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伊豆箱根鉄道での185系撮影に見切りをつけて、前々から気になっていた路線に乗り鉄へ繰り出すことにしました。
吉原駅で下車して向かったのはこちら。
今回乗り鉄する路線は、静岡県富士市内で岳南線を運営する岳南電車です。
岳南線は東海道本線吉原駅から全長9.5kmの盲腸線で、かつては沿線の製紙工場向けの紙輸送も行っていましたが、現在は旅客営業のみ行っている地方私鉄です。
18きっぷ旅などで吉原駅を通過するたび気になっていたものの、なかなか訪れる機会はありませんでしたが、今回は全線乗り鉄しようと思います。
東海道本線と岳南電車の駅舎は、専用の跨線橋で繋がっています。
跨線橋を渡るとJR用の自動改札機があり、その真向かいに岳南電車の改札口がある構造となっています。
岳南電車ではICカード類は使えないため、窓口が自動券売機で切符を購入する必要があります。
今回は窓口で一日フリー乗車券を購入しました。
岳南電車では硬券が現役で使用されており、フリー乗車券もD型硬券でした。
ちなみに吉原~岳南江尾の片道運賃は370円で、起終点の単純往復でも元を取ることが出来る価格設定となっています。
ホームに入ると、足元に「富士山ビュースポット」なるものが示されていました。
岳南線は全ての駅から富士山を見ることが出来るそうです。
さすが富士山のお膝元を走る路線だけありますね。
駅舎内を一通り観察して、車両に乗り込みます。
こちらは現在の岳南電車の主力形式である7000形で、京王井の頭線で活躍していた3000系の中間電動車を単行改造したものです。
今回乗車したモハ7003は、富士市の特産「鈴川だるま」をモチーフにした装飾が車両内外に施されています。
なかなか楽しげな車両でありました。
そんなこんなで列車は定刻に吉原駅を発車。
最初の停車駅は「ジャトコ前」駅です。
「ジャトコ」とは日産自動車系の自動車部品メーカーで、駅の東側に広大な工場が設置されています。
こういった企業名が冠される駅名も、地方私鉄らしくて好いですね。
しばらく走ると、車庫がある岳南富士岡駅に到着。
ここでは、かつて貨物列車で使用されていた電気機関車や貨車が留置されていたものの、今回は後行程の都合上降りることができませんでした。
また岳南富士岡付近では、電鐘式踏切の音色も聞こえてきたので、今度再訪してじっくりと見物したいものですね。
そんな感じで吉原駅から約20分、終点の岳南江尾駅に到着です。
今回はそのまま折り返しますが、15分ほど停車時間があったので駅を見物。
向かい側には2両編成の車両が留置されていました。
こちらは見るからに元京王5000系ですが、この9000形は富士急行から譲渡された車両だそうな。
そんな9000形を富士山と一緒にパチリ。
奥に見える重厚な高架橋は東海道新幹線です。
続いて駅舎を見物。
岳南江尾駅には駅舎があるものの、現在は無人駅となっています。
正面側の看板のフォントが古めかしかったり「驛」表記なあたりに、ちょっと歴史を感じる駅舎ですね。
見物を終えて吉原駅へと引き換えします。
そのまま真っすぐ吉原駅へ向かい、岳南電車の乗り鉄旅は終了です。
今回は正味一時間程度の駆け足での訪問となりましたが、なかなか興味深い路線だなと感じました。
今度は時間を多くとって、沿線で撮り鉄もしてみたいですね。
このあとは撮り鉄に戻り、ちょうどこの日運転されていたJR東日本キヤE195系の甲種列車を撮影すべく、東海道本線をさらに下ります。