川崎鶴見鉄道録

川崎・鶴見界隈の鉄道に関するブログ

稚内港北防波堤ドーム 北海道放浪の旅 9日目⑰

前の記事はこちら。

「日本最北の無人駅」抜海駅 北海道放浪の旅 9日目⑯

 

9日目の夜にして、ようやく稚内市内に到着しました。

この日のシメは、稚内駅からほど近い稚内港北防波堤ドーム」という場所です。

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初見では「一体これはなんのための建造物?」と思われるでしょうな。

 

近くには説明書きがありました。

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この防波堤ドームは、かつて日本領であった樺太稚内を結ぶ連絡船が発着する桟橋を守るために作られた防波堤です。

 

しかしながら、防波堤にしてはあまりに独特な外観をしています。

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これは、ここが連絡船の乗客の待機場所も兼ねていたため、乗客を風雪や高波から守るために屋根で覆うような構造を採用したそうです。

 

外観もさることながら、細部もかなり変わっています。

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大きな丸柱とアーチ状の梁を用いたコンクリート構造は、古代ギリシャの神殿のような造りと形容されます。

これが戦前に建造されたというのも、すごいことだと思います。

 

 

 

とここまでご紹介したのは、実は翌日に撮影した「昼の姿」であります。

ですが私が今回撮影したかったのは、日が落ちて街灯がついた「夜の姿」なのです。

 

そんな「夜の姿」がこちら。

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街灯による陰影が生み出す、この妖しい雰囲気をこの目で見てみたかったのです。

これを撮影するために、くそ重いハスキー三脚4段を北海道まで持っていたと言っても過言ではありません。

 

てなわけで、色々な角度で撮影。

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この「稚内港北防波堤ドーム」は、稚内市内では有名な観光スポットとなっておりますが、訪れるなら断然夜のほうがオススメです。
ただし、街灯は22時くらいに半分くらい消灯してしまうのでご注意を。

それと、中心部から近いとはいえ人気が少ないので、女性であれば何人かで行かれた方が安心かもしれませんな。

 

といった感じで9日目の活動が終了。

最初は前日に続きテント泊を考えたのですが、雨が降っていたので急遽ホテルを手配しました。

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今宵の宿は、お馴染みのドーミーインです。

稚内駅からも歩いてすぐの場所にあり、乗り鉄旅でもアクセス良好なので、稚内での定宿にしています。

 

中はドーミーインでは普通のタイプでした。

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本日の晩御飯。

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なんと稚内に来てまで、カップ焼きそばとコンビニ惣菜です (^_^;)

というのも、実は間違えて2000円くらいする豪華朝食バイキング付きプランを予約してしまい、晩御飯の予算が無くなってしまったのです・・・。

 

そしてこの「山わさび塩焼きそば」なんですが、ものスゴイわさび風味が効いており、食べだすと涙が止まりません。

いろんな意味で、涙腺が崩壊した晩餐となったのでした・・・。

 

9日目の移動距離:262.6km
ここまでの移動距離:2105.3km

 

次の記事はこちら。

「日本最北の駅」稚内駅 北海道放浪の旅 10日目①

京成車充当の京急本線特急を撮る!!

京浜急行は、都営浅草線・京成線・北総線と相互直通を行っていることは、当ブログに出入りされている皆様にはご存知の方も多いと思います。

そのため、京急線内にも他社の車両も多数乗り入れているのですが、その車両運用には大きな特徴があります。

 

それは、他社の車両が乗り入れるのは空港線が大半で、本線の京急蒲田以南に乗り入れることがほとんど無いということです。

理由はいろいろ考察できますが

京急蒲田以南の快特・特急などは、120km/h対応車じゃないとスジに乗れない。(都営5300形京成3400形北総7300形などは110km/hどまり)

京急本線はラッシュ時に12両編成で運転されるので、最大8両しか組めない他社の車両は空港線に流したほうが都合が良い。

といったところでしょうか。

 

そんなわけで、京急蒲田以南のほぼすべての列車は京急車によって運転されているのですが、昨年12月のダイヤ改正にて大きな変化が起きました。平日1運用のみながら、京成車による京急本線の特急が設定されたのです。

しかも、当該列車の終点である三崎口駅に京成車が定期乗り入れするのは23年ぶりということからも、これがいかに大きな出来事であったかお判りになると思います。

 

そんな喜ばしい変化があったのは良いのですが、ひとつ問題があります。

それは、この列車の品川駅発が18時38分と遅い時間帯に京急線内に乗り入れてくるため、京急線内での走行写真撮影は非常に限られた条件下でしかできないということ。

品川駅の発時刻から考えると、夏至付近の晴れか薄曇りの日かつ京急川崎駅以北でないと、露出的に走行写真撮影は厳しいでしょう。

 

そんなわけで、上記の記事にて初列車を撮影してからは1度も狙っておりませんでしたが、昨日がちょうど「夏至前日かつ薄曇り」という上記条件にぴったりな日でございましたので、仕事終わりに撮影に繰り出してきました。

相変わらず長い前置きとなりましたが、今回はそんな「京成車充当の本線特急」の撮影記録をお届けします。

 

今回撮影するのは、京急本線下りの有名撮影地として知られている平和島駅です。

到着したのは18時ごろだったので、まずは練習電を何本か行います。

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北総鉄道 7500形7503F「北総鉄道開業40周年ヘッドマーク

最初にやってきたのは、北総鉄道40周年記念ヘッドマークを掲げた7503F。
運用は全く調べずに来ていたので、いきなり特別塗装に遭遇できてラッキーでした。

 

そしてラッキーな出来事が続きます。

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京急 新1000形1667F

その次に来た普通は、2日目に営業開始したばかりの1667Fでした。
まだデビューして2日しか経っていないこともあり、足回りもピッカピカです。

ちなみにこの1667Fが、最後の800形であった823Fに「引導」を渡した編成でございます・・・。

 

その後は無難な車両が続いたので、他社車を中心にダイジェストで。

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北総鉄道 7300形7828F

 

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都交通 5300形5305編成

こちらはじわじわ数を減らしている、東京都交通局5300形
スカートが短い初期車から潰していくのかと思いきや、後期車にも廃車が出ており動向が気になる形式です。

 

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京成 3700形3708F

この辺で18時半を回り、露出がガクッと落ちてきました。

 

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都交通 5300形5308編成

本線京急蒲田以南に直通する他社車両の運用としては、東京都交通局もいくつか運用を持っています。

休日南エア急は散々撮っていますが、それ以外の運用につく5300形も地道に記録していきたいところです。

 

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京急 新1000形1057F「イエローハッピートレイン」+ 600形654F

露払いはイエローハッピートレインでした。

 

そして本命が登場。

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京成 3000形3056F

偶然にも、昨年12月の初列車にも充当された3056Fが今日も入っていました。
この列車は平日1本しか運行されないことから、天気が良い日に会社を定時で退社できないと撮影できないため、失敗するとやっかいなので成功して良かったです。

 

ちなみに、今回の撮影に関する補足情報を。

この「特急三崎口行き」は、夕方ラッシュは10分間隔で運転されていますが、平和島駅だと上りエアポート急行と被る可能性が高く、実際に今回も半分くらいの列車は被って撮影できませんでした。

この時間帯は両列車とも10分間隔でパターン運転していますが、ちょうど平和島駅で交差してしまうダイヤとなっているようで、特急が数十秒遅れると上りエア急の発車と被って撮影できなくなります。

平和島駅での撮影は、被りリスクを覚悟して臨まれたほうが良いと思います。

 

といった感じで、本命の列車を無事に撮影できました。

まだ数週間は撮影出来そうなので、今後は多摩川鶴見川流し撮りにチャレンジしたいと思います。

「日本最北の無人駅」抜海駅 北海道放浪の旅 9日目⑯

前の記事はこちら。

開源パーキングシェルター 北海道放浪の旅 9日目⑮

 

本連載シリーズ「北海道放浪の旅」でありますが、なんと今回で100回目の更新を迎えました。

振り返りますと、この旅に出たのがおよそ1年前の2018年7月1日、そして連載を始めたのが2018年7月15日のことでした。

それから約11か月かけて100回に渡り更新してきたわけですが、全13泊14日の旅の記録のうち、未だ9日目も消化しきれていない状況でございます (^_^;)

 

旅を終えた段階の感触だと、今年のゴールデンウィークくらいまでかかるかな?と思っておりましたが、相変わらずの長筆・駄筆・遅筆が響いておりまして、旅立ってから1年が経とうしている現在でも、終わる気配が全くございません・・・。

といっても、間に日常ネタや遠征ネタも挟みつつの連載であり、ブログの更新自体は週5~6ペースで続けておりますので、全体的に考えると更新頻度はかなり高めのブログなのですがね。

 

個人運営のブログというものは「1年後にも更新が続いているものは1割しかない」と言われているらしいです。

その事実から鑑みますと「1つの連載を1年間で100回も更新し続けている」というのは、ある意味驚異的なことだと思います。

じゃあ1記事あたりの内容の濃さは?という話になると、あれなんですが・・・。

 

すでに100回も連載したものに対し、いまさら記事の内容を簡略化して連載期間を縮める気もないので、今のテイストでこの先も更新を続ける所存です。

ですがそうなると、今までの実績から推測するに記事数にして残り50回程度、期間にすると年末までかかることになります・・・。

今までの99回すべてを読んでくださっている方は、おそらく指折り数えられる程度と思いますが、今後も気長にお付き合いいただけますと幸いです。

 

 

 

そんな記念すべき100回目の記事にして、ついに「日本最北のまち」である稚内市に到達しました。

まず向かったのは抜海駅です。

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抜海駅は、宗谷本線で3番目に北にある駅ですが、抜海駅より北側にある稚内駅および南稚内駅は有人駅であるため、この抜海駅は「日本最北の無人駅」ということになります。

ただ無人駅とはいえ、かつては有人駅だった名残で駅舎はそれなりに立派です。

 

そんな抜海駅舎の中の様子。

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ガランとしておりますが、赤く塗られた扉が良いアクセントになっています。

 

有人駅時代の抜海駅は貨物扱いも行っており、現在も往年のカウンター跡が残されております。

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お馴染みの駅ノートもありますが、管理の仕方が他の駅とは少し違います。

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抜海駅の駅ノートはルーズリーフ式で、ある程度溜まったらバックナンバーという形で製本されているようです。

有志の方が行っているのだと思いますが、表紙にも気合が感じられて維持レベルが高いですね。

 

ホームから見た駅舎。

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表から見ると気付きにくいですが、裏から見ると木造駅舎だということが分かります。

抜海駅は、木造駅舎としても日本最北だそうな。

 

ホーム側の入口には気合の入った駅名看板がありますが、この黒い縦型のやつは貝殻を貼りつけて文字を模っているらしいです。

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続いてホームの様子。

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抜海駅は2面2線の相対式ホームとなっています。

 

駅名標を記録。

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縦型のやつは、なぜか2種類あります。

 

ホームを観察していたら警報が鳴りだしたのでカメラを構えると、運よく札幌行きの特急「宗谷」がやってきました。

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52D 特急「宗谷」

この「宗谷」の札幌駅~稚内駅の走行距離は396.2kmで、これは在来線昼行特急では博多駅宮崎空港駅を結ぶ「にちりんシーガイア」に次ぐ第2位の距離です。

ちなみに400kmを東京発の新幹線に当てはめると、東京~岐阜羽島(396.3km)や東京~古川(395.0km)とほぼ同等であり、東京~名古屋や東京~仙台よりも長い距離となります。

 

抜海駅前の様子。

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抜海地区の集落は駅から数キロ離れたところにあり、駅の回りには民家が2件あるのみで、集落らしきものはありません。

一応1日平均乗車人員は1.4人だそうですが、半分以上は鉄道オタクなんじゃないでしょうかね?

 

抜海駅探訪はこれにて終了ですが、ちょっと寄り道。

上述した抜海集落のなかに「抜海港」があるのですが、この抜海港はゴマフアザラシの越冬地として知られています。

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今回訪れたのは夏だったので、本来であればアザラシはいません。

しかし、一部の個体は北上せずに抜海港に定住しているそうで、今回はその定住した個体が見れないかな、という期待のもと訪れてみました。

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ですが、残念ながら私が訪れたときは姿を確認できず・・・。

「見ることができればラッキー」くらいの確率のようです。

 

抜海地区を後にして、稚内市街へむけてラストスパート。

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原野のような景色が広がり、いよいよ「最果ての地」が近づいてきたことを実感してきました。

 

次の記事はこちら。

稚内港北防波堤ドーム 北海道放浪の旅 9日目⑰

開源パーキングシェルター 北海道放浪の旅 9日目⑮

前の記事はこちら。

豊富駅 北海道放浪の旅 9日目⑭

 

豊富駅を後にし、国道40号線をさらに北上します。

と、その道中ちょっと変わった施設があったので、休憩がてら下車してみました。

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その名も「開源パーキングシェルター」と言います。

 

内部はこんな感じ。

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屋根付きの駐車スペースのほか、公衆トイレや自販機があります。

まあ普通の休憩スペースという感じですね。

 

しかしお気づきの方もいると思いますが、ここはパーキングシェルターという名前が付いている通り、単なる休憩場所ではなく「避難所」的な意味で設けられた施設なわけです。

 

実は道北の沿岸部というのは、冬になると猛烈な地吹雪が多発する地帯

そんな地吹雪に巻き込まれると、視程が数mなんて状態になって走行するのは危険であるため、そういった時に避難する場所がこのパーキングシェルターなのです。

 

「そんなときは路肩に止まってやり過ごせばいいじゃん」と思うかもしれませんが、実はそれが安全とは限らないのです。

例えば

・大型ダンプがノーブレーキで突っ込んできて、路肩のガチガチに凍結した雪壁に叩きつけらて車ごと大破する。

・エンジンをかけた状態でマフラーが埋もれると一酸化炭素中毒死、エンジンを切ると凍死する可能性がある。

・停車した場所が圧雪アイスバーンだと、猛烈な横風によって車ごと路肩に転落させられる。

などなど、地吹雪時は路肩に停車することすら危険なのです。

だからこそ頑丈な屋根に覆われていることに意味があり、道北地区にはここ以外にもいくつかのパーキングシェルターが設置されています。

 

そんな「試される大地」っぷりを象徴する施設だったので、今回はこのパーキングシェルターを取り上げてみました。

 

 

開源パーキングシェルターを後にし、国道40号線から日本海側へ抜ける途中で「北海道と言えば」な動物に遭遇。

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皆さんご存知のキタキツネでございます。

キタキツネは札幌市のど真ん中にも出没するくらい、北海道ではエゾシカと並んでどこでも見る動物ですが、この旅では初めての遭遇でした(結果的に、キタキツネに出会ったのはこの1回だけ)。

 

しかし、このキタキツネはエキノコックスという寄生虫を持っており、それが人間の体内に入ると最悪の場合死に至るという、モフモフな可愛い外見とは裏腹に危険な動物なのです。

北海道民にとっては、小さいころから耳が痛くなるほど教えられているので「常識」でありますが、道外の方は知らない方もいると思いますので、ご注意くださいませ。

まあ、普通に観察したり写真を撮る分には全く害はないので、遠くから見守るだけにしておきましょう。

 

次の記事はこちら。

「日本最北の無人駅」抜海駅 北海道放浪の旅 9日目⑯

貨物列車撮影 6/19 夕暮れの浜川崎にて

梅雨のあいだの青空が広がった、本日の神奈川界隈。

本日は会社を定時で上がれたのですが、空を見るとばっちり夕陽が出ておりましたので、夕暮れの浜川崎界隈でさくっと撮り鉄することにしました。

 

まずは渡田踏切で「クリーンかわさき号」を狙います。

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152レ「クリーンかわさき号」 EF65 2085

残念ながら、夕陽は雲に隠れてしまったのでギラリは得られず・・・。

なかなかうまいこと行きませんねぇ。

 

リニア残土輸送にPF白プレが充当されていたので、浜川崎駅に移動して撮影。

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8153レ EF65 2094

現在3往復あるリニア残土輸送ですが、この8153レは浜川崎駅発時刻が18時半とかなり遅いため、今時期しか狙えない列車です。

といっても、基本的に荷もカマも全列車同じなので、あえてこの列車を狙う必要性は少ないかも知れませんが。

 

ケツ打ちでお見送り。

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以上で本日の撮影は終了です。