川崎鶴見鉄道録

川崎・鶴見界隈の鉄道に関するブログ

20年ぶりの小樽市総合博物館探訪 その5 2023夏 北海道遠征⑥

前の記事はこちら。

 

小樽市総合博物館探訪、続いて見学するのはこちら。

転車台とそれを囲うように立っている扇形車庫でございます。

 

これらの建造物は「旧手宮鉄道施設」と呼ばれるもので、国の重要文化財と鉄道記念物に指定されている、とても貴重な建物です。

 

その中で最も歴史あるのが、こちらの「機関車庫三号」と呼ばれる建物。

 

この車庫は現存する日本最古の機関車庫で、今年で築139年を迎えるのだそうな。

 

そしてこの機関庫の「主」もまた貴重な車両です。

こちらの「大勝号」は、ここ手宮で製造された国産機関車第二号機、かつ現存する最古の国産機関車で鉄道記念物にも指定されています。

鉄道記念物の機関庫に鉄道記念物の機関車が保存されているとは、なかなかに贅沢では無いでしょうか。

 

その隣には木造のラッセルヘッドのようなものが。

こちらは幌内鉄道開業時に用いられていた除雪車の復元品です。

両端がラッセルヘッドになっているが、今の除雪車とは大きく異なりますね。

 

隣の庫には、ちょっと変わった車両が保存されています。

大勝号から一気に近代化したこちらの車両は、いわゆる「レールバス」と呼ばれたキハ03 1で、準鉄道記念物に指定されています。

 

現役時代は道北や道東のローカル線で使用されていたようで、天北線のサボが取り付けられていました。

 

キハ03 1は車内も公開されていたので入ってみることに。

鉄道車両としては簡素な造りで「レールバス」という言葉どおりの内装ですね。

この車両で宗谷本線全線走破とかは嫌ですね(笑)。

 

続いて転車台を挟んで反対側にある建物へ。

こちらは「機関車庫一号」と呼ばれており、先ほどの三号よりは新しいものの今年で築115年という歴史は、やはり重要文化財クラスの建物ですね。

 

説明看板にある通り、建造時からの部分は向かって右側2線分だけで、左側3線分はのちに復元されたものだそうな。

よく見るとレンガの積み方が異なっているのが分かりますね。

 

機関庫の中には、まるで見物客を飲み込もうとばかりに大きな口を開けた車両が鎮座しておりました。

こちらのキ601はアメリカから輸入された日本初のロータリー除雪車だそうで、1923年生まれの御年100歳と、なかなかの長老ですね。

100年前にこれだけ大型のロータリー除雪車が存在していたことが驚きです。

 

その隣には相棒だった車両が並べられています。

こちらのキ800もまた1928年に製造された、国産初の掻き寄せ車(マックレー車)だそうな。

 

当時の排雪列車は、蒸気機関車にプッシュプルされたキ800が掻き寄せた車両をキ601が遠くへ跳ね飛ばす仕組みで、このような形態は「キマロキ編成」と呼ばれており、北海道名寄市の北国博物館に保存されているものが有名です。


北国博物館のキマロキ編成(2018年7月撮影)

名寄市に保存されているのは、キ601を手本に国産化やキ604や、キ800を改良したキ900なので、その始祖に当たるのがこの2両と言えるのでしょう。

 

 

といった感じで、当時公開されていた展示車両や建築物は一通り見ることができました。

博物館探訪の最後となる次回は、趣向を変えまして乗り鉄?をしたいと思います。