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信州東北ローカル線乗り鉄の旅 7日目⑨ 弘南バスの奥津軽いまべつ駅アクセスバスに乗る

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信州東北ローカル線乗り鉄の旅 7日目⑧ 「新幹線界の秘境駅」奥津軽いまべつ駅を散策 その2

 

奥津軽いまべつ駅からは新幹線で一気に南下・・・なんてことはしません。

時間はまだ14時ということで、ちょっと寄り道してから帰ります。

 

50本目 弘南バス 中里駅前~奥津軽いまべつ駅前線 中里駅前行き 奥津軽いまべつ駅前(14:00)⇒中里駅前(15:10)

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記念すべきの旅50本目の乗り物は、なんとバスです。

弘南バスが運転している、津軽鉄道津軽中里駅奥津軽いまべつ駅を結ぶアクセスバスに乗ります。

 

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見た目はただのマイクロバスですが、LED式の方向幕が付いていました。

バスの車体には奥津軽いまべつ駅のアクセスバスであることを強調するため、四方にラッピンクがデカデカと施されているので、この路線の専属車両なんでしょうか。

 

で、今回はなんでこのバスに乗ったのか・・・という話なのですが、この路線は北海道新幹線開業と同時に開設したものの、利用率が半端なく悪いらしいのです。

どのくらいかというと1便当たり0.89人しか利用客がおらず、開設前の想定の22%に留まるんだとか。

JR北海道なら真っ先に「当社単独では維持することが困難な線区」に指定されるレベルです。

 

いくら奥津軽いまべつ駅秘境駅とはいえ、曲がりなりにも新幹線駅までのアクセスバスでそんなに利用客が少ないってどんな路線?と逆に興味が湧いて乗車することにしたのです。

 

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バス停の真ん前にはちゃんとした待合室がありました。

しかし、利用客数が利用客数なので、いったいどのくらい使われているのか・・・。

 

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運行本数は1日4往復。

しかし、アクセスバスらしくほぼすべての便が奥津軽いまべつ駅を発着する上下新幹線に接続するダイヤとなっています。

新幹線が走っていない時間帯に走らせてもしょうがないので、奥津軽いまべつ駅を発着する新幹線が少ない以上は、このバスもこの本数で十分なのでしょう。

 

ひとしきり車外を撮影したところでバスに乗り込みます。

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内装は外から見た通りで、マイクロバスに運賃表示器と運賃箱を付けただけ

なんだか自動車学校にでも向かいそうな雰囲気です。

しかし、実は青森駅前でも同型のバスを見かけたので、弘南バスの閑散路線ではこのスタイルは一般的なようです。

 

 バスは定刻に奥津軽いまべつ駅前を発車。

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気になる乗車率ですが、この便は私1人だけでした。

平均が0.89人なのでこの数字は御の字・・・と言いたいところですが、この日は夏休み期間中なので、大型連休でこれってことは平日はもっと悲惨なんでしょうか・・・。

津軽線の列車や奥津軽いまべつ駅には同業の方が数人いたのですが、ここまでの物好きは私だけのようです。

 

バスは県道14号線を通って蟹田方面へ向かいます。

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途中で「小国峠」という峠を越え、今別町から蟹田がある外ヶ浜町へ。

それほど大きな峠ではないのですが、地味にウネウネ道が続きます。

 

峠を下ると、北海道新幹線の線路が見えました。

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続いて津軽線と踏切で交差。

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このあたりは津軽線の「太平駅」付近で、このバスにも「太平」というバス停がありました。

 太平地区を過ぎるとバスは県道12号線を西へ向かうため、津軽線とはお別れです。

 

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相変わらず山間部を通りますが、先ほどとは違いウネウネの道ではなかったです。

 

景勝地などを通るわけでもないため車窓は単調で、おしゃべりする相手もいないので何とも言えぬまったりとした時間が流れます。

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そしてこのバスはマイクロバスからの改造とあってか、お世辞にも乗り心地は良くありません。

終始なにかの部品がギシギシと軋んでいる音がするし・・・。

 

バスは山を越えて、日本海に面した津軽平野へ。

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今別町や外ヶ浜町があった陸奥湾側は曇っていましたが、日本海に面した津軽平野は雲一つない晴天でした。

車で20分ほどの距離なのですが、えらい変わりようです。

 

津軽平野に出ると、国道339号線に沿って周辺の集落を回ります。

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集落は回りますが、乗車客は無し。

というのも、このバスは新幹線のアクセス専用バスとなっており、奥津軽いまべつ駅⇔太平・津軽中里周辺の集落の相互間でしか乗り降りできないため、この辺りの集落から津軽中里方面へ向かうために乗車することはできません。

よって、奥津軽いまべつ駅を発車した時点でこの便の乗客が私1人というのは確定していたのでした。

 

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スーパーや銀行などが出てきて街が賑やかになってきたところで、終点の中里駅前に到着です。

 

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バスは折り返しの客を乗せることも無く、回送となって営業所へ戻っていきました。

 

乗った感想ですが、まあ・・・そりゃ誰も乗らんだろう。

・沿線には観光名所も景勝地もないから、観光客は基本的にいない。

奥津軽いまべつ駅に出入りする客しか載せないので、日常の移動には使えない。

 

ということで、利用層は純粋に「中泊地区と奥津軽いまべつ駅を往来する人間」に限られるわけですが

・人口1万人の中泊町において、新幹線を使う町民が1日にいったい何人いるのか。

・目立った産業があるわけでもないので、ビジネス客の利用は皆無と思われる。

・隣接する人口5万人の五所川原市からは新青森駅直通のバスが1時間に1本程度出ており、かつ所要時間もこちらのほうが短い。

 

もともと2次交通の拡充ということで自治体が補助金を出して運行しており、採算が取れないことは最初から予想されていましたが、予想以上に赤字額が多いらしいです。

正直、補助金出してまで維持する必要がある路線とは思えないのですが・・・。

少なくとも、途中の集落内はフリーエリアにしてどこからでも乗り降りできるようにするなど、地元客の利便性を上げることが先決だと思います。

 

といった感じでアクセスバスの旅が終了。

何年か後にはひっそりと廃止されているかもしれないので、興味がある方は早目に乗ったほうが良いかもしれませんよ・・・。

 

50本目 弘南バス 中里駅前~奥津軽いまべつ駅前線 奥津軽いまべつ駅前⇒中里駅
乗車時間:1時間10分
移動距離:33.2km

 

次の記事はこちら。

信州東北ローカル線乗り鉄の旅 7日目⑩ 「日本最北の私鉄」津軽鉄道を行く

 

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