川崎鶴見鉄道録

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四日市港 太平洋セメント専用線探訪 その2 晩夏の名古屋18きっぷ遠征⑨

前の記事はこちら。

四日市太平洋セメント専用線探訪も、ここからが本番です。

 

ロケハンを終えて出荷センターに戻ると、スイッチャーのヘッドライトが点灯し作業員が入換の準備を行っていました。

 

そしてしばらくするとスイッチャーが動き出し、セメントタキの入換が始まりました。

 

まずは最初から連結状態だったタキを牽いて、JRとの接続線方向へ引き上げます。

 

そしてポイントを切り替え、取り卸し設備内に停車していたタキのもとへバック。

出荷センター前の踏切には遮断機が無いため、係員が両手を広げて道路を封鎖していました。

 

そのまま編成を押し込み、置いてあったタキと連結します。

 

スイッチャーが見やすい場所に出てきてくれたので観察。

このDD511、かつては北海道室蘭市本輪西駅に隣接する「JX日鉱日石エネルギー室蘭製油所」の専用線で活躍していましたが、2014年にタンクローリーへ転換されたことに伴い専用線も廃止され、その後ここにやってきたそうな。

三重県専用線スイッチャーにも関わらず旋回窓装備なのは、そういった出自が関係しています。

 

タキの連結が終わったのを見計らい、私は一足先にJRとの授受線へと移動。

しばらくすると、ゆっくりとDD511が接近してきました。

 

その直後、タイミングを見計らったかのようにDF200が授受線から出てきました。

こちらのDF200-207がJR線内の牽引機となります。

この専用線では、必ず東藤原駅から出荷された積載編成が先着し、タキを授受線へ留め置いたあと終端の渡り線を使ってカマを機回しを行います。

 

DF200は一旦四日市駅へつながる線路へ退避します。

 

退避をおえてポイントを転換し、出荷センターからの返空編成を授受線へと運び込みます。

 

授受線まで入れきるかと思ったら、JR線と出荷センターの分岐部ギリギリで停車。

 

停車したあと再度ポイントを転換し、今度は返空編成最後尾にDF200を連結します。

 

連結作業を終えるとすぐさま反転し、返空列車は四日市駅へと出発。

寸分の無駄も無い、鮮やかな作業でしたね。

 

返空編成を見送り・・・かと思ったら、タキの最後尾を付けるのかのようにスイッチャーも移動していたようで、まだ返空列車がいるうちに積載編成の入換作業が始まりました。

授受線内には沿線の工場の出入り口も兼ねた踏切がいくつか存在しており、授受作業中はそれらの踏切が塞がれっぱなしとなるので、そちらへの影響を最小限にするため最短の手順を突き詰めているのでしょうね。

ポイントを転換し、今度はスイッチャーを積載編成のもとへと移動させます。

 

連結したところを確認し、今度は国道164号線の踏切へ。

到着とほぼ同時に、警報機が鳴り出しました。

この写真手前に踏切の操作スイッチがあり、係員が手動で遮断ロープを下降させていました。

 

セメントを満載したタキを牽いて、ゆっくりと踏切を通過します。

ここで使用されているタキ1900形は、石油輸送用のタキ1000形などより一回り小さいですが、荷重はほぼ同じ40tとなっています。

それだけに密度が大きいということになるので、見た目は小さいですが走行音を近くで聞くとなかなかの重量感を感じることが出来ました。

 

といった感じで、積載編成と返空編成の授受シーンを無事記録することが出来ました。

前述した通り作業はかなり手際よく進み、返空編成の出発から積載編成の運び込みまでは15分ほどで完了しました。

なので入換手順を事前に把握しておかないと、あっという間に作業が終わってしまうので、見物の際はご注意くださいませ。

 

このあとは再度出荷センターに戻り、今度は積載編成の入換作業を見物します。