今回より新シリーズの連載を始めます。
タイトルは「2021夏の東北遠征」でございます。
時は2021年のお盆休みのことでした。
もともとこのときは、前年より度々延期となっていた「ことでんレトロ」のラストランに参戦する予定だったのですが・・・
ことでんホームページより
直前になり、またしてもコロナウィルスの影響で中止が決定。
まあこれで4回目の延期となり、すっかり延期慣れ?してしまったのですが、計画の変更を余儀なくされてしまいました。
なのでもともと「ことでんレトロ」と掛け持ちで参戦予定だった、DE10重連による牽引が発表された「DLやまぐち号」と、春の遠征で深く踏み込めなかった九州地方を巡る計画に変更したのですが・・・
記憶にある方も多いと思いますが、ちょうどお盆休み頭に九州北部や中国地方を豪雨が襲い、メインだった「DLやまぐち号」も運休し、九州各地で洪水被害が起こるなどとても旅行している場合じゃない大災害が発生・・・。
またこの豪雨では中央西線や飯田線、アルピコ交通など長野県も大きな被害を受け、石油貨物列車が東海道本線を迂回して運転されたことも話題となりました。
てなわけで、立案した計画がことごとく中止せざるを得ない状況に追い込まれ、もう遠征しなくてもいいか・・・と断念しようかと思っていた矢先、お友達さんからある情報をいただきました。
福島臨海鉄道浜小名浜~安中間で運転されている、東邦亜鉛の専用列車である通称「安中貨物」トキ25000形の運用が近いうち終了するかも?というお話。
トキ25000形の運用終了自体は分かっていたので、この旅の1か月ほど前に安中駅の入換作業の見物へ出向いておりましたが、年内いっぱいくらいまでの運用かな?という私の予想よりも早く見納めになりそうとのことでした。
そして事実、トキ25000形の運用は2021年10月下旬で終了し、その後2022年4月に解体されてしまったようです。
「安中貨物」は貨物鉄にはよく知られた存在で、私も何度か撮影済みな被写体でしたが、いずれも高崎線や常磐線取手以南などの所謂「直流区間」でしか経験が無く、取手以北の交流区間や発送元である福島臨海鉄道では未撮影でした。
運行ダイヤの都合上、陽の長い時期のほうが撮りやすいこともあったのと、東北地方には他に撮りたい・乗りたいものが色々あったので、目先を西から北へぐるっと方向転換し、東北へ遠征することに決定!!
えらい長い前口上となりましたが・・・、そんな理由で旅立った東北遠征の模様を今回より綴ってまいります。
今回は急きょ立案したのと、時間に割と余裕がある旅程になったので、こちらのきっぷで旅をすることに。
皆さまお馴染みの「青春18きっぷ」でございます。
旅費の節約という目的もありますが、もともと私の夏休みは18きっぷで乗り鉄旅をするのが慣例?となっていたものの、2020年はコロナウィルスへの感染を懸念して乗り鉄を中止した経緯がありました。
なので今回はガチの乗り鉄旅では無いですが、2019年の「JR東海 完乗の旅」以来2年ぶりに18きっぷで旅をしたくなったのです。
まずは鶴見駅から京浜東北線で川崎駅へ移動し、川崎駅から上野東京ラインへ乗り換えて上野駅へ。
さらに上野駅からは常磐線に乗り換えて、まずは茨城県を目指します。
乗車電はE531系トップナンバーのK401編成に当たりました。
グリーン車に乗り込みまして、いよいよ本格的に旅が始まります。
「トリフジ」を通過して、交流区間へと入ります。
清々しい夏空が広がっており、これは撮影日和となりそうですねぇ。
途中の高浜駅で、後続の特急に道を譲ります。
そんな感じで昼下がりをのんびり過ごして、最初の目的地である石岡駅に到着。
石岡駅には仕事で2~3回来たことがありますが、プライベートでは初めてです。
撮影地に行く前に、まずは駅近くの丸亀製麺で腹ごしらえ。
ホントは本場の讃岐うどんに舌鼓を打ちたかったのですがね・・・。
腹を満たした後は、本遠征最初の撮影に着手。
今回は石岡駅北側のカーブポイントに布陣いたしまして、まずは練習電として旅客列車を撮影します。
388M
最初にやってきたのが、ごくありふれたE531系10連の普電・・・なのですが、実はこれ現時点では過去帳入りした光景です。
というのも2022年春改正で日中時間帯の常磐線は土浦駅で系統分離され、以南はG車付き基本編成10連、以北は付属編成5連での運転が基本となり、お昼過ぎ順光となるこの場所を基本編成が走行することが無くなったのです・・・。
時間帯によっては現行ダイヤでも基本編成が走行しているし、将来的な運用復活の眼は十分にありますが、定期運用が消滅に見られなくなったのは大きな変化であることは間違いありません。
このときはまさか「E531系の普電が見納めになる」なんて欠片も想像していませんでしたが「コロナ禍の影響による輸送体系見直しは何が起こるか全く読めんなぁ・・・」と、日常記録の大事さを痛感したエピソードでありました。
続いては特急列車が登場。
74M「ときわ74号」
E657系をちゃんと撮影したのは、2019年国体時に運転されたお召列車のついで以来でしょうかね。
E657系自体は上野東京ライン内でよく見かけますが、撮影機会となると案外ないものでございます。
394M
石岡までの乗車電だったK401編成が、昼飯を食ってる間に勝田駅から戻ってきました。
そして続行で、本遠征のメイン列車が登場です。
5094レ EH500-39
お目当てだった「片パンの安中貨物」を、肌を痛めつけるほどのバリ順かつ、片パンと一目でわかる1エンド先頭で捕獲することが出来ました。
しかも39号機も未撮影だったので、JRFマーク付きの状態で回収できて、まさに一石二鳥ってもんですな。
ちなみに今回「片パン」にこだわりを持ったわけですが、5094レが片パンになるのは石岡駅以北に限られます。
というのも、常磐線の交直セクションは取手~藤代の通称「トリフジ」であるのは有名ですが、交直流機関車が交流→直流方向にセクションを通過する際はセクション進入前最終停車駅でパンタグラフの上昇を行うため、5094レの場合は最終停車駅となる石岡駅以北が片パンとなるのです。
なのでここに布陣したのは光線具合だけでなく、そういった事情も考慮してのことでありました。
そして今回重要なのは「荷にトキ25000形が連結されているか」ということ。
安中貨物の貨車は荷主である東邦亜鉛の生産計画により左右され、かつ前日くらいに荷の長さを決定するらしいので、大まかな生産状況は前日までの運転状況で分かるものの、詳細を読むのは難しい列車なのです。
まずカマ次位にはタキ1200がずらっと続きます。
そしてタキの後ろには・・・
無事トキ25000形が3両連結されていました!!
ちなみに安中貨物の「フル編成」はタキ12両+トキ6両なので、この日はかなり財源に恵まれていたと言えそうですね。
メインは無事捕獲しましたが、後続の列車も回収します。
安中貨物の続行で常磐線の「花形列車」が登場。
14M「ひたち14号」
5094レが石岡駅に停車する理由は、この列車に道を譲るためです。
5094レは退避線に入ることもあってゆっくり通過したのですが、こちらはお構いなしにフルスピードで飛んできたので、速度差もあって結構ビビりました (^_^;)
そしてここでの〆。
556M
こちらはE531系の10連普電ですが、よく見るとG車が連結されおらず、付属編成を2本繋げた列車なのです。
当時は付属+付属のほうが貴重だと思って撮影したのですが、案外こっちのほうが残ってたりするんでしょうかね?
といった感じで、片パン姿+トキ25000形連結の安中貨物を無事に撮影することが出来ました。
遠征日前の運転状況から、トキ25000形が連結される可能性が高いことは分かっていたのですが、未連結だったら再訪するハメになっていたので、トキ25000形の姿が見えたときはホッとしたのを覚えております・・・。
このあとは常磐線を北上しながら「もう一つのお目当て」を撮影します。