川崎鶴見鉄道録

川崎・鶴見界隈の鉄道に関するブログ

2023年ダイヤ改正 川崎界隈の貨物列車運用はこう変わる!①

今年もJRグループダイヤ改正の季節がやってきました。

 

今回のダイヤ改正の話題としては、個人的には何と言ってもJR北海道キハ183系の定期運用引退でございますな。

キハ183系国鉄型と言いつつJR化後に増備された車両も含まれていますが、そのほかにもJR東日本651系が引退、JR東海キハ85系も「ひだ」から撤退し「南紀」からも今夏に置き換え予定など、JR第一世代の特急車両の淘汰が進んだ印象ですね。

その一方で地元の神奈川県下では、相鉄長年の悲願とも言われた東京都心乗り入れ路線2本目として相鉄~東急直通線が開業、さらに西ではうめきた新駅開業など明るい話題もいくつかありました。

 

そんな変化のあった2023年ダイヤ改正ですが、JR貨物にも変化がありましたので、毎年恒例のダイヤ改正における川崎鶴見界隈の貨物列車の動きについての特集をお届けいたします。

今回も参考文献は「貨物時刻表」でございます。

今年の表紙は2枚ともEF64が飾りました。

ダイヤ改正の度に動向が注目される同車だけに、これがなにかを暗示しているようなことがなければ良いのですが・・・。

 

当ブログは「川崎鶴見界隈の貨物列車の撮り鉄記録」がメインコンテンツですので、今回取り上げる特集の前提条件は

鶴見駅を起点とし「横浜羽沢」「東高島」「川崎貨物」「新鶴見信号場」までの範囲

②上記範囲において、定時基準で撮り鉄可能な時間帯を走行する列車

とさせていただきますが、変化のあった列車をすべて取り上げるとキリが無いので、個人的に気になった内容をピックアップしてお届けします。

 

また昨日改正が行われたばかりですので、実運用は確認できておりません。

時刻表と実運用で異なる点があった場合、当然ながら実態と異なりますのでご了承ください。

 

今回の記事では列車運用に関する動きを見てみます。

「リニア残土輸送列車」が大増発!!

今年のダイヤ改正で一番の注目は、JR東海が建設を進めるリニア中央新幹線の工事で発生した残土を輸送する、通称「リニア残土輸送列車」が3往復から7往復へ大増発されたことです。

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この列車はリニア中央新幹線のうち、梶ヶ谷貨物ターミナルに隣接する工事現場(梶ヶ谷非常口)から排出される残土を、鶴見線扇町駅まで輸送しています。

2017年の運転開始から工事の進捗に合わせ運転と運休を繰り返しており、ここ最近は1年以上全く運転されていない状況ですが、非常口の躯体工事やシールドマシンの組み立てが終わりいよいよリニアが走る地下トンネル本体の掘削が本格的に始まるようで、その過程で大量の残土が発生することを見越しての増発と思われます。

運行ダイヤはこんな感じです。

・改正前

 8150レ:梶ヶ谷タ8:14 ⇒ 扇町9:05
 8152レ:梶ヶ谷タ14:55 ⇒ 扇町15:55
 8150レ:梶ヶ谷タ21:44 ⇒ 扇町23:25

 8151レ:扇町10:12 ⇒ 梶ヶ谷タ11:16
 8153レ:扇町17:11 ⇒ 梶ヶ谷タ19:03
 8155レ:扇町21:05 ⇒ 梶ヶ谷タ23:30

 

・改正後

 8150レ:梶ヶ谷タ5:22 ⇒ 扇町6:50
 8152レ:梶ヶ谷タ8:14 ⇒ 扇町9:05
 8154レ:梶ヶ谷タ11:15 ⇒ 扇町12:43
 8156レ:梶ヶ谷タ14:55 ⇒ 扇町6:50
 8158レ:梶ヶ谷タ17:09 ⇒ 扇町9:05
 8250レ:梶ヶ谷タ20:05 ⇒ 扇町12:43
 8252レ:梶ヶ谷タ22:45 ⇒ 扇町23:25

 8151レ:扇町6:06 ⇒ 梶ヶ谷タ7:17
 8153レ:扇町9:44 ⇒ 梶ヶ谷タ10:30
 8155レ:扇町11:25 ⇒ 梶ヶ谷タ12:56
 8157レ:扇町14:34 ⇒ 梶ヶ谷タ15:19
 8159レ:扇町16:43 ⇒ 梶ヶ谷タ17:30
 8251レ:扇町20:24 ⇒ 梶ヶ谷タ21:22
 8253レ:扇町22:35 ⇒ 梶ヶ谷タ23:30

早朝から夜中までビッシリとピストン輸送する体制で、改正前は新鶴見EF210が1運用で担当していましたが、改正後は2運用が割り当てられています。

新鶴見信号場を起点に短距離で完結する運用なので、こうなるとPFによる代走も期待しちゃったり・・・。

 

ちなみにJR東海が公表している工事計画だと、梶ヶ谷工区では2023年から2026年にかけてシールドトンネルの建設工事が行われる予定ですが、その工事にはリニア軌道や電気工事なども含まれるので、残土が発生する掘削工事は3年くらいでしょうかね。

ただこのリニア工事、静岡工区を始めとして遅れも発生しているようなので、動向に注視しながら当ブログでも取り上げて行ければと思います。

 

「リニア残土輸送列車」の大増発で一部列車にダイヤ変更が発生

上述の「リニア残土輸送列車」大増発のあおりを受ける形で、走行線区である南武支線の貨物列車にも一部ダイヤ変更が発生します。

その大半は実際にはほぼ運転されていない予定臨のスジですが、一部は恒常的に運転されている列車にも及んだので抜粋して紹介。

・4073レ(海コン列車)

 改正前:川崎貨物16:49 ⇒ 新鶴見信号場17:08

 改正後:川崎貨物16:39 ⇒ 新鶴見信号場16:57

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/k/kawaturu/20200703/20200703213418.jpg

 

・8079レ(米タン)

 改正前:浜川崎14:48 ⇒ 新鶴見信号場15:06

 改正後:浜川崎14:53 ⇒ 新鶴見信号場15:11

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/k/kawaturu/20210223/20210223211428.jpg

 

・配8993レ(米タン用タキの川崎貨物回送)

 改正前:川崎貨物9:42 ⇒ 浜川崎9:57

 改正後:川崎貨物11:30 ⇒ 浜川崎11:46

 

・配8992レ(米タン用タキの川崎貨物回送)

 改正前:浜川崎18:42 ⇒ 川崎貨物18:38

 改正後:浜川崎16:20 ⇒ 新鶴見信号場16:33

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/k/kawaturu/20210621/20210621211822.jpg

 

・8056レ(芋臨)

 改正前:新鶴見信号場9:39 ⇒ 川崎貨物9:58

 改正後:新鶴見信号場7:00 ⇒ 川崎貨物7:22

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/k/kawaturu/20191109/20191109205907.jpg

いずれも「リニア残土輸送」の運行経路のうち、ボトルネックとなる川崎新町~尻手~新鶴見信号場の単線区間浜川崎駅に絡む列車ですね。

改正前のクセで撮り逃すことが無いように注意したいところでありますな。

 

福山レールエクスプレス」が1両増える?

福山通運による貸切列車「福山レースエクスプレス」の一部区間で輸送力強化が行われ、12ftコンテナ5個分(=コキ1両)が増結されるようです。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/k/kawaturu/20221210/20221210203318.jpg

対象となる列車と区間は以下の通りです。

・53レ:東京タ ⇒ 吹田タ(23両から+1両)
・52レ:吹田タ ⇒ 東京タ(23両から+1両)
・55レ:東京タ ⇒ 岡山タ(22両から+1両)
・54レ:岡山タ ⇒ 東京タ(22両から+1両)

もともと長編成なので、撮り鉄的には1両増えたところでさして関係ないっちゃないですが、動画派やギリギリ編成を捻じ込めた撮影地では入らなくなるとかは影響があるかもしれませんね。

 

 

以上が今年のダイヤ改正における列車運用のトピックスでございます。

「これだけ?」とお思いの方もいるでしょうが、川崎鶴見界隈においてはリニア残土輸送輸送関連を除けばほとんど変更はありませんでした。

近年はドライバー不足やEC市場拡大による輸送量増加で、各社ブロックトレインの新設がちょっとしたブームになってましたが、それもひと段落したような感じですかね。

 

ですが今年大きな変化があったのは、それらを牽引するカマ運用のほう・・・。

どんな変化があったかは、次回の車両運用編で纏めます。