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今回の旅で予定していた乗り鉄をすべて終了したので、北陸新幹線で金沢駅から東京駅まで一気に移動します。
60本目 北陸新幹線 8538E「かがやき538号」東京行き 金沢(18:47)⇒東京(21:20)
今回は北陸新幹線の最速達列車である「かがやき」に乗車します。
北陸新幹線は、JR東日本のE7系とJR西日本のW7系で運行されていますが、今回はE7系F16編成に当たりました。
しかしこのE7系F16編成は、この旅の約2か月後となる2019年10月13日、台風19号の大雨により千曲川が決壊して発生した大洪水により、当時留置されていた長野新幹線車両センターごと水没してしまい、廃車処分となってしまいました・・・。
このときは、まさかこんな悲運に見舞われるとは想像していませんでしたが、今となっては貴重な現役時の姿を記録できたことになりますね。
さて、北陸新幹線自体は金沢~東京を全線乗車済みなので、特に目新しさはありませんが、今回はこちらに乗車します!!
皆さんご存知、グリーン車の上を行く最上位クラス「グランクラス」です!!
実は2017年に敢行した大型乗り鉄旅「信州東北ローカル線乗り鉄の旅」でも、帰りの新幹線で「はやぶさ」のグランクラスに初乗車しておりました。
E7・W7系のグランクラスに乗車したことが無かったので、前回の旅と同様に初体験することにしました。
といっても、E5系はグリーン車は乗車済みだったものの、E7・W7系に関してはグリーン車も未乗車なので、ある意味飛び級的な感じになりますね。
さっそく車内に入ります。
同じグランクラスでも、E5系とはちょっと印象が異なりますね。
個人的には、2人掛けの中央肘掛けが独立した構造になっているE7・W7系のほうが好きですかね。
そんな感じで色々観察していると、列車は定刻に金沢駅を発車。
臨時列車ということもあってか、グランクラスの利用客は私を含め5人だけでした。
金沢駅を出発して早々、まずはアテンダントさんからおしぼりのサービス。
布製のしっかりとしたおしぼりです。
それと同時に「軽食をご用意していますが、お飲み物はいかがなさいますか?」と聞かれました。
あっ・・・
グランクラスには軽食サービスが有るのを完全に失念し、ほんの30分前に「8番らーめん」を心行くまで堪能したばかり・・・。
ハッキリ言って、もうご飯は要らない状況でした。
今回乗車したのは夜の便なので、私が断ればその軽食は廃棄処分になるでしょう。
食品ロス問題が叫ばれている昨今、私の凡ミスにより食品ロスを生み出すのは許せなかった(本当は何年かに1回しか乗車しないグランクラスの食事を逃したくなかっただけ)ので、無理やり食べることにしました。
というわけでサーブされた軽食がこちら。
今回乗車した時は、富山名物「ますのすし・ぶりのすし」のグランクラス特別仕立てなるメニューが提供されていました。
このメニュー構成は酒飲みには最高の布陣なので、余裕で完食できそうです。
ドリンクは、手始めに日本酒をオーダーしました。
北陸新幹線だからか、石川県の地酒でございました。
なかなか美味かったです。
今回のメニューで一番おいしかったのは、こちらの「ますのいぶりすし」でした。
食べかけの写真で恐縮ですが・・・いぶしたますを使ったますのすしを、昆布で巻いたもののようで、かなり美味かったです。
調整元である源のホームページを見ると、限定商品扱いながら単品発売しているようなので、いつか購入してみたいですね。
そんなわけで酒が進んだので、貧乏性をこじらせてお酒をおかわり。
当時は(というか今も)梅酒にハマっていたのですが、メニューに梅酒スパークリングがあったので、そちらをオーダーしました。
こちらも石川県のお酒なんですね。
普通においしかったです。
そんな感じで食事を楽しんでいると、列車は富山県に入りました。
まるで旅が無事に終わったことを祝福するかのような、綺麗な黄昏の空が広がっていました。
軽食が終わって、今度は食後のおやつタイム。
「はやぶさ」の時と同様にパウンドケーキの提供があったので、ホットコーヒーでブレイクタイム。
石川県産のサツマイモを使ったパウンドケーキで、上品なお味でした。
あとコーヒーも目の前でポットから淹れてくれる演出?つきで、見た目にも楽しいサービスでした。
食後は座席回りを弄ってみます。
E5系のグランクラス用座席は、航空機用やスポーツカー用の座席で有名なレカロ製なのに対し、E7・W7系はトヨタ紡織製となっています。
言うまでも無くトヨタ紡織はトヨタ自動車の関連企業であるため、主に自動車用のシートを手掛けているメーカーであり、自動車用以外の座席の供給はこのグランクラス用シートが初めてで、後年ANAの新座席にも採用されたそうです。
機能面ではE5系の座席と大差ないものの、細かいところでは仕様変更されています。
内蔵テーブルは、E5系が左右に折りたたむテーブルなのに対し、E7系では上下に折りたたむ方式になりました。
金属感丸出しなのが安っぽく見えますが、使い勝手はこちらのほうが安定しています。
肘掛けのカクテルテーブルは、少し小型化されました。
E5系のカクテルテーブルにはカップを置く窪みが無く、中身入りのドリンクを置くのには少し躊躇したのですが、ここは改良されたようですね。
さらに肘掛けの下に、ポケットが追加されました。
私は充電中のスマホを置くのに使わせてもらい、このポケットは重宝しました。
一点残念だったのは、肘掛けの先にあるコンセント。
どうも接触?が悪いのか、スマホ充電がブツブツ切れちゃいました。
個体差なのかもしれませんが、ここはイマイチでしたね。
細かいところを見ていくと、E5系の座席から色々改良されており、個人的にはE7系の座席のほうが使いやすかったですね。
ちなみにこのグランクラス用座席は1脚300万円もするそうな (^_^;)
といった感じで過ごしていると、列車は長野駅に到着しました。
さすがに長野駅から、グランクラスへの乗車はありませんでした。
東京まであと1時間半もあったので、もう一杯お酒をいただきます。
メニューにウイスキーがあったので、ハイボールがあるか聞いてみると、なんとウイスキーとソーダ水を別々にサーブされました。
てっきり缶入りハイボールをサーブされると思っていたら、まさかの本格仕様?で、今回の乗車で一番驚いた点ですね。
北陸新幹線は小松や富山発のANAプレミアムクラスと競合すると思いますが、以前プレミアムクラスに乗った時は角ハイボール缶と氷入りカップをサーブされたので、こういった点でも航空機の上級クラスを意識したサービスをしているのがわかります。
ここまで来ると、日常の匂いがし始めてきます。
最後のオーダーで、コーラを発注。
前回の「はやぶさ」は満員御礼だったこともあり、最後のほうはプラコップ提供になりましたが、今回は最後までグラス提供でした。
やっぱりプラコップは萎えますからねぇ・・・。
大宮駅を過ぎて、埼京線と並走しながら東京都内に入ります。
お月様は綺麗ですが、車窓は見たくもない日常の世界が広がっています・・・。
髪が全部抜けるほどの勢いで後ろ髪を引かれる思いでしたが、無情にも列車は東京駅に到着です。
初めてのE7系グランクラスでしたが、かなり快適な時間を過ごせました。
またいつか乗車してみたいものです。
60本目 北陸新幹線 8538E「かがやき538号」 金沢⇒東京
乗車時間:2時間33分
移動距離:450.5km
そして6日間に渡った今回の旅も、次回ゴール地点に到着です!!