崎線用の185系200番台のOM編成が在籍しており、移籍当初は200番台7両編成同士のB編成とOM編成は共通運用が組まれることに。

そのためB編成が「草津」「あかぎ」など高崎線特急に入ったり、OM編成が「踊り子」「湘南ライナー」など東海道線運用に入るなど、統合前には見られなかった組み合わせが実現しました。

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これに伴い、B編成とOM編成の方向幕は旧B編成用、旧OM編成用をミックスしたようなバージョンに統合されました。

 

しかしその状況は長続きせず、B編成の大宮転属から半年ほどたった2013年秋ごろから、B編成を中心にグリーン車を抜くなど編成の組み換えが行われ波動用の編成が誕生しました。

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これは当時、大宮区や田町区に配属されていた波動用の183系を置き換えるためで、183系が担っていた団臨・集約臨や、「ムーンライトながら」などの臨時快速運用を担当することになりました。

 

一方のOM編成はというと、OM4・8・9編成が7連を維持して田町区時代のB編成に近い働きをする一方、それ以外はOM03編成を除き廃車となりました。

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OM03編成はもともと「湘南色風」を纏っていたものの、2013年になぜかエクスプレス色ではなく田町区の湘南ブロック色に変更され、パンタグラフシングルアーム式に換装されるという謎仕様が話題を呼びました。

 

さらにOM07編成も変わった姿に組み替えられました。

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OM07編成は、2015年に開業した上野東京ラインの乗務員訓練用の編成に抜擢されて、OM06編成から抜き取った中間車を組み込んで10両編成へ組み替えられて「エクスプレス色の10連」が誕生しました。

編成の中身もグリーン車2両を含むA編成と同等の内容で、このままA編成と共通化されるかなんて話題になったものの、結局営業運転に入ることなく廃車されたように記憶しています。

 

 

そんなわけで、大宮区への移籍後の185系の方向幕は「A編成用」「7連用」「C編成用」「波動編成用」の4種類へと別れることになります。

今回ご紹介するのは波動編成用の方向幕で、「はまかいじ」対応編成として知られていたB3編成に装着されていたものです。

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やはり波動編成用ということで快速幕が大量に収録され、集約臨を見越して修学旅行のコマが入っているのも特徴ですね。

逆に田町区時代の本職であった「踊り子」は大幅縮小し、繁忙期・閑散期の2重印刷や、品川や熱海など途中駅が軒並み削除された一方で「大宮」が追加となっています。

 

また大宮区185系運用も意識して「草津」「水上」といった、田町区時代には担当していなかった高崎線特急のコマも収録しています。

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さらにはこんなコマも。

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2013年夏シーズンより「ムーンライトながら」を担当することになったので、②で紹介した90年初頭のバージョン以来、約20年ぶりにJR東海管内の行先が復活。

さらに「はまかいじ」も、単なる列車表示から松本・横浜と駅名と座席種別入りに変更されているのも特徴です。

 

実はこちらの幕、以前に以下の記事で取り上げたものです。

再掲となりますが、幕回しの動画も貼っておきます。

おそらく今回のバージョンが、185系の方向幕として最後となるでしょう。

ほかの編成の幕も手に入れられたら、ここに追記していきたいと思います。

 

 

というわけで、5回に渡ってお送りした185系引退記念企画「方向幕から辿る 東海道線185系の歴史」はいかがだったでしょうか。

185系は先日のダイヤ改正をもって定期運用からすべて離脱し、これからは波動運用に専従することになりますが、2022年をめどに全廃する計画だそうです。

これから一花咲かせるのか、それともこのまま終焉してしまうのか、最後まで見届けたいですね。