東日本各地に甚大な被害を及ぼした台風19号。
川崎界隈でも、武蔵小杉駅周辺が冠水したり、多摩川を挟んだ二子玉川周辺では氾濫が起きたりしましたが、幸いにも私は特段被害はありませんでした。
鉄道関連でも、長野にある北陸新幹線の基地が水没したり、水郡線や上田電鉄では橋梁が流失したりと、各地で被害が相次いでいるそうです。
被災された方々の、一日でも早い復興を願っております。
そんな昨日は、昼ごろより台風が襲来する予報でしたので、前日のうちに食料を確保して1日中自宅に籠城しておりました。
そんなわけで鉄道模型でも弄るか・・・と思ったところ、購入後1年以上放置していた製品があったことに気付いたので、弄る前にレビューをしたいと思います。
KATO 品番10-1138 寝台急行「はまなす」7両基本セット
KATO 品番10-1139 寝台急行「はまなす」3両増結セット
KATOから発売された、14系および24系の急行「はまなす」です。
実車の写真がこちら。
急行「はまなす」は、青函トンネルの開業に合わせ、1988年に札幌~青森で運転を開始した夜行急行列車です。
客車には青函トンネル通過対策が施された14系500番台および24系が用いられ、札幌~函館はDD51、函館~青森はED79が牽引に当たっていました。
この「はまなす」は、札幌~函館・東北地方の夜行移動手段として重宝された列車でしたが、北海道新幹線開業と引き換えに2016年3月に廃止されました。
「はまなす」は実用上のみならず、趣味的に見ても「JR最後の定期客車列車」「JR最後の定期急行列車」など、日本唯一の肩書をたくさん持っていた列車なので、乗り鉄・撮り鉄双方から何かと人気のある列車でした。
私としても、時には札幌市の実家への帰省手段として、そして津軽海峡線への撮り鉄遠征では必ず狙っていた列車として、とても縁のある列車でございます。
そんな列車であったため、Nゲージも欲しいなぁと思っていたところ、秋葉原のぽちフェスでKATO製の良品があったので、これ幸いと購入したのでした。
が、そのあと仕事が忙しくなったり、鉄道イベントをハシゴしたりしているうちに存在をすっかり忘れ、なんと買ってから1年以上も放置しておりました (^_^;)
ちなみに「はまなす」のNゲージはKATOとTOMIX双方から発売されており、どちらも一長一短ありますが、総合的に見て私はKATO製を選択しました。
TOMIX製との差は、最後に纏めておきます。
まずはケースを開封。
基本セットが7両、増結セットが3両の構成となっていますが、実車も基本が7両編成かつ基本セットの構成と同じです。
すなわち、基本セットだけで基本編成が再現可能で、繁忙期の増結した姿を再現したいときは増結編成を買い足すことになるので、実車運用に即した親切なセット構成だと思います。
続いて全車両のサイドビューを。
基本セット
スハネフ14 552
オハネ25 11
スハフ14 557
オハ14 515
オハ14 508
オハ14 510
スハフ14 502
増結セット
オハネフ25 3
オハ14 531
スハフ14 506
最近のKATOの青色客車は初めて買いましたが、結構いい造りしてますね。
まあ比較基準が、約20年前に購入した入門セット「パスポートスペシャル」に入ってた24系25形ですけど (^_^;)
続いて各所のアップを。
まずは「はまなす」の象徴でもある「カーペットカー」のロゴ。
↓ 実車の写真
若干のかすれがありますが、サイズを考えるとこんなもんでしょうかね。
こちらも「はまなす」の象徴である「ドリームカー」のロゴ。
↓ 実車の写真
こちらも潰れちゃってるのは仕方ないとして、せめて月の部分は黄色で再現してほしかったですかね。
続いては、スハネフ14に描かれている「道内夜行」のシンボルマーク。
↓ 実車の写真
こちらも頑張っていると思います。
方向幕・号車札・種別札はすべて印刷済みです。
一見良さ気に見えるのですが、ここで一つ問題が。
基本セットの7号車に設定されているスハフ14 502は、増結セットを繋いだときに最後尾にコンバートし、増結セットのスハフ14 506を7号車に持ってくるのですが、両者に「7号車」が印刷されているので7号車が2両存在してしまうのです。
一応、後述する付属シールで張り替えられるのですが、ちょっとめんどくさいですね。
続いては、緩急車を取り出して並べてみます。
スハネフ14はオハネフ24 200からの改造車のため、切妻顔になっていますが、スハフ14は0番台からの改造車なものの、原型通りの後退角のある丸顔です。
同じ「14系」でもスタイルが全然違うのが面白いですね。
基本セットには、緩急車が3両入っています。
KATOではお馴染みの「トレインマーク変換機能」がついており、「はまなす」のほか「海峡」「急行」が設定可能です。
青森に到着した「はまなす」編成は、間合い運用で函館~青森の快速「海峡」に用いられていたことは有名ですが、そのへんもきっちり押さえられています。
テールライトの点灯具合をチェック。
必要十分な光量だと思います。
ちなみにテールライトは1号車および7号車はON固定、3号車のスハフ14 557のみONとOFFをスイッチで切替可能という、中途半端な作りになっています。
これは快速「海峡」を再現する際に寝台車を減車し、スハフ14 557が函館側の最後尾となることから、この車両はONとOFFを使い分ける必要があるためです。
増結セットにも、緩急車が2両含まれています。
こちらは中間閉じ込めでの使用が前提なので、テールライト点灯機能とテールマークはありません。
最後に付属品。
・緩急車用ジャンパ線
・ナックルカプラーと交換パーツ
・機関車用ヘッドマーク(はまなす・海峡)
・行先シール
・トレインマーク変換用ドライバー
が付いてきます。
また機関車用のヘッドマークは、DD51用とED79用の2つに分かれており、実車に合わせて「海峡」はED79用しかありません。
前述の通り、「はまなす」はKATOとTOMIXからほぼ同時期に製品化されましたが、ここで両社の製品仕様の違いを纏めてみました。
セット構成
・KATO:基本7両+増結3両
・TOMIX:基本7両+増結4両+バラ1両
はまなすは最長12両編成で運転されますが、KATOで12両を再現する場合は増結セットを2つ購入する必要があるうえ、寝台車が一両余っちゃいます。
一方TOMIXは増結セットがスハフ14とオハ14を2両ずつの4両、さらに北斗星用オハネ24 0番台(品番2505)を買い足すことで、無駄なく12両編成が組めます。
しかし、実車では寝台需要の高さから、10両以上のときは寝台車が3両組まれていた気がするので、TOMIXの座席8~9+寝台2の10~11両、もしくは座席5+寝台3の8両という編成は、現実的にはあまり無かったんじゃないでしょうか?
なのでTOMIXで現実的な増結編成を再現するには、結局12両分買って減車しなきゃいけないので、11~12両にこだわらなければKATOのほうが組みやすいと思います。
収録車両
以下の車両は、KATOにはありますがTOMIXにはありません。
・オハネフ25 0番台
・スハフ14 550番台
TOMIXのオハネフ25 0番台は「北斗星」北海道編成、スハフ14 550番台は「まりも」に収録されているようです。
「はまなす」的には上記の車両は無くても間違いでなはいですが、客車列車は色々な車種が混ざっていた方が私は好きです。
標準のカプラー
・KATO:ボディマウント式+伸縮密自連式カプラー
・TOMIX:台車マウント式+アーノルドカプラー
ここがKATO製を選んだ一番の決め手かもしれませんね。
車両価格はTOMIXのほうが高いとはいえ誤差の範囲ですが、全車TNカプラー化となれば無視できない価格差になります。
ついでにKATOは、ボディマウント式の恩恵?でトイレタンクなど車端機器もデフォルトで再現されています。
車番
・KATO:印刷済みなので、増結を2セット買うと重複する
・TOMIX:自分で貼るので、重複を避けられる(さらに好きな車番を選べる)
車番重複が気になる方は、TOMIXに軍配が上がります。
まあ貨車好きの私にとっては、車番重複なんて気にしちゃ負けだと思っているので、さほどデメリットではないかな?
応用性
・KATO:「海峡」も再現できる
・TOMIX:基本的に「はまなす」のみ
KATOは「海峡」のテールマーク、機関車ヘッドマークがオマケで付いてくるので、そちらに仕立てて遊べます。
もっとも「はまなす」以外組む気が無い人には、あまりメリットではないでしょう。
寝台車の仕様
・KATO:寝台はしごが再現された、新しめの仕様
・TOMIX:寝台はしごが無い、ちょっと古めの仕様
TOMIXも最近発売の製品は寝台はしごが再現されていますが、残念ながら「はまなす」では再現されていないようです。
別パーツを買って付ければいいだけかもしれませんが、当然コストも追加でかかるし、学生と違い時間も無いので、最初からついている分に越したことは無いです。
私が購入時にKATO・TOMIXで比較したのは以上の点です。
本当は実物を見比べて決めたかったのですが、都合よく両製品が無かったので机上で比較し、全体的にKATOのほうが都合が良かったので、KATO製を選択しました。
どちらが良いか迷っている方は、参考にしてください。
といった感じで、KATO「はまなす」のレビューをお届けしました。
全体的に、満足いく出来だったかなと思います。
早速次回は工作を・・・と思ったのですが、実はこれと一緒に「相棒」も購入しておりますので、次回はそちらのレビューをお届けいたします。
整備した記事はこちら。