前の記事はこちら。
泉駅付近で「安中貨物」を撮影した後は、荷の積み出し場所である東邦亜鉛小名浜精錬所へと追いかけます。
精錬所へは福島臨海鉄道 小名浜駅から専用線が伸びており、まずは専用線を通って精錬所へ入場するところを撮影・・・と行きたかったのですが、渋滞に巻き込まれて撮影できなかったのは前回の記事にある通り。
なので精錬所に直行すると、トキ25000形とタキ1200形が分割されたところでした。
よく見ると、片渡り線を挟んでトキとタキが留め置かれているのがわかります。
どうやらこの片渡り線が、この後の入換作業のカギを握りそうですね。
そして間もなく、着発線の奥にある機回し線を通ってトキが1両やってきました。
こちらは前回撮影した返空列車の最後尾に連結されていた回送車ですね。
回送車を留め置いた後、カマだけ単機で戻ってきました。
そのまま片渡り線を渡って安中からの返空トキのもとへ行き、トキを機回し線へと引き出します。
ポイントを切り替え、今度は機回し線を通って工場の奥へと押し込んでいきます。
どうやら3枚目左の建屋が、トキに載せる「亜鉛精鉱」の積み込み施設と思われます。
トキの先端を建屋に突っ込んだところで開放し、カマだけ折り返します。
そのまま今度は反対側にある建屋へと入っていきます。
しばらくして、今度は建屋内からタキを引き出してきました。
タキに載せる「亜鉛焼鉱」はこちら側で積み込むようです。
そのまま屋根のある施設までタキを持っていき、カマを解放して機回しを行います。
そのまま今度は返空タキのもとへ移動して入換を開始。
返空編成から4両だけ切り離し、片渡り線を通って先ほどタキを引き出した積み込み施設へと押し込みます。
タキは4両単位で積み込みや入換を行うようですね。
今日の返空列車はタキ12両だったので、タキの入換はあと2回あるというのが分かりました。
タキを押し込むとシャッターが閉まり、カマだけ戻ってきました。
そのまま先ほど引き出したタキのもとへ移動し、そのまま屋根のある施設を通過して工場の奥へと移動していきました。
どうやらこの建物で、出荷貨車の重量チェックをしているみたいですね。
ちなみに工場奥の線路はこんな感じ。
なんと線路が路盤ごと冠水していました・・・。
といっても、実はこの場所に限っては冠水は珍しくなく、排水が悪いのか低地なのかは分かりませんが、大雨が降るといつも数日間はこんな感じになるそうな。
ここは運用に就いていない貨車の留置線ということもあり、工場側もさして問題視していないのか放置状態らしく、水没した赤錆まみれの線路上にトキ25000形が1両だけポツンと佇んでいたのは、なかなかシュールな光景でした (^_^;)
タキを奥に留め置いた後は、今度はトキの入換を再開。
返空されてきたのは4両でしたが、工場で2両増結して6両になっています。
・・・と思ったら、片渡り線を通ってバックしたのち、工場で増結した3両だけ切り離しました。
どうやらこの3両は、すでに荷を積んているようですね。
切り離した後は、残った3両を再び積み込み施設へ戻していきました。
この入換作業手順を見る限り、トキの積み込みは3両単位で行うのでしょうかね。
空のトキを押し込んだ後は、積み込み済みのトキのもとへ。
片渡り線を通って積み込み施設のある線路へ戻り、バックして仮置きします。
仮置きと同時に、カマ次位のトキに後部標識を取り付けました。
この車両が、安中までの積載列車の最後尾となるようです。
トキを仮置きすると、今度はタキの積み込み施設へ。
建屋からタキを引き出し、機回し線に仮置きします。
仮置き後機回しして、返空列車の残りのタキのもとへ移動。
残り8両のうちまた4両だけ引き出して、積み込み施設へ押し込みます。
この4両には、トップナンバーのタキ1200-1の姿がありました。
タキを押し込んだ後は、先ほど仮置きした積み込み済みのタキを1番最初に引き出したタキがいる工場奥の線路へ移動させます。
タキを移動させた後は、再びトキの入換をするため片渡り線を移動。
いったん仮置きしたトキを積み込み施設内に押し込み
すぐに引き出しはじめ、最初と同じ位置で再び開放しました。
なんの意味が?と思ったら、最後方に積み込みを終えたトキを1両増結していました。
これでトキの積み込み作業は完了したようです。
このあと20分ほど休憩したのち、今度はタキの入換作業を再開。
前と同じように、積み込み施設から引き出したタキを機回し線に仮置き。
その後機回しして、返空分最後の4両を積み込み施設へ押し込みます。
これで返空されてきたタキはすべて入換が完了しました。
返空タキを押し込んだ後は、先ほど仮置きしたタキのもとへ。
そのまま前2回と同じように工場奥へ押し込むと思いきや、積み込み施設側へ移動。
これは前2回と扱いが違うのでちょっと予想外の動きでした。
ここからどう動く?と思って見ていると、なぜか最後の4両だけは小名浜駅側の片渡り線を使用して着発線へ移動させました。
どうやら工場奥の線路の有効長の関係で、タキが8両以上のときは小名浜側の渡り線を使用するように見えました。
タキを仮置きした後は、小名浜駅側の渡り線を使用してトキのもとへ移動。
重量計測の建屋を通過して、小名浜駅側にトキを引き出します。
渡り線を通って、先ほど仮置きしたタキと連結。
トキとタキ4両を連結したあとさらに押し込み、工場奥に置いてあったタキ4両と連結し、これで安中への発送列車の組成が完了です。
本日の発送列車はタキ12両とトキ4両の陣容となりました。
組成から間もなくして小名浜駅へ出発しそうな雰囲気だったので、精錬所脇のポイントへと移動することに。
現着すると早朝お会いした方がいたので、再度隣に入れていただき撮影。
福島臨海鉄道のカマのデッキ部には回転灯が取り付けられているのですが、回転灯を点灯させるのはこの東邦亜鉛専用線を通る時だけです。
晴れてて分かりにくいですが、よ~く見ると右側のライトが点灯しているのがお分かりになると思います。
さらに本線上の「安中貨物」は、上り・下りともに「タキが前方、トキが後方」という組成になるため、タキ非連結時を除きトキがカマ次位に連結されるのは、わずか1kmほどのこの専用線内だけ。
そんなレアな光景を撮りたかったのも、この専用線に足を運んだ目的の一つでありました。
列車はゆっくりとした足取りで小名浜駅へと向かいます。
といった感じで、東邦亜鉛名浜精錬所専用線での入換作業を見物してみました。
専用線自体はさほど大きな設備では無いのですが、限られた配線を効率よく使って貨車を捌く光景は、なかなか見ごたえがありました。
しかし既報の通り、現在はすでにトキ25000形の運用は終了しているため、今回ご紹介した作業のうちトキ部分は省略されているものと思われます。
それだけに、トキが運用されているうちに訪問することが出来て良かったです。
このあとは、精錬所から出荷された「安中貨物」を小名浜駅へ追いかけます。