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変わりゆく北海道の鉄路を記録する旅 1日目③ 存廃に揺れる札沼線を行く その1
5425Dは列車待ち合わせのため、石狩月形駅で20分ほど停車します。
ここ石狩月形駅でも「わがまちご当地入場券」を扱っており、停車時間を利用して入場券を購入することが可能です。
さっそく窓口に出向いて購入します。
石狩月形駅で購入した入場券ですが、駅名は「豊ヶ岡駅」となっています。
この「わがまちご当地入場券」は1市町村につき1種類の入場券が存在しますが、必ずしもその市町村の代表駅が選ばれているとは限りません。
石狩月形駅がある「月形町」では、代表駅である石狩月形駅ではなく「秘境駅のような佇まいの駅」として知られている豊ヶ岡駅が選ばれたようです。
しかし、肝心の豊ヶ岡駅は無人駅で、周囲に販売を代行する商店なども存在しないため、石狩月形駅で販売する形をとっています。
石狩月形駅では「わがまちご当地入場券」以外にも珍しい切符を扱っていました。
というわけで、常備券と硬券の入場券もついでに購入して売り上げに貢献。
硬券の日付はダッチングマシンで入れてくれました。
切符を買った後は発車時刻まで写真を撮って暇つぶし。
構内には排雪用のモーターカーが留置されていました。
しばらくすると、対向の列車がやってきました。
2両しか存在しないキハ40系400番台が並びました。
ここから先、石狩月形より新十津川には交換設備が一切ないため、石狩月形以北には最大で1列車しか進入することが出来ません。
それが故に、この先の区間は「スタフ閉塞」という珍しい運用が行われています。
この輪っかの下についているケース内に収められているのが「スタフ」で、石狩月形以北にはこの「スタフ」を持っていないと進入が認められません。
このスタフ閉塞が用いられているのはJR北海道ではここだけ。
ほかのJRでも名松線と越美北線だけとなっており、JR全社でも3路線でしか見ることができません。
札沼線末端部が廃止されたら、この貴重な光景も北海道から姿を消すことになります。
列車交換を終え、石狩月形駅を発車。
次に停まるのは、月形町の「わがまちご当地入場券」の対象駅となっている豊ヶ岡駅。
ここは林の中に駅があり、ホームも木々に覆われています。
そしてなんと、撮り鉄さんと思われる人が1人乗車してきました。
ここらで朝食。
札幌駅で購入した「石狩鮭めし」です。
私の人生で食べた駅弁回数を集計できたとしたら、おそらく「シウマイ弁当」と1、2を争うくらい食っていると思います。
浦臼駅に到着。
ここまでは札幌側からの区間列車が1日5往復設定されていますが、ここから先の新十津川までの区間は1日1往復しか走っていません。
浦臼町にも「わがまちご当地入場券」があるのですが、発売場所が駅から離れているうえに、ここで降りると目的地の新十津川駅に行くことができないため、今回は購入を断念しました。
浦臼駅を発車。
画像の下側に大きな点々が見えると思いますが、これは窓の汚れではなくこの列車が跳ね飛ばした雪塊です。
浦臼以北の区間はこの列車が「始発列車」であるためか線路上に雪が多く積もっていたようで、文字通り雪を掻き分けながら進みます。
於札内駅に到着。
かなり錆びていましたが、駅の待合室には国鉄仕様の駅名標が残っていました。
交換されることなく、廃止の日を迎えてしまうのでしょうか・・・。
そして、終点の新十津川駅到着を告げる放送が流れました。
行き止まりのホームにじわじわと進入。
札幌駅からおよそ2時間50分をかけて、目的地の新十津川駅に到着です。
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