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あとは本日の宿泊地である、岐阜市へ向けて移動するだけなのですが、よく見ると上の写真、ちょっと違和感があるのにお気づきでしょうか?
今回はその「違和感」のお話をしたいと思います。
違和感の正体はこちら。
なぜかJRの駅に名鉄の車両が乗り入れているのです。
実は豊橋駅はJR東海と名鉄の共同駅となっており、改札内コンコースも両社の区域が一体となって運用されています。
国鉄やJRから転換された第三セクター鉄道などでは、転換前と同じようにJR線と設備を共用することは珍しくないです。
しかし大手私鉄とJR、しかもターミナル駅ともなれば、ここまで共用する形をとっているのは珍しい部類だと思います。
JR東海と名鉄と言えば、名古屋都市圏でのライバル関係でありますが、なんでライバル同士がこんな共存体勢になっているかというと、一見無関係に思える飯田線が深く関係しております。
飯田線は所謂「戦時買収路線」の一つであり、もともとは「豊川鉄道」という私鉄が運営していた路線で、豊川鉄道は国鉄豊橋駅に隣接して「吉田駅」という駅を設置、その吉田駅に名古屋鉄道が乗り入れて共同で営業を行っていました。
しかし、1943年に豊川鉄道が国鉄に買収されると同時に、吉田駅も豊橋駅に吸収されたため、国鉄とライバル関係にあった名古屋鉄道も一緒に豊橋駅へ乗り入れを開始。
それから77年が経ちましたが、現在も名鉄は当時のまま豊橋駅に乗り入れ続けているため、このようなスタイルとなっているのです。
豊橋駅の在来線は1番線から8番線までありますが、そのうち3番線が名鉄専用のホームとして割り当てられています。
建物の構造的に、コンコース内は完全に一体の造りとなっているため、通路上にIC専用の簡易改札機が設置された中間改札があります。
紙の切符の場合は、検札なしでそのままスルーすると思われます。
中間改札に隣接して、名鉄専用のきっぷ売り場と発車標があります。
正規運賃では名鉄1,140円、JR1,340円と名鉄のほうが若干安いですが、両社とも名古屋~豊橋間で割引切符を発売しているため、もっとお得に移動できるようです。
ですが、名鉄はJR(国鉄)との協定で、豊橋駅に乗り入れる本数が1時間に最大6本までに制限されているため、不利な状況下での競争を強いられているそうな。
そんな限られた発着枠を有効活用するため、名鉄豊橋駅には列車は急行以上の優等列車しか乗り入れておらず、普通列車は隣の伊奈駅ですべて名古屋方面に折り返すというダイヤを組んで、JRに対抗しています。
名鉄は車両も運行体系も結構面白いので、いつかじっくりと乗ってみたいですね。
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