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名古屋港線は、名鉄山王駅に隣接する中央本線山王信号場から名古屋港駅へ至る約6kmの貨物線で、正式には東海道本線の貨物支線という扱いとなっています。
かつては臨海部の貨物線と同様に、多くの支線や専用線が接続していたそうですが、現在は山王信号場~名古屋港駅だけが残されています。
現在の名古屋港線は、普通の貨物列車は1本も走っていませんが、名古屋港駅に隣接してJR東海のレールセンターが設置されており、このレールセンターに出入りするレール輸送用キヤ97形が最大週3往復走ります。
しかし名古屋港線はJR貨物の路線であることから、JR東海のキヤは自走せずにJR貨物のディーゼル機関車に牽引されて移動するという、ちょっと変わった運行形態となっているのです。
今回はそんな名古屋港線の初訪問とともに、引退が近い愛知機関区DE10の本線走行シーンを記録いたします。
というわけで、衣浦臨海鉄道の碧インターから名古屋港線へ移動したのですが、途中の高速道路がなんと大渋滞・・・
結局15分近くロスをして、地下鉄名港線 東海通駅近くの撮影地に到着すると、目の前に2灯のヘッドライトが見えておりました。
あと1つ信号待ちしていたら終わっていた、まさにギリギリでの現着でした。
というわけで、まずは往路の列車を無事に捕獲。
8660レ DE10 1592
名古屋港線の列車は、返空の稲沢駅→名古屋港駅行きの8660レ、積載の名古屋港駅→名古屋駅行きの8661レの1往復が設定されていますが、両列車に必ず荷(キヤ)が付くわけでは無く、荷が無い時はこのように単機での運転となります。
ただ往復とも荷が無い場合は往路の時点で運休するため、今回のように往路が単機の場合は復路には必ず荷が付きます。
そして今回撮影した1592号機は愛知機関区所属のDE10で唯一のA寒地仕様車(旋回窓・スノープロウ装備)で、個人的に一番当たってほしかった機体だったので、単機とはいえ十分な収穫でございました。
このあとは8660レを追いかけて、名古屋港駅に移動します。
右側の線路が発着線で、左側に分岐するのがレールセンターとなっています。
名古屋港駅に着いた時には、DE10の入換作業が行われていました。
南端まで来て、北側に折り返していきました。
発着線には、復路の「荷」となるキヤ97が停車していました。
キヤ97の先頭に回り込んで、復路の列車の組成が完了です。
このあと復路の出発までは数時間あるため、関西本線で撮り鉄をしたのち復路の列車を撮影します。
8661レ DE10 1592+キヤ97 R2編成(許可を得て撮影)
パッと見は甲種輸送や工臨に見えますが、あくまでキヤ97を貨車として使用した貨物列車という扱いのようです。
今回は定尺レール輸送用のR2編成が「荷」となりましたが、日によっては重連になるらしく、今度はそちらも撮影してみたいですね。
といった感じで、初めての名古屋港線の撮影は終了です。
今回は車利用でしたが、名古屋港線のすぐ隣に名古屋市営地下鉄名港線が走っているため、貨物支線ながら徒歩でも撮影しやすい立地なので、割と気軽に足を運べる路線であります。
DE10が残っているうちに、もう一度くらいは訪れたいなと思います。
次回はちょっと時系列が前後しますが、往路の列車撮影後に関西本線へ移動し、石油列車を撮影したお話をお届けいたします。