川崎鶴見鉄道録

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「鉄路廃止決定」日高本線末端部巡り① 様似駅 北海道放浪の旅 13日目⑦

前の記事はこちら。

「愛の国から幸福へ」幸福駅 北海道放浪の旅 13日目⑥

 

道東地方の帯広市幸福駅から、国道236号線を経由し車を走らせること100km、北海道最大規模の山脈である日高山脈を越えて、道央地方の様似町へやってきました。

今回からの舞台となる路線は、今まさに存続の危機に揺れている日高本線の末端部であります。

 

日高本線鵡川駅様似駅は、2015年1月に発生した爆弾低気圧の影響で長期運休となっており、当該区間は現在バスによる代行運転が行われていますが、JR北海道は2016年に当該区間の鉄路による復旧を断念し廃止する方向であることを表明し、沿線自治体と廃止に向けた協議を開始しました。

そんな状況下にある2017年の年末、鉄路として運行を続けている苫小牧~鵡川間の乗り鉄を行ったのが、下の記事であります。

この時点では、廃止に向けた協議を行っている最中でしたが、つい先日となる2019年11月12日、沿線7町で行われた協議会で多数決により鵡川駅様似駅間の廃止・バス転換に向け各町とJR北海道との協議入りを決定」し、日高本線の末端部の鉄路廃止が事実上決まったのです。

JR北海道は2020年度を目途に廃止する意向であるので、当該区間に残された時間はわずか1年ほどということになります。

 

今回の旅は2018年7月に行ったため、その時点では廃止が決定していませんでしたが、鉄路が復旧する可能性はまず無いことが分かっていたので、「わがまちご当地入場券」の収集がてら、主だった駅の様子を記録することにしました。

今回より何回かに渡って、その様子をお伝えしていきたいと思います。

 

まず最初にやってきたのは、日高本線の終点である様似町の様似駅です。

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様似駅は平屋建てのシンプルな駅舎です。

日高本線の終点であると同時に、日高地方有数の観光地である襟裳地区の玄関口でもあるので、観光案内所も入居しています。

 

さっそく駅舎の中へ。 

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利用客数の割には、それなりの広さの待合室があります。

 

様似駅簡易委託駅となっており、駅舎の中に窓口があります。

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実はこの窓口、本職はジェイアール北海道バスの窓口であり、バス会社にJR北海道の鉄道乗車券の発売を委託している形となっています。

JR北海道の駅舎を間借りしているジェイアールバス北海道に、JR北海道が乗車券の発売を委託する・・・という、なんだかややこしい状況です。

 

「わがまちご当地入場券」もこの窓口で発売していたので、さっそく購入へ・・・と思ったのですが

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JR北海道のホームページに記載されていた営業時間内にも関わらず、窓口の方が売上金の入金?に行っちゃったのか、窓口が閉まっておりました (^_^;)

このゆるさが、都会と田舎の時間の流れ方の違いなんだろうなと思います。

 

というわけで購入は後回しにして、続いてホームの見物へ。

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様似駅は1面1線のホームと、側線が1本の構成となっています。

1982年までは、終端部の先に「日本電工 日高工場」までの専用線が伸びていたようですが、現在はその面影はほとんど残っていません。

 

3年以上列車が入線していない線路はすっかり赤錆びており、枕木もなんとなく腐食が進んでいるように見えます。

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そして廃止が決定した今、もう2度とこの線路を営業列車が走ることはありません。

 

駅名標を記録。

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この駅名標が現役でみられるのも、あとわずかな時間しかありません。

 

続いて駅前の様子。

駅前には、ジェイアール北海道バスのバス停があり、ここから襟裳岬・広尾方面および上野深方面への路線バスと、日高本線様似~静内間の代行バスが発着しています。

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車両はすべて上のような一般型の路線バス車両です。

様似駅から襟裳岬までは1時間、襟裳岬から広尾まではさらに1時間ほどで抜けることができ、私も鉄路が健在の頃に一度だけ利用したことがあります。

 

そんな感じで色々見物をしていると、窓口の方が戻ってきたので「わがまちご当地入場券」を購入。

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表の柄は「様似駅に停車するキハ130形」でした。

普通の硬券入場券もあったので、併せて購入しております。

 

様似駅を後にし、次なる町へ移動・・・の道中で、ちょっと気になるお店を発見。

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北海道のローカルコンビニといえば「セイコーマート」が最も有名ですが、その次に有名なのがこちらの「セラーズ」でございます。

ですがこの「セラーズ」は個人商店の寄り合いのような業態であり、系列チェーンとしての運営がなされておらず、公式ホームページも無く正確な店舗数が把握できないため、まさに神出鬼没なコンビニなのです。

この旅唯一のセラーズ?だったので、記念に缶コーヒを1本購入しました (^_^;)

 

次の記事はこちら。

「鉄路廃止決定」日高本線末端部巡り② 浦河駅 北海道放浪の旅 13日目⑧