川崎鶴見鉄道録

川崎・鶴見界隈の鉄道に関するブログ

宗太郎駅 2022九州撮り鉄遠征⑩

前の記事はこちら。

 

EF81牽引の4075レを追いかけて、津久見市から大分・宮崎県境に位置する「宗太郎峠」へと向かいます。

その宗太郎峠のほぼ頂上にある宗太郎駅が今回の舞台であります。

宗太郎峠の区間は「宗太郎越え」と呼ばれ、日豊本線でも屈指の難所となっておりますが、そんな峠のど真ん中の山中にあるのが宗太郎駅です。

そして宗太郎峠を前後した佐伯~延岡間は、ほぼ山中を通る関係で沿線人口が極めて少ないことから近距離需要もほとんどなく、この区間普通列車は1日わずか1.5往復しかないため、線形だけでなく青春18キッパーにとっても日本屈指の難所として知られています。

そんな宗太郎駅に前々から興味があったので、今回は4075レ撮影も兼ねて初訪問することにいたしました。

 

現着してカメラのセットを完了したと同時に、4075レがやってきました。


4075レ EF81 454

ちょうどいい場所に駅名標が設置されていたので、そちらを入れ込んだ構図で撮ってみました。

事前の見立てでは、前回の津久見のポイントからの追いかけは結構カツいなと思っていたので、なんとか間に合ってよかったです。

 

4075レを見送った後は、宗太郎駅をじっくり見物することにします。

まずはホーム上をパチリ。

宗太郎駅は2面2線の相対式ホームを持つ駅で、延岡方に跨線橋があります。

この区間は単線のため、貨物列車や特急列車同士の退避も考慮してか有効長はそこそこ長めに取られています。

 

またホームの一部が嵩上げされています。

ホーム自体は割と長いのですが、普通列車の編成長を考慮してか嵩上げされているのは1両分といったところでしょうかね。

 

入口側にある1番線ホームは、駅の入口から直接入れる構造。

花壇の跡のようなものがありましたが、お手入れはされておらず物悲しい・・・。

 

ホーム上には、信号設備用の機械室があります。

 

現在の宗太郎駅無人駅なものの、かつては有人駅で駅舎もあったそうで、往時の名残としてラッチ跡と駅舎の基礎が残されています。

コンクリートの基礎跡でできた広場のような空間に、ラッチ跡と運賃箱がポツンと佇んでおります。

ただ宗太郎駅の1日当たりの利用者はわずか0.22人と、北海道の僻地にある無人駅並みのさびれ具合なので、この運賃箱が本来の役目を果たすのは年に何回くらい有るんでしょうかね・・・。

 

駅舎はすでに取り壊されていますが、汲み取り式トイレが設置されています。

・・・と思ったら、閉鎖されて入れないようになっていました。

まあこの利用者数で近年までトイレが維持されていたのは、JR九州にしては?頑張っていたのではないでしょうか。

 

トイレとしては役目を終えましたが、駅舎が無いため掲示スペースとして残されており、時刻表も貼り出されています。

この宗太郎駅のダイヤ、1.5往復(合計3本)という本数に加えて運行時間帯もすごくて、3本のうち2本は早朝6時台に上下1本ずつ運転され、残り1本は20時台に上りが1本という、かなり極端な運行形態になっています。

この区間普通列車は「にちりん」用の787系によって運行されていますが、特急運用の間合いで普通列車に充当されていることから、時間も偏っているのでしょう。

こんなダイヤでは日常利用などほぼ不可能なので、佐伯~延岡は中間駅を廃止して石勝線 新夕張新得のような特例区間にするのもありだと思うのですが、まあそうしたくない事情も見えてきますな。

 

跨線橋の袂には、水飲み場の跡がありました。

これも蒸気時代、宗太郎峠を登ってきて煤まみれになった乗務員や乗客のオアシスとして重宝されていたのでしょうが、電化されだれも見向きもしない中間駅となった今は、すっかり水も枯れ果てておりました。

 

続いて2番線ホームへ。

2番線ホーム上には屋根付きのベンチが据え付けられており、現在の宗太郎駅では唯一の待合スペースとなっています。

 

中を除くと、なになら賑やかなことになっていました。

マジック書きされた石がたくさん置かれていました。

 

ふとベンチ上に目をやると、石と筆記用具が置かれていました。

駅を訪れた人がマジックで装飾した石を残していったようですね。

 

実はベンチに留まらず、駅のあちこちに置かれております。

結構面白いことを書いている石もあって、なかなか楽しかったです。

 

さらにクリアケースの中にはお馴染みの駅ノートも完備。

今回訪問した3週間前に新ノートに差し替えられていたので、わりとこまめに管理されているようですね。

 

最後に跨線橋の上から駅周辺をパチリ。

宗太郎駅秘境駅として扱われることも多いですが、駅前には10軒ほどの小さな集落が形成されており、テレビの音や人の出入りも感じられました。

さらに駅のすぐ横を国道10号線が通っていることもあり、正直秘境駅という雰囲気はあまり感じなかったですね。

 

といった感じで宗太郎駅探訪はこれにて終了。

個人的に宗太郎駅へ立ち寄る機会はそうそう無いので、カモレ撮影も含めて貴重な訪問になったかなと思います。

 

 

このあとは宗太郎峠を下って宮崎県へ。

時刻は13時とお昼時で「腹減ったなぁ~」と思いながら車を走らせていると、峠を降りたところに「道の駅 北川はゆま」があったのでランチタイムへ。

さほど大きくはありませんが、わりかし綺麗でレストランもあり結構いい施設でした。

 

そして私が引き寄せられたのは、道路に立っていたこちらのぼり。

地元日向灘産の生しらす、それも新物入荷となればしらす好きのワタクシとしては食わずにいられませんねぇ~。

 

てなわけで生しらす丼を発注。

なかなか鮮度がよく、さらに付け合わせの煮物も美味しくてアタリでしたね。

お近くを通行の際には、是非ともご賞味くださいませ。

 

 

思わぬ宮崎グルメで腹を満たした後は延岡市街へ。

次回は2日目のメインイベントとなる場所へ向かいます。