前回はKATOの14系 急行「はまなす」の購入レビューをお届けしました。
実は「はまなす」と同時に、牽引機も購入しておりましたので、今回はそちらのレビューをお届けしたいと思います。
というわけで、今回取り上げるのはこちら。
KATO 品番3031 ED79
実車の写真がこちら。
ED79は、連続勾配、高温多湿、専用保安装置(ATC-L)など、一般路線とは異なる特殊な環境下にある青函トンネルでの運用を可能にするため、当時東北本線で余剰気味だったED75を改造して導入された電気機関車です。
「はまなす」「海峡」「北斗星」などの旅客客車列車のほか、貨物列車の牽引にも活躍していましたが、北海道新幹線開業により架線電圧の昇圧および保安装置の更新に伴い運用が不可能となったため、JR貨物のEH800にその任務を引き継ぐ形で全車運用を終えました。
前回取り上げた「はまなす」のほか、「北斗星」「カシオペア」など青函トンネルを通過する列車の牽引には欠かせない機関車であるため、客車側を買えばED79も購入するのは、ある意味自然な流れと言えます。
ですが今回特筆すべきは、あえて旧製品を購入したという点です。
KATOからは以前よりED79が製品化されていましたが、2015年に上述した「はまなす」と同時に、リニューアル品が発売(品番3076-1)されています。
といっても、完全に同仕様のリニューアル品というわけでは無く
3031:函館側のパンタグラフが下枠交差式の原型の姿
3076-1:函館側のパンタグラフがシングルアーム式に換装された2010年代の姿
となっており、3076-1は発売時点での現行タイプに仕様が変わっています。
今回あえて旧製品を買ったのは、型落ち品ゆえに安かった(未使用品で2900円)のもありますが、以前から所有していた「カシオペア」の本州側の牽引機が、EF81専用塗装機しか持っていなかったので、下枠交差式じゃないと時代的に合わないという事情もあり、今回3031を購入するに至りました。
てことで、さっそく開封。
設計が古い(1990年代?)ので、手すりが別パーツではなく本体と一体化表現だったり、開放テコが省略されていたりと、前時代的な仕様なのは否めませんね。
リニューアル品はしっかり改良されているので、このあたりを許容できない方は、素直にリニューアル品を買ったほうが良いでしょう。
また動力回りも、フライホイール化などの大幅改良が施されています。
それと窓のHゴムがグレー表現となっていますが、実車は2000年代に入って黒ゴム化されているので、本製品は青函トンネル開業~2000年代初めころの姿となり、1往復化後の北斗星などとは厳密には時代が合いません。
リニューアル品は2010年代の姿がモデルとなっているので、実車に合わせて黒ゴム表現に変更されています。
続いてサイドビュー。
もともと複雑な造形ではないので、特に問題は無いと思います。
またリニューアル品はメーカー銘鈑が添付されますが、旧製品には添付されていないので、ディテールは少し劣ります。
続いては屋根上機器。
リニューアル品は、碍子は緑色に着色、特高線は金属線で再現されており、見栄えがグンと向上しているそうです。
さすがにグレー成形色では寂しいので、こちらは色挿ししたいと思います。
続いては台車と保安装置表記。
ネットの実車と見比べる限り、台車はまあまあ似ていると思います。
リニューアル品も、写真を見る限り台車は変わっていないように見えます(間違っていたらすみません)。
保安装置は、いつごろ(2000年代?)からに「S」から「SN」に更新されているので、こちらもゴム色と共に古めの仕様と思ってよさそうです。
続いてはお顔を拝見。
テールライトが塗りつぶされているのが、ちと間抜けですねぇ・・・。
ここも手を入れたくなる気分です。
ライトの点灯具合をチェック。
光源は電球のようで、最近のLEDのと比べると暗い印象ですね。
LED化できるなら、改良を加えたいところです。
最後は付属品をチェック。
・ナンバープレート(1・6・9・11)
・ヘッドマーク(はまなす・北斗星)
・ナックルカプラー
が付属してきます。
ちなみにリニューアル品では、「はまなす」のヘッドマークが「カシオペア」に差し替わっています(「はまなす」ヘッドマークは、客車セットに付属)。
といった感じで、KATO ED79のレビューをしてみました。
やはり現行製品と比べると、劣る面が多々あるのは否めませんが、これはこれで良い製品だと思います。
最初はシングルアーム仕様を買って、函館側のパンタグラフだけ下枠交差式に交換することも考えましたが、個人的はそんな面倒なことをせずとも、素直にこれを買ってよかったです。
これで客車も牽引機も紹介したので、次回は整備をしたいと思います。