前の記事はこちら。
前回から始まった根室本線の廃止区間巡り、今回から廃止対象となる各駅を回ってみることにします。
落合駅と新得駅の間には、旧線時代は「日本三大車窓」にも数えられたほどの難所である狩勝峠があり、落合駅は峠越えのための拠点でもありました。
しかし石勝線の開業以降は札幌~道東間の幹線路線の地位を譲りローカル線へと転落、さらに2016年8月の台風被災後は運転見合わせが続き、復旧することなく2024年4月1日の廃止を迎えました。
まずは駅舎内を観察。
鉄道は運転見合わせが続いていましたが、代行バスが駅前に発着するため待合室は引き続き使用されており、きちんと保守されていました。
窓口跡のカウンター台には、地元の方が置いたのだろうおもちゃがありました。
こういうのを見ると、人の手が入っている安心感がありますね。
駅舎の横には公衆トイレがありました。
こちらも閉鎖されず稼働しているようですね。
続いてホームの様子を伺いますが、こちらはとんでもないことに・・・
待合室と違ってホームは使用する必要が無いため閉鎖されており、草刈りも行われず完全放置されホームも線路も全く見えなくなっていました。
ホーム上には駅名標が残り、辛うじてここが現役の駅であることを示しています。
なんだか物悲しい・・・。
駅横の跨線橋から駅構内を見ることができるので、そちらからも観察してみます。
雑草どころか3mくらいある木がしっかり根付いており、線路は完全に覆われ見えなくなっていました。
列車運行が無くなって7年も経つと、こんなになってしまうのですね。
落合駅を後にして次の駅に向かう最中、踏切を見つけました。
遮断棒が撤去されており、この踏切もすでに役目を終えて、撤去される日を待っていたようです。
木製の渡り板の隙間からは花が咲き、その先には清々しい夏空の下に赤錆びた線路が真っすぐ伸びていました。
この線路の上を列車が走ることは、もう二度とありません。