先日まで連載した「師走の出雲遠征」に続きまして、今回からまたも遠征シリーズをお届けします。
今年2月の三連休といえば日本列島に大寒波が襲来し、わが故郷北海道では「陸別町で最低気温-31.8℃を記録」など、身も心も凍るニュースが飛び交っておりましたが、私はここ数年で置き換えが急速に進行している、関西の国鉄型通勤車両を記録すべく、撮り鉄遠征を敢行しました。
というわけで今回より「関西国鉄型 撮り鉄遠征」と題しまして、寒空の中国鉄型を求めて関西圏をウロウロしてきた記録をお届けいたします。
本遠征最初の舞台は、神戸市内を走る和田岬線でございます。
和田岬線は、神戸線兵庫駅から和田岬駅のわずか2.7kmしかない盲腸線です。
JR西日本ホームページ 路線図より
「和田岬線」という名は通称で、正確には山陽本線(神戸線)の支線という扱いとなっております。
そしてこの和田岬線、路線の成り立ちや運用も面白いのですが、実は走っている車両もなかなか興味深く、かねてから一度来たいと思っていた路線だったので、本遠征最初の舞台として選んでみました。
和田岬線のホームへ向かうと、連絡通路の入口に中間改札がありました。
和田岬駅は無人駅となっており、改札機も設けられていないため、和田岬駅の改札業務は兵庫駅の和田岬線ホームの出入口で行なわれています。
つまり切符の効力上は、この中間改札の向こう側は和田岬駅の扱いとなるのかな?
中間改札を抜けると連絡通路があり、その奥に和田岬線専用ホームがあります。
このホームは和田岬線の列車しか発着しないため、駅名標も神戸線ホームとは別仕様となっています。
そしてホームは、お目当ての車両が据え付けられていました。
これが今回の主役である、網干総合車両所明石支所の103系R1編成です。
少し前までJR西日本では数多くの103系が運用されていましたが、225系の増備により阪和線から103系が淘汰されたことにより、現役の103系で唯一スカイブルー塗装を纏う編成となりました。
そのほか前面ワイパーが3本あったり、窓抑えが金属ではなく黒Hゴムだったりと、塗装以外にも面白い点があったりします。
今回は未乗である和田岬線踏破も兼ねて、103系R1編成に乗り鉄します。
兵庫駅を出発すると、すぐに左へカーブして神戸線と分かれます。
和田岬線沿線は工場地帯となっており、沿線も工場群が立ち並んでいます。
鉄道ファンにはおなじみの、川崎重工業の車両工場もこの沿線にあります。
和田岬線は全線単線かつ1駅しかないため、列車運行時はこの103系R1編成がひたすら両駅間を往復し、ピストン輸送をしています。
というわけで折り返し時間を利用し、いろいろ観察。
車内は普通のロングシートですが、どこか違和感がありますね。
違和感の正体はこれ。
この103系R1編成は車内広告が一切付いていないのです。
おそらく、和田岬線では一般の広告は受け付けていないのでしょうが、自社の広告すら掲示しないとは、営業列車としてはかなり異色な扱いだと思います。
天井には扇風機が付いています。
和田岬線はピストン輸送なので、方向幕の表記は矢印式です。
色々観察しているうちに、折り返し準備が整ったようです。
兵庫駅に向けて戻っていきました。
次回は和田岬駅を観察してみます。