川崎鶴見鉄道録

川崎・鶴見界隈の鉄道に関するブログ

日本唯一? 鉄道貨物専門の博物館「貨物鉄道博物館」へ行ってみた 中部地方 撮り鉄遠征⑫

前の記事はこちら。 

 

念願だったセメント列車の撮影を終え、前回ご紹介した撮影地の近くにある丹生川(にゅうがわ)駅にやってきました。

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といっても、丹生川駅舎に用があるわけではありません。

真の目的地は、駅に隣接するこちらの施設であります。

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その名も貨物鉄道博物館という、おそらく日本で唯一?の鉄道貨物を専門とする博物館でございます。

 

この博物館は三岐鉄道 丹生川駅に隣接しておりますが、三岐鉄道は運営に直接は関わっておらず土地などを提供するのみで、運営はボランティアによって行われているという、ちょっと変わった施設です。

貨物好きの私にとっては、前々から一度訪れてみたい場所だったので、今回ようやくその願いが叶った格好となります。

 

というわけで、さっそく入館・・・と行きたかったのですが

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入口のシャッターが、固く閉じられておりました。

 

というのも、この博物館は前述のとおりボランティアによって運営されているため、開館日が毎月第一日曜日のみと極端に少ないため、今回訪問した金曜日は開いておりませんでした・・・。

まあ、閉館日だったのは事前に知っていたのですが。

 

ですがこの博物館は、もともと入館料が無料ということもあってか、屋外展示の車両は閉館日でも自由に見学することが可能となっております。

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なので今回は、屋外展示の車両だけ見学させていただくことにします。

 

建屋入口の横では、蒸気機関車が来場者を出迎えてくれます。

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B4形39号

こちらの蒸気機関車は、現在の東北本線などを敷設した「日本鉄道」が発注したイギリス製の車両で、引退後は昭和鉄道高校で保存されたのち、ここへ収蔵されることになったそうな。

 

B4形39号の後ろには、2軸貨車が連なります。

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ト1形15号

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ト200形246号

この2両は、末期は名鉄で資材輸送などに運用されていたそうです。

 

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ワ11形11号

こちらは新潟県の「蒲原鉄道」で運用されていた木造車体の有蓋車です。

塗装がはがれているものの木板が新しいので、補修作業中でしょうかね?

 

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ワフ21000形21120号

こちらは午前中に訪れた西濃鉄道にて、推進運転の控車として用いられていたそうな。

これが先頭に立った姿を見てみたかったですね。

 

ちょっと離れて、目玉?となる超大物貨車が登場。

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シキ160形

こちらは富士電機向けに大型変圧器輸送のため製造された大物車です。

現代で大物車として用いられているシキ800形などの先輩に当たる車両ということでしょうかね。

 

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ホサ1形1号

これは浅野セメント石灰石輸送に使用していたホッパ車です。

こちらも現在「赤ホキ」として運用されているホキ9500やホキ2000の先輩格に当たる車両といったところでしょう。

 

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テラ1形146号

水に触れると発熱する生石灰の輸送のため、車体が鋼鉄でできた有蓋車で、こちらも美濃赤坂付近で運用されていたそうです。

 

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ワ1形5490号

補修作業のためか、足場が組まれてよく見えませんでした。

 

貨車だけではなく、コンテナも収蔵されていました。

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UR4-1

こちらは12フィート冷蔵コンテナで500個製造されたそうですが、なんとトップナンバーが保存されています。

コンテナのトップナンバーは、案外貴重なんじゃないでしょうか。

 

建屋から道路を挟んだ丹生川駅構内に沿う場所にも、何両か保存されています。

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91・97式軽貨車

こちらはなんと旧日本陸軍が製造した貨車で、国外でも使用できるように軌間を変更できる構造になっているそうな。

形式名に「式」を用いているのが、単なる鉄道貨車ではなく軍用装備であることを示しているのではないでしょうか。

 

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テワ1

こちらは現在の関西本線などを敷設した「関西鉄道」が1900年に製造した車両で、その後いろいろな遍歴を経たのち、車体のみが関東鉄道の竜ヶ崎車庫にて倉庫として使用されていました。

それを貨物鉄道博物館が引き取ることになり、現在日本に残存する貨車の中では最古クラスの骨董品だそうな。

 

検査表記は、貨物鉄道博物館が平成30年3月に補修したからか「貨鉄博工 30-9」という表記になっております。

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遊び心があって面白いですね。

 

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DB101号

こちらは東海道本線用宗駅に隣接する「巴川製紙所」で、現在は廃止された専用線にて活躍したスイッチャーで、引退後は名古屋市内で保存されていたのち、2004年にここへ収蔵されたそうです。

 

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タ2000形2001号

もともとは二硫化炭素専用タンク車である「タム200形」として生まれたのち、わずか2年でアルコール専用車の「タム2000形」に改造されたという経歴を持つそうな。

ちなみのこの車両は1939年製で、国内に現存する唯一の戦前製タンク車だそうです。

 

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タム500形2920号

こちらのタム500は、2軸タンク車としては最多の621両が製造されたそうです。

補修中?だったのか、社名以外の表記が全部消された状態となっていました。

 

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タム5000形6263号

こちらは腐食性の強い塩酸を積載するタンク車であるため、タンク車としては初めて内面にゴムライニングコーティングが施されそうで、その特殊構造ゆえに全般検査の工場が指定されることもあったそうな。

 

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タム8000形8000号

こちらは過酸化水素を輸送するためのタンク車で、分解反応を防ぐためタンク体が純アルミ製となっており、現代の「銀タキ」ことタキ143645にも通じる、かなり特徴的な外観をもつ車両です。

 

といった感じで、貨物鉄道博物館に収蔵されている車両をざっとご紹介したのですが、なんとこの遠征のあとさらに収蔵品が増えたそうです。

石川県七尾市のガソリンスタンドで使われていた石油タンクが、現在の七尾線を敷設した「七尾鉄道」で使われていたタンク車のタンク体を流用したもので、明治時代に製造され日本最古級のタンク体と推測される、たいへん貴重なものだったそうな。

施設の老朽化に伴い、解体されるところを貨物鉄道博物館が引き取り、博物館で収蔵・展示されることが決まり、今年9月に搬入されたそうです。

 

これにて貨物鉄道博物館の探訪は終了。

今回は建屋の中を見ることが出来なかったので、次回は開館日を狙って再訪したいと思います。

 

 

このあとは「セメント列車」「白ホキ」の出発駅である東藤原駅に移動し、入換風景を見物しに行きます。