川崎鶴見鉄道録

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赤平市の炭鉱遺産を巡る 北海道放浪の旅 7日目⑤

前の記事はこちら。

赤平駅 北海道放浪の旅 7日目④

 

赤平市には今回初めて訪問したので、ちょっと市内を観光することにします。

前の記事でもお伝えしたとおり、赤平市はかつて日本有数の「炭鉱の街」として栄えた街ですが、現在はすべての炭鉱が閉鎖されています。

しかし、一部施設は現存し観光地として公開されているので、今回はそんな「炭鉱遺産」を少しだけ見て回ることにしました。

 

最初にやってきたのがこちら。

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「旧住友赤平炭鉱立坑」という炭鉱跡です。

この炭鉱は赤平市で最後まで採掘を行っていた炭鉱で、平成6年(1994年)に閉山されました。

 

こちらの建物のシンボルとなっているのが、天に突き出るように建てられた櫓です。

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炭鉱というと、山の斜面にトンネルを掘って鉱物を採掘する・・・というイメージがありますが、この炭鉱の場合は石炭が地中に埋まっていたため、建物の地下にトンネルを作って石炭を採掘していました。

この建物は地下トンネルへの出入口にあたり、地上と地下トンネルはエレベーターが設けられていて、先ほどの櫓はエレベータの巻上機になります。

最盛期はこの巻上機がフル稼働し、地下から石炭を吊り上げていたのでしょうね。

 

こちらの立坑跡は、残念ながら普段は一般公開はされていません。
なので今回は外観だけ眺めることにしました。

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最盛期にはなんと5000人が作業に従事していただけあり、とにかくデカいです。
フル稼働した姿たるや、そりゃ迫力満点だったんでしょうね。

 

立坑跡から道路を挟んで向かい側にも、炭鉱遺産があります。

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この建物、いったい何の跡であるか分かりますか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

正解はこちら。

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なんとお風呂だった建物でした。

 

炭鉱内で作業に従事すると、当然ながら身体は泥まみれになってしまいます。

こちらの浴場は地下で坑道と繋がっており、仕事を終えた作業員はここでお風呂に入って、それから帰宅していたそうです。

大勢の作業員が一緒に入れるように、なんと浴槽が5つも設けられているんだとか。

 

立坑跡の隣には、真新しい建物がありました。

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赤平市では、市内各所に点在する炭鉱遺産を活用して観光客を呼び込もうとしており、新たに赤平市炭鉱遺産ガイダンス施設」なる施設が2018年に建設されました。

残念ながら、私が訪れた1週間後にオープンということで、今回は中に入ることができませんでした。

 

ちなみに立坑跡と浴場跡は一般公開されていませんが、不定期で内部の見学ツアーが開催されているようで、そのツアーに参加すると内部に入れるみたいです。

どのくらいの頻度で行われているかは知りませんが、一回くらいは入ってみたい気がしますねぇ。

 

立坑跡を後にして、続いては「ズリ山」というスポットへ。

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「ズリ」というのは、石炭採掘のために掘り出した土砂のうち石炭以外の部分、要するにゴミとなる土砂の俗称です。

炭鉱が稼働している間は、当然ながらズリを坑道に埋め戻すことはできないため、炭鉱のそばに野積みされていきました。

そうやって何十年も操業し続け、膨大な量のズリが堆積した結果、本物の山のような姿になったものを「ズリ山」と呼びます。

 

こちらのズリ山は、先ほどの立坑とは別の炭鉱である「赤間炭鉱」という炭鉱から排出されたズリで出来たものです。

ズリ山の麓には、選炭工場の一部が残されています。

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現存している部分が、石炭とズリを仕分けしていた「選炭機」という機械です。

坑道から掘り出された土砂は、こちらの選炭機で商品となる石炭と、ゴミとなるズリに仕分けられ、ズリは工場裏手に積み上げられて山になったんですな。

居合わせた家族連れのお子さんが「ぞうさんみたい」と言っていましたが、確かに象っぽく見えますね。

 

このズリ山は展望台となっており、登ることができます。

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ただし山頂までは777段もの階段を登らねばなりません・・・。

しかも舗装路ではないため、連日の長雨のせいでぬかるんでおり、靴が泥だらけになることが必至なので今回は登りませんでした。

天気が良いと、赤平市内が一望できるそうですよ。

 

 

といった感じで、駆け足ながら赤平市内の炭鉱遺産を巡ってみました。

今回紹介した以外にも、炭鉱内で実際に使われていた機械が展示されている場所があったりと、炭鉱遺産はまだまだ点在しているそうです。

今度は、立坑櫓が公開されている時に来てみたいですね。

 

次の記事はこちら。

芦別駅 北海道放浪の旅 7日目⑥