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入換列車の撮影後は、秋田港駅の見物を行うことにしました。
訪問時点では、秋田港駅にはJR貨物と秋田臨海鉄道の2社が乗り入れていましたが、秋田臨海鉄道の廃止後はJR貨物の単独駅となっています。
駅構内には、小規模なコンテナホームと側線が敷設されています。
ただ秋田港駅での貨物取り扱いはほとんど行われておらず、半ばコンテナ置き場と化しているようです。
基本的に秋田港駅は貨物専用駅ですが、実はJR東日本の旅客駅としての機能も持っています。
秋田港線には定期旅客列車は設定されていませんが、秋田港に寄港するクルーズ船の乗客輸送のため、2018年に駅構内の一角に旅客駅の機能が新設されました。
秋田港駅舎とホームはこんな感じ。
基本的にクルーズ船が発着するときだけ使用する臨時駅のため簡素な造りですが、一応ちゃんとしたプラットホームや駅名標も立っています。
ただ臨時駅ということで、駅ナンバリングは付与されていないようですね。
とまあ、秋田港駅の機能はこんな感じなんですが、実はこの秋田港駅には「とある車両」が留置されており、注目を集めています。
それがこちらの車両たちです。
なんと日本の鉄路から姿を消したはずの「ブルートレイン」こと、24系客車でございます。
これらの車両は、かつてJR東日本青森車両センターに所属し「あけぼの」「日本海」といった、青森駅発着のブルートレインに使用されていましたが、2015年に「あけぼの」が廃止されて定期運用を失ったあと、南アフリカ共和国へ輸出されるため秋田港へとやってきました。
ところが、秋田港に搬入されてから5年以上が経過した現在も一向に輸出される気配はなく留まり続けており、その動向が注目されています。
しかしながら、潮風をモロに浴びる環境に5年も雨ざらしで放置されているためか、車体はかなり腐食が進んで痛々しい姿をさらしています。
このまま時が進めば、もっと朽ち果てていくことでしょう・・・。
このような事象、実は北海道室蘭市にある陣屋町駅でも起きており、海外輸出予定だったはずのキハ183系やDD51が野ざらしになっております。
こちらはミャンマーに輸出予定だったものの、どうも先方の資金難?だかで輸出できないらしく、現在は隣接する崎守埠頭に移設されたそうな。
インドネシアには日本の中古通勤車両が大量に輸出されたりもしていますが、途上発展国相手の貿易はなかなか難しそうですね。
そして秋田港駅には、24系以外にも廃車体が眠っています。
こちらは秋田臨海鉄道のDD56形機関車です。
DD56は国鉄DD13形をベースとした、秋田臨海鉄道の自社発注機。
1のほうは、昨年10月に解体済みだそうです。
さらにその奥には、DE10とDE11が据え置かれていました。
こちらも一部は24系とともに輸出予定だったものの、行き場をなくしてとどまり続けているそうな。
海外譲渡予定の車両たちは、秋田臨海鉄道廃止とは直接関係ない存在なので、今後の行く末が気になるところですね。
といった感じで、秋田港駅探訪はこれにて終了。
このあとはコンビニ飯でお昼を済ませ、秋田臨海鉄道の撮影へと戻ります。