川崎鶴見鉄道録

川崎・鶴見界隈の鉄道に関するブログ

12年ぶりに自作パソコンを作ってみた。

本日はいつもの鉄道ネタとはちょっと異なる話題をお届けいたします。

 

先週末、当ブログやTwitterの更新作業や、そこに掲載する写真現像などに使用している個人用のメインパソコンを更新いたしました。

なんでこのタイミングでパソコンを更新したのかといいますと、先だって更新した撮り鉄用のカメラが大きく関わっているのです。

 

3月上旬にカメラをミラーレス一眼のEOS R6 MarkⅡへ新調したのは良かったんですが、購入後に想定外の事態が発生しまして・・・。

どうもミラーレス化に伴いRAWファイルの構成?が変わったらしく、画像編集時の処理負荷が大幅に上がって私のパソコンのスペックではまともに扱えないことが判明したのであります (^_^;)

その程度もかなり深刻で、補正用のスライダーをちょっと触るだけでフリーズ一歩手間のカクカク動作になりまともに編集などできず、これではカメラを更新した意味が全く無い有様でした・・・。

 

なのであながち鉄道ネタとは無関係ではないよ、という前振りをしたところで、そんなパソコンの更新記録を備忘録も兼ねて綴っていきたいと思います。

 


 

まずは現パソコンからご紹介。

見る人が見ればわかると思いますが、私のメインパソコンは自分で各種パーツを組み立てる「自作パソコン」でございます。

自作パソコンはメーカー製の組み立て済み製品と違いパーツ単位で入れ替え可能なので、一部パーツを流用する形で今回も自作することにしました。

 

スペックはこんな感じ。

CPUはIntel「i5-2500K」というものですが、実はこれ2011年に発売された製品でありまして、なんと12年前のパソコンをずっと使い続けていたのです (^_^;)

そんな時代遅れのパソコンで最新カメラのRAWファイルを扱おうとしたのですから、そりゃ無理があると言われりゃ返す言葉もありません・・・。

 

ちなみにIntelのCPUには世代ごとに開発コードネームが付いており、i5-2500Kを含む第二世代は「Sandy Bridge」と呼ばれています。

で、その第二世代CPUを未だに使い続けている私のような人間はSandyおじさんという名前で半ばネタ扱いされているようです(笑)

ただSandy Bridgeはかなり優秀なCPUでして、Windows10にもギリギリサポートされたこともあり、オンラインゲームなど高負荷なソフトウェアはともかく、動画を見たりOffice程度のソフトなど一般的な用途であれば、令和の時代でも不自由なく使用できておりました。

現に今回カメラを買い替えなければ問題なかったわけで、この記事にある「まだ戦える」は、全く間違いではないというのは私が実証しております(笑)。

 

ただそんな私に牙をむいてきたのが、Canonがミラーレス化とともに新たに制定したRAW規格である「CR3」ファイル。

もともとRAWファイル現像というのは、自作PC界隈でもスペック比較の指標として扱われるほどの高負荷作業なのですが、前主力機だったEOS 7D MarkⅡでの「CR2」よりも光学補正情報?などが拡張された分だけ処理負荷が増したそうで、ついにSandy Bridgeの許容範囲を超えてしまったのです・・・。

もともとSandy BridgeはWindows11でサポートされないことが公表済みで、そのときに合わせて更新しようかと思っていたのに、まさかその前にCanonから「お前はもう戦えんよ・・・」と引導を渡されるとは予想外でした (^_^;)

 

そんな骨董品のパソコンを更新すべく、秋葉原へパーツの買い出しへ。

 

ここからは、私のようにSandy Bridgeからの卒業を考えているおじさま向けに、細かい内容まで綴っていこうかと思います。

色々考えた結果、今回はCPU、マザーボード、メモリ、電源、ここには写って無いですがケースの5点を更新することにしました。

参考に今回購入したパーツがこちら。

CPU:Intel i5-13500(35,680円)
マザーボードASUS Pro B760M-C CSM(ドスパラ限定品?)(17,710円)
メモリ:Crucial DDR5-4800 32GB×2(24,981円)
電源:玄人志向 KRPW-AK650W/88+(8,480円)
ケース:SilverStone SST-PS16B(7,128円)

 合計:93,979円

CPUは最新の第十三世代を選んだので、一気に十二世代も進化しました(笑)

第十三世代CPUの対応メモリは実質マザボ依存となっており、前世代で値落ちしきっているDDR4と、最新でちょい割高なDDR5の両方選べますが、今後の故障時対応も考えてDDR5対応マザボを選択。

メモリ容量は32GBでも十ですが、余裕を持たせて64GB積んでおきます。

 

今回更新に当たり最新のパーツ事情を色々調べたんですが、ぶっちゃけ12年前とそんなに変わって無いな・・・というのが印象でした。

しいていうと

・NVMe/M.2なるSSD向け新規格が生まれてた
・12年前の最上位だったi7の上を行くi9が登場(2017年から)
・PコアとEコアって何ぞや?(第十二世代から)

AMDRyzenシリーズ)の大躍進

くらいでしょうかね?

逆に言えばそれ以外は12年前から順当な性能アップしかしてないので、CPUのP・Eコア以外に革新的な進化はあまり感じませんでしたね。

そんな事情もまた、Sandy Bridgeが未だ通用できる理由な気がしました。

 

パーツもそろったので、いよいよ組み立てを開始します。

まずは現パソコンから流用する部品を取り出します。

3年くらい開けていなかったのでホコリまみれでした(笑)

 

今回はストレージ系と光学ドライブを新パソコンへ移植します。

以前のWindowsだと、マザーボードを交換するとOSの再インストールが必要でしたが、10以降は事前にMicrosoftアカウントでオンライン認証しておくことで、ドライブごと交換した場合はOS環境をそのまま引き継げるようになったのだとか。

OS再インストール後の環境構築という最高に面倒くさい作業から解放されたので、マジでこれが一番革新的な進化だったと思います(笑)。

 

続いては新パソコンの核となるマザーボード周りを組み立て。

 

まずはマザボ開封してみます。

マザーボード本体のほか、マニュアル、ドライバー用ディスク、IOパネルとお馴染みの付属品が同封されていたものの、マニュアルにはSATAケーブルも2本付属と記載があったにも関わらず入っていませんでした・・・。

まあ今回は現パソコンから流用したので困りませんでしたが。

 

で、この商品はなぜか「BUSINESS MOTHERBOARD」、つまりは業務用という但し書きがあります。

調べてみると防湿コーティングやログ管理機能など、産業用途に耐えうる加工が施されているみたいです。

屋外環境など結露や水滴が付きやすい場所ならともかく、屋内に置く自作パソコン用マザボにコーティングする意味があるのかは良く判りませんが・・・、まあ長期間使い倒す気マンマンな私にとっては損のない加工ではありますね(笑)。

 

続いてはCPUを開封


i5-13500はGPU内蔵でグラフィックボード不要、さらにCPUクーラーも付属と、費用を抑えて自作を考えている方にはちょうどいい構成ですね。

それでいてミドルクラスのi5シリーズながら、14コア・20スレッドという豊富なリソースによるマルチタスク性能は魅力的で、かなりコスパが高いんじゃないでしょうか。

 

まずはCPUをマザーボードに組付け。

取り付けると思った以上にクーラーが小さいですね。

もちろん純正品なので、必要(最小限だろうけど)な熱計算はされているはずですが、ちょっと心配にならんでも無い・・・。

 

続いてメモリをブッ刺します。

今回は4レーンに対して2枚刺しなので、薄灰色のペアに刺せとのことです。

 

あとは電源も開封

今回の構成だと500W程度でも十分なものの、将来的にグラボなんかを追加してもいいように一回り大きな650Wを確保、使用電力は定格より大分少ないはずなので効率はシルバーにしておきました。

ただ後悔したのは、ケチってお安めのケーブル直出し方式を選んだのですが、ケーブルが余りまくってケーシング時に邪魔くさかったので、特にMicro ATXケースを使う方はプラグイン方式がオススメですね。

 

以上の今回新規購入した4点のみの最小構成を組んで、まずは初期不良が無いかの動作チェックをすることに。

 

・・・・と思ったら、ここで大事件が発生。

なんと朝まで元気に稼働していたモニターがいきなり死にました・・・。

このモニターも現パソコンを組んだ時に同時購入したものだけど、まさか相棒の死期を悟って運命を共にする道を選んだのでしょうか (^_^;)

作り話じゃなくて本当に突然死したので、かなり動揺しました。

 

というトラブルがあったので、仕事用のモニターを動員して作業続行。

業務用マザボだからか、クラシカルなBIOS画面が出てきました(笑)。

見た目はともかく、CPUとメモリは正常認識しているので一安心です。

 

お次は現パソコンから流用するドライブ類を接続し、いよいよOSを立ち上げようかと思ったら、ここで恐れていたトラブルが発生・・・。

BIOS上では物理的にCドライブ用SSDを認識しているにもかかわらず、なぜか起動デバイスとして選択できず、OSを読み出すことが出来ません。

事前の下調べでは、特にBIOSを弄らなくてもそのまま旧環境のCドライブを読み込んでくれるはずなのですが、BIOS設定を隅々まで弄り倒し何十回立ち上げてもCドライブを読み出してくれず、絶望感が襲い掛かってきました・・・。

 

そんなこんなで2時間ぐらい格闘した結果、ようやく原因が判明。

結論から言うとCドライブ用SSDパーティション設定に問題がありました。

パソコンの各ドライブは「MBR」と「GPT」という2つの形式のどちらかで動作していますが、私の場合はこれが「MBR」になっていたのが原因で起動デバイスとして選択できなかったようです。

 

正確に言うとMBR形式だとダメでは無いのですが、その環境で起動するには「CSM」という機能を有効にする必要があり、たしかにBIOSにもCSMの設定がありました。

ですがIntelの方針?だかで、CPU内蔵のGPUを使用する構成ではCSMが無効に固定される仕様らしく、これを有効にするにはGPUを切る=グラフィックボードを用意する必要がありますが、今の私の手元にグラボはありません・・・。

それにより内蔵GPU使用の構成ではCSM機能が使えないので、結果的にMBR形式のドライブを起動デバイスとして選択できないということが判明したのです。

ちなみにこのCSM機能縛りは第十世代以降のCPUから適用されるため、第二世代CPUの現パソコンではMBR形式でも問題なく起動出来ていたようです。

 

原因はわかりましたがグラボを増設する気は無いので、そうなるとCドライブ用のSSDをGPT形式へ変換する必要があります。

MBRからGPTへの移行はマイクロソフトも推奨していることもあり、Windows10に内蔵されている機能で変換可能なことが分かりました。

ただこの作業には当然ながらWindowsを起動する必要がありますが、今の私はそもそもCドライブを読み込めず困っているわけで、当然ながらWindowsも起動できないのであります・・・。

 

そのため解体した現パソコンをもう一度再構築し、そちらの環境で変換処理を行うハメになりました (^_^;)

無事にGPT形式へ変換することができました。

 

変換後は再度SSDを剥がして新パソコンへ接続し、改めてBIOSを起動。

やっとこさ起動デバイスにCドライブ用のSSDが出てくれました!!

 

そしてCドライブを選択し、緊張のOS起動へ・・・。

無事にOSが起動してくました!!

ですが最初の動作確認からここまで来るのに3時間くらい時間を食ってしまい、どっと疲れちゃいました・・・。

 

GPT形式が一般的になったのはWindows8以降みたいなので、この問題はSandyおじさんのみならず、特にWindows7から無料アップデートでWindows10へ移行したマシンを使い続けていると、同様の問題が起こりそうですね。

内蔵GPUで組んでいる方はご注意くださいませ。

 

ここからは特に問題も起きず、マザボ付属のCDからドライバーをインストール。

あと画面キャプチャは出せませんが、Microsoftアカウントを開いてOSのライセンス認証をして、セットアップ作業は一通り完了です。

 

ソフトウェアのセットアップが終わったら、各機器をケーシングします。

拡張ボードを付けないため熱対策もさして気にする必要も無いので、スペース重視でMicroATXサイズのケースをセレクトしました。

 

今回は中国メーカーのケースにしたのですが、手に持った瞬間フレームがフニャフニャでいかにも安物という感じ(実際安物だけれども)。

ふたを開けると接着剤が飛び散るはと中華クオリティが炸裂(笑)。

まあamazonで7000円で買ったものなんで、こんなもんでしょうかね。

 

ケース選びで地味に苦労したのは、最近のは光学ドライブ用の5インチベイを持たないケースが多いということでした。

12年前なら5インチベイは標準装備でしたが、クラウド・ストリーミング全盛期の令和では光学ドライブなどすっかりレガシーな存在となったようで、特にサイズに余裕のないMicroATXケースでは省略されている製品が多々ありました。

ぶっちゃけ私も光学ドライブを使うのは半年に1回あるか?って程度なので廃止しても良かったのですが、まああって損も無いので引き継ぐことにしました。

 

まずは天井部分に電源を取り付けます。

ここでもフレーム全体の精度が甘いのか電源が斜めって付いたため、フレームと電源のネジ穴位置がずれており、半ば強引にネジを締めました・・・。

う~ん、中華クオリティ。

 

電源を取り付けたあとマザーボードに各種ケーブルを接続し、本体に取り付けます。

 

最後に残りのHDDとSSDを取り付け、ケーブルを整理して完成です。

ここでもHDDが真っすぐ3.5インチベイに収まらず、またしてもフレームとHDD側のネジ穴位置がずれて一苦労で、懸念通り中華クオリティ満載のケースでした(笑)。

またカラフルなケーブルが束ねられていますが、これも上の電源で触れた通り使わないケーブルが結構あってケース内を圧迫する結果に。

今回のように収容物が少ない構成の場合は、やはり不要ケーブルを取り外せるプラグイン方式をオススメいたします。

 

色々と苦労しましたが、ようやく新パソコンの完成です!!

Cドライブのところで苦労したおかげで、ほぼ1日がかりの作業になりました・・・。

まあ再インストールを回避できただけマシでしたかね。

 

最後は新パソコンの実力を測るため、ちょっとした比較検証を実施。

もともと今回パソコンを更新するに至った理由は、上で触れた通り新カメラで撮影したRAW画像の現像処理にあまりにも時間がかかることでしたので、実際に画像を現像してみることにします。

事前に用意しておいたCR2(EOS 7D MarkⅡ)とCR3(EOS R6 MarkⅡ)のRAWデータを、Canonの現像ソフト「Digital Photo Professional 4」を使用して新旧パソコンにて現像した時の時間を比較します。

各ファイルの条件は以下の通りです。

・すべてTv1/125、Av5.6、ISO8000で固定
・補正処理はDLOを適用、それ以外は撮影時のまま
・出力解像度350dpi、品質8、画像サイズ5000×3334で現像

 

まずはCR2形式の結果から。

(旧)3分50秒 ⇒(新)54秒(約4.3倍)

もともとCR2形式では1枚当たり23秒でしたが、新パソコンだとわずか5秒と爆速で処理できるようになりました(笑)

インジケーターがサクサク進むのは気持ちいですねぇ~。

 

そして本題のCR3はというと・・・

(旧)24分8秒 ⇒(新)2分11秒(約11倍)

なんと処理速度が11倍に向上という驚くべき結果に!!

旧パソコンの環境下では、CR3の現像処理はパソコンの前で待ってられないので、処理中は夕食や風呂に充てることで時間を有効活用していましたが、新パソコンではそんな考慮は全く不要となりました。

処理速度の向上は画像変換のみならず、編集中のレスポンスも爆速になったうえ、さらにYoutubeを見ながらのマルチタスク作業も全く支障が無いほどに改善され、時短効果は測り知れないですねぇ~。

 

ちなみに新パソコンはメモリを64GB積みましたが、画像変換中もせいぜい12GBくらいしか使っていなかったので、メモリは32GBでも十分かと思います。

RAW現像などの画像処理は、GPUやメモリよりもCPUの性能に依存するようなので、自作する場合はCPUにお金をかけたほうが有効といえそうです。

 

 

といった感じで、12年ぶりの自作パソコン製作記を長々とお届けしました。

これで晴れて「Sandyおじさん」を卒業することができましたが、今回余裕をみたスペックで組んだこともあって、今度は12年後に「Raptor Lakeおじさん」とか呼ばれているかもしれませんね (^_^;)

それまで当ブログが続いていたら、また製作記録をお届けしたいと思います(笑)