川崎鶴見鉄道録

川崎・鶴見界隈の鉄道に関するブログ

旭化成 南延岡専用線探訪 2022九州撮り鉄遠征⑪

前の記事はこちら。

宗太郎峠を越えて、遠征の舞台は宮崎県へと移ります。

延岡市街を通過してやってきたのはこちら。

手前には怪しげな線路、そして奥には大きな工場が見えます。

 

ここは南延岡駅の北にある、化学メーカー旭化成愛宕事業場です。

旭化成 愛宕事業場は、隣接する南延岡駅との間に専用線を持っており、この専用線を介して製品の出荷を行っています。

出荷品は衣類用繊維である「ベンベルグ」と、化学薬品の液化塩素となっており、前者は通常のコンテナ、後者は専用のタンクコンテナを使用しています。

 

この専用線も前々から興味があったのですが、延岡市は空港や新幹線駅から離れた立地ゆえ関東から気軽に行ける土地では無いので、行く機会がないスポットでした。

なので今回の九州遠征では、初日のくろがね線と並ぶメインに据えており、2日目の舞台として日豊本線を選んだのも全てはここに来るため。

そんな旭化成南延岡専用線をたっぷり探訪したいと思います。

 

まずは南延岡駅専用線の接続点にある踏切へ。

専用線南延岡駅の小倉方から西側へ分岐する構造になっており、南延岡駅の貨物側線と接続しています。

 

専用線内にはいくつか踏切がありますが、警報機は一般的な赤色灯では無く、道路用信号機の赤青2灯式バージョンが取り付けられていました。

ランプもLED式で灯器本体も綺麗なので、わりと最近更新されたようです。

さすが日本有数の大企業である旭化成専用線といったところでしょうか。

 

そして専用線の工場方に目を向けると、すでに列車がスタンバイしていました。

本日の工場からの出荷品は小豆色コンテナ10個のようですね。

 

実はこの専用線で「狙いたい荷」というのがありました。

前述した通り、この工場からは衣類用繊維と液化塩素が出荷されるのですが、液化塩素は黄色のタンクコンテナが使用されており、この専用線の名物となっています。

ここから出荷された液化塩素は、かつて通称「大牟田貨物」と呼ばれた大牟田市三井化学へと運ばれていたのですが、2020年に三井化学専用線が廃止されて以降はトラック輸送に転換しました。

現在鉄道輸送が残るのは、山口県宇部市のセントラル硝子と福岡県小倉市の東邦チタニウムへ向けが北九州タまで運行されていますが、当然ながら出荷量は落ちたので黄タンコが連結される日も減ったとのこと。

この専用線を象徴する荷だけあり見たかったのですが、残念ながらこの日は連結ならずで撮り逃す結果となりました・・・。

 

現着してあれこれ観察していると、操車係が準備を始めました。

 

それと同時に、日豊本線側では貨物列車が到着。


8075レ EF81 454

前回まで追いかけていたEF81 454が単機で到着しました。

本来であれば延岡駅で南延岡着の荷を連結してやってくるのですが、本日は着荷が無かったので単機となったようです。

ここで運ばれてきた荷が旭化成の工場へ引き込まれていくのですが、その作業も無いということになるので、出荷の黄タンコといいハズレ日だったようです・・・。

 

列車はいったん旅客ホームへ停車したあと、入換灯を点灯させて戻ってきました。

 

専用線との分岐付近にある引き上げ線へ入ったあと、貨物側線へと移動していきました。

 

JR側の入換が終わると、専用線も踏切を閉じて入換を開始。

推進運転でコキを駅構内へと押し込み始めました。

 

最後尾には当専用線の「主」がいました。

この専用線には3台ほどスイッチャーがいるようですが、JRとの受け渡しを担う主力機は日本車両製の35t機である「D35-1」です。

この日も元気に荷を押し込んでいました。

 

踏切を渡って、ゆっくりと南延岡駅へと進入。

 

私も南延岡駅へと追いかけると、EF81が停車している線路の横にコキを据え付けていました。

 

コキを切り離すと、スイッチャーは工場方面へと戻っていきました。

着荷があるときは入換が続くのですが、この日は工場へ持っていくものが無いので、そのまま帰っていきました。

 

スイッチャーがいなくなったあとは、EF81もパンタグラフを下げており特に作業もしないようです。

折り返しとなる8076レは20時ちょうど発なので、夜までこのまま待機なのかもしれませんね。

 

私もスイッチャーを追いかけて、今度は旭化成の工場前へと移動。

途中で一旦停止するので追い抜いて工場前で待機していると、踏切を閉鎖して工場の門が開けられました。

 

ゆっくりと踏切を渡り、工場へ入っていきます。

 

工場へ入ると門を閉めて、さらに奥まで進んだところでエンジンが切られました。

これで本日の業務は終了のようです。

 

今回は動画も回していたので合わせてご紹介。

南延岡駅への押し込みと、工場への戻り時のシーンを収録していますので、合わせてお楽しみくださいませ。

 

この先列車の運行はなさそうなので、工場付近の専用線を散策することに。

この専用線は工場前で二股に分かれているのが特徴です。

左側に見えるガーター橋がある線路が先ほどの工場前の踏切に繋がっているのですが、実はもう1本分岐しています。

 

その分岐した先には、もうひとつ工場への入口があります。

こちらの門は車庫と通常コンテナの荷下ろし設備があるような。

コンテナの着荷があれば、こちらの門を使用した入換も見られるようです。

 

これで専用線を後にして、最後は南延岡を見下ろすことが出来る愛宕山展望台に上ってみました。

日向灘をバックに、南延岡駅専用線を一望することが出来ます。

ここからでも専用線の列車を撮影可能なので、もう少し通えたらここから撮影するのもいいかもしれませんね。

 

といった感じで、旭化成南延岡専用線の撮影はこれにて終了です。

一応列車は撮れたものの、お目当てだった黄タンコは撮れず仕舞いだったのでリベンジ確定ですが、なにせ延岡は関東から来るには遠すぎるのでね・・・。

いつになるか分かりませんが、次こそはモノにしたいところです。

 

なんだかんだで時刻は17時を回っていたので、延岡の中心街に出てちょっと早めですが晩御飯を摂ることに。

宮崎のご当地グルメとして全国的に知られるチキン南蛮は延岡市の洋食屋が発祥らしく、その血筋を引くというこちらのお店に行ってみました。

 

名物のチキン南蛮定食を発注。

ところが出て来たのは、県外人が知る「甘酢ダレに浸したチキンカツのタルタルソースがけ」ではなく、一見トンカツのようにも見える代物でタルタルもありません。

どうやらこのスタイルがチキン南蛮の原形で、アレンジとしてタルタルを掛けるようになったのですが、全国的に広まったのは後者のほうだったようです。

タルタルがけスタイルに慣れている私には少々物足りなさを感じましたが、これはこれでアリだったかなと思います。

 

腹を満たした後は本日の宿泊地である熊本市へと移動。

しかし延岡市熊本市は130kmほどあるものの高速道路やバイパスが整備されておらず、かつ九州山地を横断するため延々と陽の落ちた山道を一般道でひた走ることに。

なんだかんだ3時間弱かかって、本日の宿であるカプセル付きのスーパー銭湯にたどり着きました。

外観を撮るのを忘れましたが、スパ銭だけありお風呂が充実しており、館内もかなり綺麗だったので、車があるときは定宿にしたいくらいでしたね。

スパ銭ということで、ふやけるほど湯に浸かり、干からびるほどサウナに入って疲れた体を整えて、レストランコーナーで生ビールと生揚げ豆腐をキメました。

長時間のドライブの疲れも発散できました (^o^)

 

といった感じで2日目が終了。

次回から3日目のお話に入ります。