前の記事はこちら。
「撮りトレーラー」をしたあとは、宇部興産専用道路随一の有名スポットへと移動。
宇部新川駅前の交差点から、宇部興産関連の工場が立ち並ぶ道路を抜けてやってきたのがこちら。
一見普通の踏切に見えますが、よく見ると線路がなく道路同士の交差点となっています。
なぜ道路の交差点に踏切があるのかというと、実はここ一般道と宇部興産専用道路が交わる場所なのです。
前回の記事で触れた通り、宇部興産専用道路は宇部興産が管理する私道であり、そのおかげで公道を走行できないような超特大・超重量の車両が走ることができるのですが、そのかわり公道とは立体交差化して隔離されています。
しかしこの場所だけは公道と平面交差しているため、公道を走行する一般車両と専用道路を走行する超特大車が接触しないよう、鉄道のような遮断機付き踏切を設けて隔離する措置が取られているのです。
この踏切は公道側、専用道路側の両方に遮断機が付いており、公道側の開放が定位となっています。
さらに専用道路側には遮断機と連動した2灯式信号機も設置。
また踏切の手前には、専用道路を走行してきた公道規格に対応した一般車両用の出口も設けられており、それらの車両は踏切を通らずそのまま公道に抜けられる構造となっていました。
しばらく観察していると、美祢側から専用道路を通ってきた特大車が接近。
警報機が鳴動し遮断機が閉まるととともに、信号が青に変わりました。
特大車はそのまま減速することなく踏切を通過。
踏切が閉まったかと思えばトラックが通過するとは、なかなか面白い光景ですね。
何本か観察した限り、鳴動のタイミングにバラツキがあったり、踏切を通過しない一般車に反応して一度閉鎖したものの車両が通過せず開放したこともあったので、おそらくカメラかなんかで道路上を監視し遠隔で手動操作しているように見受けられました。
というわけで、しばらく踏切を行き交うダブルストレーラーを撮影することに。
まずは工場から出てきた車両から撮影しようと待ち構えていると、ケンワースのボンネットトラクターが出てきました。
工場から出てくる車両は、直前にT字路を曲がって踏切に進入する関係か、踏切に引っ掛かることが多かったです。
続行でスカニアも出てきました。
総重量120トンというのは、鉄道車両でいうとD51などの大型蒸気機関車に匹敵し、EF66などF級電気機関車などもよりも重いので、間近で見るとなかなかの大迫力。
貨物列車好きの私としては、一目で気に入っちゃいましたねぇ。
さらに続行でもう一本来たのですが、気になる標識を発見。
よく見るとナンバープレートの下に「練習中」という標識が掲げられています。
おそらく専用道路の運転ライセンスを取得するための訓練中で、一般の免許でいうところの仮免許実習みたいなものでしょうかね。
続いては工場へ進入する車両を撮影と思ったら、待ち望んでいた車両が登場。
前回撮れなかったボルボがやってきました!!
踏切と絡めて一枚。
結局ボルボはこの1回しか巡り合えませんでしたが、とりあえず全車種が撮れたので良かったです。
踏切の反対に回って順光構図で編成写真?も狙います。
こちらは国産のいすゞ車なので顔は見慣れた感がありますが、やはり後ろの荷には興味が惹かれますね。
続行でケンワースが登場。
宇部興産専用道路を見学するツアーもありますが、一番人気はやはりこのケンワースだそうな。
やっぱりハリウッド映画でしか見られないような日本離れしたスタイルは、日本人受けが良いのでしょうかね。
さらに続行もケンワースだったので、ローアン気味でも撮影。
ケンワースも2タイプあり、先ほどのフロントグリルが下すぼみの盾形なのがT609型、こちらのフロントグリルが四角っぽいのがT610型というそうな。
このボンネットスタイルが見たくて足を運んだようなもんなので、両型をいい光線で撮れてよかったです。
トラックだけではなく、トレーラーも抜かりなく撮影。
トレーラーも、セメントの中間材であるクリンカー用や石炭用などいくつか種類があるようです。
鉄道用のタンク車とは違う造形にも惹かれますね。
この踏切を行き交う様子は動画でも記録したので、合わせてお楽しみください。
エンジン音を記録するのが目的だったのですが、残念ながら動画撮影中にスカニアとボルボ車が通過しなかったのが心残り。
機会があれば再度録音しに来たいところです。
ちなみにこの踏切の先は工場敷地内で行き止まりになっていますが、踏切のすぐ近くに宇部市営バスのバス停があり、公共交通機関でも来れます。
ただし本数は1日1往復かつ時刻が極端に偏っているので、実用性はほぼ無いです (^_^;)
地方の工場なら自家用車での通勤が当たり前なので、まあ致し方ないでしょう。
といった感じで、宇部興産専用道路探訪はこれにて終了。
思ったよりも楽しめたので来て良かったですねぇ~。
そして今回の連載も、次回が早くも最終回でございます。