ここのところ、出雲、関西と遠征シリーズの更新が続いておりましたが、今回からまたまた遠征モノの新シリーズを始めます。
2月のことになりますが、仕事で松山市へ出張する機会がありました。
仕事は午前中で終了したため、午後は松山市内で伊予鉄道をちょこっと撮り鉄できたので、今回より「伊予鉄 お手軽撮影記」と題しまして、その模様をお届けします。
まずは伊予鉄道最大のターミナル駅である松山市駅付近で、伊予鉄の観光列車である「坊っちゃん列車」を狙うことにしました。
モハ50形 55号
最初にやってきたのは、松山市内線の主力車両であるモハ50形。
モハ50形はここ数年新塗装化が進められていましたが、現在は全車両がミカン色に塗り替えが完了した模様です。
↑ 旧塗装時代のモハ50形52号
JR西ならば「末期色化」と言われるところですが、地域柄ミカン色も似あいますね。
ちなみに新塗装化は路面電車だけに留まらず、郊外電車や伊予鉄バスにまで波及し、伊予鉄グループ全体でミカン色化が進んでいるようです。
モハ2100形 2104号
ANAのラッピングが施されていました。
モハ50型 69号
こちらは一番最初と同じモハ50形ですが、62~69号は車体構造がモノコック構造に変更され、車体側面にビードがあるのが特徴です。
モハ50型 73号
こちらもモハ50形ですが、62~69号で採用されたモノコック構造に問題があったのか、70号以降は従来の工法に戻され、顔だけ62~69号と同じ仕様になっています。
わが故郷の札幌市電もそうですが、こういった細かい仕様違いが豊富にあるのが、旧式の路面電車の醍醐味だと思います。
モハ5000形 5003号
続いては最新車両であるモハ5000形。
アルナ車両のリトルダンサータイプSの最新バージョンで、札幌市交の「シリウス」もモハ5000形とほぼ同仕様だそうです。
モハ2100形 2109号
こちらは御栗タルトラッピングの2109号。
ちょうど2104号が続行でやってきて、モハ2100形が2台収まりました。
モハ2000形 2006号
こちらのモハ2000形は、もともと京都市電で活躍していた車両で、京都市電全廃前の1979年に伊予鉄に譲渡されました。
そしてモハ2000形の方向幕は、ここ数年でフルカラーLED式に換装されたようですね。
↑ ロール幕式時代の2005号(2017年4月)
これはモハ2000形はまだまだ使い倒す気マンマンということでしょうか。
逆に捉えると、換装されなかったモハ50形はモハ5000形の増備と引き換えに、順次引退すると言えそうですね。
でもって、今回のメインが登場です。
D2形 14 + ハ31形 31「坊っちゃん列車(第2編成)」
伊予鉄松山市内線の観光列車である「坊っちゃん列車」は、道後温泉~松山市駅・古町駅間で運行されています。
第1編成は客車が2両繋がっているのですが、第2編成は1両しかないので、ちょっと物足りないですね。
上の写真を見ると、車両は「SLを模した電車」に見えると思いますが、実はディーゼル機関車牽引の列車です。
車両から飛び出しているのは集電用パンタグラフではなく、架線のトロリーコンダクター(架線に装着されているセンサーのようなもの)を反応させるためのもので、集電機能はありません。
「坊っちゃん列車」は何度か撮っていますが、このビューゲルを上げている姿を撮ったことが無かったので、撮影場所にここを選んだのでした。
ちなみに、ディーゼル機関車なのにビューゲルを上げる理由は、こいつを制御するためです。
松山市内線には分岐路がいくつか存在し、そこでは転轍機を使ってポイントを切り替えなければなりません。
転轍機の進路は、架線に付けられたトロリーコンダクターによって制御しているので、分岐路周辺ではディーゼル機関車でもビューゲルを上げる必要があるのです。
逆に言うと、ビューゲルは分岐路周辺でしか使用しないので、ビューゲルを上げた姿を狙うのであれば、撮影場所をよく考えねばなりませんのでご注意を。
次回も引き続き「坊っちゃん列車」を狙います。