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北海道内の地名には、アイヌの言葉に由来するものが多く存在します。
例えば全国的に知られる「札幌」「小樽」のような都市名から、鉄道マニアにも馴染み深い「苗穂」「鷲別」など市町村内の町名に至るまで根付いており、逆にアイヌ語に由来しない地名のほうが少ないくらいでしょう。
ですが、アイヌ語の発音をそのまま和人の言葉に置き換えると、同音異義語というべきか違った意味に捉えられることもあります。
実はその代表例が、北海道の空の玄関口である新千歳空港を擁する千歳市で、もともとは「シコツ(=死骨)」という日本語的に縁起の悪い言葉であったため、別の言葉に置き換えられた地名だったりします。
さすがに千歳のように改名へ至ったのはレアケースのようですが、逆に「日本語的に面白い名前」に聞こえる地名もあり、由仁町にはそんな「キング・オブ・面白地名」な場所があるので、そこに行ってみようというのが今回の記事でございます。
150回以上も続けた連載のラス前に、なんてユルい記事を・・・という嘆きが聞こえてきそうですが、しばしお付き合いくださいませ (^_^;)
由仁駅から車を走らせること約5分で、目的の場所に到着。
由仁町が誇る?「キング・オブ・面白地名」というのがこちら。
その名もヤリキレナイ川であります。
しかもこのヤリキレナイ川、名前だけのショボい川ではなく、北海道最大かつ日本第2位の流域面積を誇る石狩川水系に属する立派な一級河川なのも驚きですね。
看板には、ヤリキレナイ川の語源が書かれていました。
アイヌ語で「魚の住まない川」又は「片割れの川」という意味だそうで、発音だけでなく語源もちょっと残念でヤリキレナイようです。
そんなヤリキレナイ川がこちら。
パッと見は川というより用水路に見える、少しヤリキレナイ佇まいですね。
というのも、ヤリキレナイ川は由仁町内にたった5kmだけ流れるとても小さな川で、さらにこの場所は最上流部に当たるので、より水量が少ないのです。
ちなみに上の写真の奥にある森が、ヤリキレナイ川の水源地になっているそうな。
ヤリキレナイ川は由仁町の市街地を流れており、簡単にたどることが可能なため、下流に追っかけてみることにしました。
上の場所から数百メートル下流にある地点へ移動。
ほんのちょっとしか進んでいないのですが、川幅が一気に広くなりました。
と言っても、サンダルで渡れそうなヤリキレナイ水深の浅さですが・・・。
由仁駅を越えて、さらにググッと下流へ。
この辺りは護岸が植生されており、綺麗に整備されていますね。
ここまで来ると、ヤリキレナイ気持ちも大分治まってきました。
さらに下って、夕張川手前の道道694号線に架かる橋へ。
先ほどまで用水路同然だった川が、清らかな小川になりました。
これでヤリキレナイ気持ちは、完全になくなったと言ってよいでしょう。
そんなヤリキレナイ川は、室蘭本線夕張川橋梁付近で夕張川に合流します。
ここでわずか5kmのヤリキレナイ川の旅は終わってしまいましたが、夕張川に注ぎ込んだ水は石狩川の一部となり、約60km先の日本海にたどり着くのです。
といった感じで、面白地名の「ヤリキレナイ川」を辿る旅をしてみました。
皆さんもヤリキレナイ気持ちになったら、ヤリキレナイ川の流れに心を癒されて見てはいかがでしょうか。
さて、気の抜けたユルい記事はこれで終わり。
このあとは「わがまちご当地入場券」のコンプリートに向けて、ラストスパートをかけます!!