川崎鶴見鉄道録

川崎・鶴見界隈の鉄道に関するブログ

地下化した京急大師線 産業道路駅付近を見物してきた その2

前の記事はこちら。

 

前の記事では、東門前駅から産業道路駅を経由して、小島新田駅まで地上を歩いてきました。

今回は電車に乗って、小島新田駅から東門前駅へ向かいます。

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やはり切替後最初の週末だけあって、見物客がちらほら見られました。

 

運転台の後ろを確保して、いざ出発。

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まずは新設されたシーサスクロッシングを渡り、上り本線へ転線します。

 

少し進むと、いよいよ切替区間に突入。

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勾配を下って、地下トンネルへ向かいます。

 

地下トンネル手前の櫓部分を通過。

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天井にあるのが櫓に固定されている仮設線路で、切替前は側面にある鉄骨で仮設線路を支えてたようですね。

この鉄骨も、いずれ撤去されるものと思われます。

 

地下トンネルに突入し左にカーブすると、すぐに産業道路駅のホームがあります。

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両駅の駅間距離は0.7kmしかないので、あっという間に到着しました。

 

産業道路駅で途中下車し、新しくなった地下ホームを見物です。

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新しい地下ホームは2面2線の相対式ホームで、2番線側に若干膨らむようにカーブしています。

これは、下の写真奥にある小島新田方の右カーブがきつすぎるため、手前のホーム内で一旦左に振っているからです。

 

京急の小駅ではお馴染みの発車時刻が出ないタイプのLED式の発車標が、上下ホーム1式ずつ設置されています。

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また2番線の小島新田方には、待合室が設置されました。

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ただ動線的に、エレベーターでホームに降りないと使いづらいです。

 

続いて京急川崎方のホーム端の様子。

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東門前駅へ向けた直線の上り勾配が続いていますが、結構きつそうですね。
まあ、京急車の性能だったら全く問題ないと思いますが・・・。

将来的には川崎大師駅まで地下化される計画のため、この上り勾配もいわば「仮の姿」であり、いずれ見られなくなります。

 

またトンネル内の断面は、ご覧のように水平方向に段切りされています。

これは将来的なホーム延伸を見越し、現在4両分しか整備されていないホームを最大6両分まで伸ばすことできるように、基礎だけ造成しているみたいです。

 

続いて小島新田方のホーム端。

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小島新田方は右カーブをしながら上り勾配が続いています。

こちらのトンネル断面も水平方向に段切りされており、両方向に1両分ずつ伸ばせるように設計しているみたいですね。

 

ちょうど下り列車が出発しました。

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この日はスマホしか持参していなかったので撮り鉄はしませんでしたが、面白い写真が撮れそうな駅のような気がします。

まあ、車両は1500形と新1000形の4両編成しか運用入りしないですけどね・・・。

 

続いて架線を観察。

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さすが併用開始1週間だけあって、トロリ線もピッカピカです。

高速運転をしないからかわかりませんが、支持はわりと簡素な作りですね。

 

続いて軌道。

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こちらは普通のPC枕木ですかね。

 

駅名標をパチリ。

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前回の記事でもお伝えしたように、産業道路駅は2020年3月に「大師橋駅」へ駅名が変わるので、この真新しい駅名標もわずか1年で再交換されることになります。

 

続いては地上部との接続分。

動線としては、階段と階段+上りエスカレータとエレベータの3通りあります。

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産業道路駅のホームは地下2階相当の深さなので、階段で登れないことは無いです。

 

またエレベーターはウォークスルー式ではなく、昔ながらの行き止まり式タイプが導入されたことにちょっと驚きました。

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最近の公共施設では、動線を捻じ曲げてでもウォークスルー式を導入することが多いで気がしますが、産業道路駅ではそれすらできなかったのかな?

 

続いては地上部を観察。

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改札付近はそのまま使われているっぽいですかね。

 

奥に進むと、1番線と2番線の分かれ道があります。

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かつては構内踏切で行き来していましたが、現在は仮設通路が設けられています。

仮設とはいえ、これも1晩で造ったんでしょうかね。

 

通路の壁の隙間から、外の様子が見えました。

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軌道や架線柱のほか、地上ホームもほぼ手付かずで残っていました。

駅舎再構築工事が本格化すれば、跡形も無く解体されてしまうでしょう。

 

最後は再び上り列車に乗って、今度は東門前付近の切替区間を見物します。

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発車直後から上り坂を登っていきます。

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よく見ると、勾配の途中で軌道の敷き方が変わっていますね。

この勾配も最終的には平坦線になるはずなので、すでに準備工事が行われているのかもしれませんね。

 

勾配をぐんぐん登って、地上区間に顔を出しました。

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勾配の終わりでもチェックポイントがあります。

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線路を見ると、路盤がバラストと板張り部分に分かれており、線路両端に鉄骨が建っていますが、この板張りの部分が仮設線路をジャッキで曲げている箇所になります。

この角度から見ると、板張りの部分がしなっているのがわかると思います。

この状態が恒久対策なのかは不明ですが、今後何年もこの状態のまま運用するとは思えないので、線路マニアな方は早目に記録しておいたほうが良さそうです。

 

列車は東門前駅に無事到着しました。

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これにて大師線地下立体交差工事の現場レポートは終了です。

 

 

今回は産業道路駅を挟んで、東門前駅小島新田駅間がめでたく地下化されたわけですが、この工事に着工したのは2006年のこと。

つまり、このわずか1.3kmの地下化工事に13年の歳月がかかっているのです。

「土木のアポロ計画」とまで称された、東京湾アクアラインが約10年で完成したことを考えれば、開発され切った都市部での立体化工事が、別の意味でどれほど大変な事業であるかがわかりますね。

京急や建築JV、川崎市など関係各所の皆様、本当にご苦労様でした。

 

 

地下線の併用は開始しましたが、工事自体はこれで終わりではなく、引き続き地上設備の撤去や産業道路駅の地上駅舎建築工事など、あと数年は続くと思われます。

そして今後10年以内に、第一期工事の後半戦である、東門前駅川崎大師駅の地下化工事に着手する予定だそうです。

京急大師線は、これからも長い期間をかけて変わっていきそうですが、変化があれば当ブログでも取り上げていきたいと思います。