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ヨンナナ後藤入場回送を追って、我々も山陰本線を西へと移動します。
回送列車は香住駅でしばらく停車するということで、今回はワタクシたっての希望で餘部橋梁へと連れて行っていただきました。
古くから数多のカメラマンが訪れる、日本国内の撮影地の中でも名所中の名所である餘部橋梁ですが、2010年にコンクリート橋へと架け替えられました。
現在では鉄道ファンのみならず、一般観光客も多く訪れるスポットになっております。
そんな餘部橋梁にて、さっそく撮影開始。
まずは練習電から。
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やはり列車が橋梁を渡る姿を見たいのか、この列車に合わせて多くの観光客が展望台に上がってきていました。
そしてお目当ての列車が通過。
回8851D
一見するとヨンマル単行っぽいですが、車体側面を見るとたしかに片運転台なヨンナナ単行が餘部橋梁を渡るという、ちょっぴりレアなカットでございます。
同行いただいたお尻好きのブロ友氏は、東浜俯瞰にてケツ打ちをと目論んでおられたようなのですが、私がワガママをゴリ押し結果お尻は拝めずの正面構図になってしまい、申し訳なく思っております。
それでも我を押し通して連れてきていただいたのは、実はワタクシ15年前にも訪れたことがありまして、生まれ変わった新生餘部橋梁を一目見たいと思っていたのです。
というわけで撮影後は、2代目餘部橋梁をじっくり見物してみることに。
橋桁は立派なコンクリート製になっていますが、防風壁はガラス?製になっており車窓からの眺めを考慮してくれているのは嬉しいですね。
そして橋の下に潜り込むと、なにやら赤い鉄骨が・・・。
鉄道橋としての役目は代替わりを果たしましたが、旧橋梁が観光名所として少しだけ残されています。
保存されてたのは知っていましたが、1スパンくらいかと思っていたので、想像以上の規模だったのは驚きました。
続いて展望台から餘部駅ホームへと移動。
橋梁の架け替えに伴い駅ホームの線路の付け替えられましたが、旧線も道床ごと橋梁と一緒に保存されています。
餘部橋梁は15年前当時も有名ではありましたが、すっかり一般向け観光地へと様変わりしたのもある意味驚かされましたね。
もちろん現役の駅なので、ちゃんと駅名標も付いています。
ベンチとして置かれているのは、旧橋梁で使用されていた桁の一部でしょうか。
そして保存されている旧橋梁の上へ。
この眺めは現役当時の列車の車窓と変わっていないのではないでしょうか。
歩道部分は転落防止のため頑丈な策に覆われ、足元も綺麗に舗装されていますが、終端部分だけは現役当時の線路が残されていました。
海風にさらされて、レールはすっかり赤錆びてしまっていますね。
さらにはこんなスポットも。
高い展望台によくある、下がのぞける穴でございます。
餘部橋梁は地上から40mの高さに架かっているため、なんだかんだ結構迫力がありますね。
旧橋梁の屋上と地上はエレベータが設けられており、楽々上下移動することが出来るようになっています。
15年前はエレベーターなんてなかったので、駅横の斜面に設けられた遊歩道みたいな山道を40m上り汗だくになった記憶があるので、こればかりは観光化されて便利になりましたねぇ~。
てなわけで地上に降りてきました。
このエレベーターには「余部クリスタルタワー」という愛称がついているそうな。
有料かと思いきや無料だったのが嬉しいですね(笑)。
地上部には初代橋梁の遺産がいくつが静態保存されています。
まずは切り取られた橋脚の一部。
上部が切り取られたのは残念ですが、ここまで保存されているとは思わなかったので意外でしたね。
さらに国道沿いには橋桁が残されていました。
これは橋梁のど真ん中の部分の橋桁ですかね。
橋の真下には、橋梁架け替え完了後の2012年に観光拠点として道の駅も整備されたそうです。
15年前は数台分くらいの駐車スペースしかなかった記憶があるので、かなり便利になったんじゃないでしょうか。
ここで15年前、旧橋梁時代に訪れたときの写真を発掘したのでご紹介。
L版プリント写真を家庭用プリンターでスキャンしたので画質はお察しですが・・・、当時の雰囲気を感じ取っていただければと思います。
いずれも2007年9月
私は元来乗り鉄派でして、カメラを持ち始めたのは高校を卒業してからと撮り鉄にしては割と遅めだと思いますが、そんなかわつる青年が初めて撮り鉄を目的として遠征したのが、この初代餘部橋梁なのであります。
このときはものすごく残暑が厳しい日でしたが、雑誌で数え切れないほど見た憧れのお立ち台へやってきた興奮と熱気は、15年経った今でも忘れられませんね。
そんな私の撮り鉄人生の原点とも言うべき地へ、今回15年ぶりに再訪することが出来て良かったですな。
早朝からワガママにお付き合いいただいたなんば氏には感謝でございます。
とまあ、一人感慨にふけり満足していたのですが、すっかりほったらかしてしまったなんば氏を探しに行くと・・・。
橋梁の袂にある公園のお子様向け遊具に笑顔で跨り、居合わせた親子連れがなすすべなく逃げ出していくという、微笑ましい光景が繰り広げられておりました。
ノスタルジックなひと時から一転、カオスな現世へと引き戻された無常さと同時に、氏をほったらかしたが故に奇行へと走らせてしまった後悔の念を表現した、ハートフルな一葉でございます。
(当然ながら冗談ですので誤解なきよう小文字で付け加えておきます)
そんな氏の記事も無断でご紹介させていただきます。
ちなみに回送列車のときは、氏のFFさんもご一緒されておられました。
本当に顔の広いビッグブロガーさんであられますね。