2019年も残すところあと10日。
私の職場も忘年会を終えて、いよいよ仕事納めモードになってきました。
そんな本日の川崎界隈は渋い空模様でしたが、地元で貨物列車撮影を行うことに。
今回のお目当ては宮城県丸森町から横浜市へ運転された災害ゴミ輸送です。
10月に東日本地方に上陸し、甚大な被害を出した台風19号。
鉄道関連でも、長野市にある北陸新幹線の車両基地が浸水しE7・W7系が廃車となったり、箱根登山鉄道や阿武隈急行が壊滅的な被害を受け長期不通に追い込まれたことは、記憶に新しいと思います。
そんな台風19号で、最大級の被害を受けた町のひとつが宮城県丸森町。
阿武隈川の氾濫により、死者10名、行方不明者1名という人的被害のほか、町中が浸水被害を受け被害額は400億円を超えるそうで、ボランティアも加わって復旧作業が進めてられています。
ですが復旧を妨げる大きな課題の1つに、浸水被害によって発生した大量の「災害ゴミ」をどう処理するかが上げられ、発生した災害ゴミの総量はなんと1万9000トンにものぼり、人口1万人少々の小さな町だけで到底処理しきれる量ではないため、町内には災害ゴミが滞留し続けているそうです。
その大量の災害ゴミの一部の焼却処理を横浜市が受け入れることになり、その輸送には貨物列車を活用することになりました。
災害ゴミを専用コンテナに詰め、仙台貨物ターミナル駅から横浜羽沢駅まで定期貨物列車に積載することとし、試験輸送を経て12月18日より本格輸送を開始。
今回は、そんな輸送列車を撮影しようというわけであります。
災害ゴミの輸送には、仙台貨物ターミナルから3076レで東京貨物ターミナルへ運び、1155レに継走して横浜羽沢駅へ輸送されることになっています。
ただし、3076レでは当該コンテナが列車後方に積載されるらしいので、機関車次位に積載される1155レに狙いを定め、小田栄駅で撮影することにしました。
1155レ EF66 125
1155レ自体は、東京貨物ターミナル~相模貨物駅を結ぶ短距離のシャトル便で毎日運転されていますが、お昼に運転される列車とあって、個人的にも割と撮影機会の多い列車です。
そして今回のお目当てのものは、機関車のすぐ後ろに積まれたこちらのコンテナ。
貨物列車好きならお分かりだと思いますが、このコンテナは川崎市が運行しているゴミ輸送列車「クリーンかわさき号」に使用されているUM8Aコンテナで、今回のゴミ輸送にあたって川崎市から貸し出されたものです。
このUM8Aコンテナ1個に最大20トンのゴミを詰めることができ、1日約100トンのペースでゴミを輸送する計画だそうです。
今回は定期列車の一部に相乗りする形で輸送しているため、編成の大半は普通の貨物列車と変わりありません。
1155レの大半は小豆色のJRコンテナが占めるため、この白いゴミコンテナは余計に目立つ形になっています。
列車は横浜羽沢駅に向かっていきました。
このあとゴミコンテナは横浜羽沢駅で降ろされ、横浜市都筑(つづき)区にある焼却施設に運ばれて、中のゴミを焼却処分することになっています。
今回は丸森町の災害ゴミを輸送することになりましたが、実は東日本大震災のあとにも、似たような災害ゴミ輸送が実施されたことがありました。
そのときの様子がこちら。
東日本大震災によって大量に発生した瓦礫を広域処理するため、2012年10月から2014年4月まで、石巻港駅や盛岡貨物ターミナル駅~東京貨物ターミナル駅の間で、週5往復運転されていました。
東日本大震災のときは、瓦礫の量が今回とは比べ物にならないくらい多かったので、専用列車の設定に加えて専用コンテナも新製されました。
今回のゴミ輸送は、東日本大震災の瓦礫輸送のノウハウが活かされたことは、間違いないと思います。
もしかしたら、このとき貨物列車を活用した広域輸送が行われていなければ、今回このような列車を使ったゴミ輸送なんて、検討もしなかったかもしれませんね。
といった感じで、丸森町からの災害ゴミ輸送列車を撮影してみました。
今後は横浜羽沢駅での荷卸しの姿も、記録してみたいと思います。
そして最後となりましたが、丸森町の1日も早い復興を祈っております!!