川崎鶴見鉄道録

川崎・鶴見界隈の鉄道に関するブログ

14年ぶりにキングオブ深夜バス「はかた号」に乗る その2 2022九州撮り鉄遠征②

前の記事はこちら。

 

14年ぶりに乗車したキングオブ深夜バス「はかた号」のプレミアムシートに身をゆだね一夜を明かし、目を覚ますとバスは岩国市を過ぎたあたりの山陽自動車道を走行していました。

いつものバス旅だと、乗務員の交代や近くの乗客がトイレに立った時など、2~3時間おきに目を覚ましたりしますが、今回はぐっすりと寝させていただきました。

これもゆったりしたシートと、なにより半個室の静寂さがもたらした快適な環境が全てと言っていいでしょう。

 

しばらく車窓を眺めているとお目覚め放送が入り、お茶の配給がありました。

かつてはパンなどの軽食も配られらそうですが、現在はドリンクのみのようです。

 

そして8時15分ごろ、朝の休憩地点である山口県防府市にある佐波川サービスエリアに到着。

8時すぎといえば、たいていの夜行バスであれば終点に到着している時刻ですが、まだ博多駅まで150km以上を残しており、キングはスケールが違いますね。

ここではセブンイレブンが空いているので、朝食を調達可能です。

私も歯磨きと洗顔を済ませ、買い物をしてリフレッシュできました。

 

帰りがけ、昨夜は暗くて撮影できなかった車両を撮影。

2022年現在、2020年7月に導入された三菱ふそうエアロクイーンの「はかた号」専用車両が充当されています。

 

側面には西鉄夜行バス「白夜行」のロゴである太陽の塔と、「はかた号」専用車両である証としてLine connecting Hakata with Tokyoのロゴが配されています。

 

ドア上には小さなサボが付いていました。

最近の高速バスにはドア横にLED方向幕が付いていることも多いですが、「はかた号」の場合は専用車で前述した側面ロゴが配されていることもあってか、前面幕も固定サインなのも含めて表示は控えめですね。

 

車内に戻りまして、今度は座席回りを記録しておきます。

まずは本日お世話になっているプレミアムシートから。

シート幅は約500mmで、最大リクライニング角度は最大150度となっています。

参考に新幹線のグランクラスが幅525mm・リクライニング角度43.6度なので、やはり「寝る前提のシート」だけあってリクライニング角度は国際線ビジネスクラス並のスペック、さらに個室ゆえ前後座席への配慮もいらないので気兼ねなく全開で倒してノビノビできたのは最高でしたね。

 

しかし一点だけ惜しかったのは、身長175cmの私には少々足元が窮屈だったこと。

足元は前列座席の下に潜り込むように抉られており、通常の着座体制では気になりませんが、フルリクライニングすると足が壁に着いちゃいました。

私の場合は体を慣らせば眠れましたが、私より高身長の方にはちょっと辛いかもしれませんね。

 

シートは電動リクライニングとなっており、背もたれとレッグレストを個別に動かすことが出来ます。

さらにシートヒーター、ランバーサポート(可動式腰当て)、座面送風、オマケにマッサージ機能付きという、まさに至れり尽くせりの豪華満載のシート。

テレワーク用のデスクとして払い下げてほしいくらいですね(笑)。

 

続いては座席回りを見ていきます。

窓側のひじ掛けはインアーム式のテーブルになっています。

お弁当やノートパソコンを広げても十分な大きさです。

はかた号」は夜が明けてからそこそこ走行するため、多くの人が朝食を摂るでしょうから結構重宝すると思います。

 

肘掛け前側にはドリンクホルダーとゴミ袋。

 

さらにその前にはワイヤレススマホ充電器まで装備。

バスにワイヤレス充電器が付いているのは初めて見ました。

西鉄フラグシップ車両だけあって、かなり気合入ってますねぇ~。

 

足元には小物入れがありました。

私は使いませんでしたが、小腹が空いたとき用のお菓子などを入れておくのにちょうど良さそうです。

 

小物入れは通路側の肘掛けにも。

私はスマホ置き場として重宝させてもらいました。

 

肘掛け先端にはUSBポートが2つ。

先代はAC100Vコンセントが付いていたそうですが、現行車はUSB Aコネクタへ変更となっているのでご注意ください。

 

あとは室内の細かいところもチェック。

通路側の仕切りにはハンガー掛けと小さなフック。

長いコートは無理ですが、スーツの上着くらいなら十分に使えます。

といっても春先だったので、私はもっぱらマスク掛けとして使ってました(笑)

 

正面の仕切り上部にも小さなフックがありました。

コートはこちらにかけたら良さそうですね。

 

正面の仕切りと窓枠には小物ポケットが2つ。

私はアイマスクや耳栓などをここに入れておくので、2つあるのは便利でしたね。

あと見えないところではWifiと空気清浄機がありました。

 

ほぼ完ぺきなスペックを誇るプレミアムシートにおいて、唯一残念だったのが荷物入れでした。

ハイデッカー車は客室の天井高が低いので、棚の高さが低いのは致し方ないのですが、その代わり車体前後方向に棚が抜けているので、パッキングを工夫してペチャンコにすれば意外と大きな荷物も収容できます。

ただプレミアムシートの場合、個室にするための仕切りが仇となりその技が使えず、荷物を収容するのにかなり苦労いたしました・・・。

普通なら大きい荷物はトランクに預けますが、今回は撮り鉄遠征が故にトランクに預けられないカメラを多く持ち込んだこともあり、トランクに預けたくない大荷物がある方は留意しておいたほうが良いですね。

 

ついでに後方のビジネスシートもパチリ。

腰かけてないので座り心地はわかりませんが、見た感じは結構質が高そうな座席で、さすがキングと言ったところでしょうか。

機会があればこちらの座席も利用してみたいですね。

 

てな感じで車内観察を終えて一服していると、関門橋が見えてきました。

 

バスタ新宿を出発して約12時間半、関門海峡を渡っていよいよ九州に上陸!!

 

そして13時間ちょうどとなる朝10時、小倉駅前に到着しました。

今回は終点の博多まで行かず、小倉駅で途中下車となります。

 

博多駅へ向けてもう一走りする「はかた号」を見送って、今回の乗りバスは終了です。

今回は14年ぶりにキングオブ深夜バス「はかた号」に乗車したわけですが、小倉に着いた時の感想は「もっと乗っていたかった!!」でした。

それもプレミアムシートのおかげなのは間違いなく、某ミスターのようにケツの肉が取れる夢なんて見るわきゃない、快適そのものの旅でありました。

 

時間と料金で「はかた号」と競合手段である新幹線・飛行機を比較すると、だいたい以下のような感じとなります(いずれも2022年11月時点の時刻、料金)。

はかた号

下り:新宿21:00 ⇒ 小倉9:51・博多11:17

上り:博多18:40・小倉20:20 ⇒ 新宿9:19

料金:15,000円くらい(ビジネスシート)

 

・新幹線(当日移動・始発)

下り:東京6:00 ⇒ 小倉10:36・博多11:46

上り:博多6:00・小倉6:18 ⇒ 新宿10:57

料金:東京~小倉21,560円、~博多23,390円(いずれも普通車指定席)

 

・飛行機(当日移動・始発)

下り:羽田6:20 ⇒ 福岡8:15(福岡市街まで約10分)

   羽田7:40 ⇒ 北九州9:20(小倉市街まで約30分)

上り:福岡7:00 ⇒ 羽田8:30(都心まで約20分)

   北九州6:10 ⇒ 羽田7:40

料金:羽田~北九州26,000円くらい、~福岡30,000円くらい(いずれもANA普通席、1週間先のバリュー料金、プラス空港から中心部までの交通費)

 

こうやって比較すると「はかた号」はキングたる超長距離が災いし、夜行移動のメリットである「新幹線や飛行機の当日移動より早く着く」という利点があまり生かされないと言えますね。

一応下りの新宿→小倉に関しては飛行機始発とほぼ同着でして、それこそが今回私が「はかた号」を選んだ理由の一つでもあります。

 

しかし時間的比較はあくまで始発利用が前提なので、それより遅い便だと「はかた号」のほうが早く着きます。

私のような早起きが苦手な人間は、始発の飛行機や新幹線に乗るのはかなり辛いものがあるので、個人的には夜行バスのほうが全然ラクなんですよね。

そのあたりも含めて、使い分けいただければ良いかと思います。

 

 

そんなこんなで無事に九州上陸を果たしましたが、今回の遠征はあくまで鉄がメインですので、ここまでは前菜と言ったところ。

てなわけで次回より、いよいよ本格的に活動を開始いたします。