川崎鶴見鉄道録

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引退間近のキハ183系 最後の乗り鉄をする その2 2023オホーツク遠征⑫

前の記事はこちら。

網走駅で乗車するキハ183系をひとしきり撮影し終えて、いよいよキハ183系最後の乗り鉄旅をすべく車両に乗り込みます。

そして今回乗車するのは・・・

 

ドン!

 

ドドン!!

 

ドドドドーーーーーン!!!!

今回はキハ183系最後の乗り鉄ということで、大奮発してグリーン車でございます!!

日頃ひーこらへーこら社畜としてボロ雑巾のようにコキ使われて、汗と涙を流しながらやっと貯めた安月給でここにたどり着くことが出来ました・・・というのは大げさですが(笑)、ともかくグリーン車で旅をいたします。

 

キハ183系グリーン車自体は何度か乗ったことがありますが、2011年ごろに実施された座席交換後は初乗車だったので、グリーン車内を記録しておきます。

座席はこんな感じ。

かつてJR北海道グリーン車用座席は車種ごとに異なっていましたが、現在はどの車両も老朽化による交換時にこの形状にだいたい揃えられています。

グリーン車らしいどっしりとした風格と、掛け心地も結構良くて個人的には良い座席だと思います。

 

ちなみにリニューアル前の座席はこんなのでした。

「北斗」で運用されていたハイデッカー仕様のキロ182形500番台は、のちにデビューした「スーパー北斗」とレベルを合わせるため、グリーン車の座席をキハ281系と同等のものに交換されており、それがこの座席でした。

これはこれで悪くなかったのですが、さすがに今見ると前時代的な雰囲気を醸し出しているのが懐かしくも思えますな。

 

シートの機能はこんな感じ。

読書灯、コンセント、フットレスト、可動式まくらなど、グリーン車に相応しい充実したスペックですね。

 

デッキとの仕切り壁は木目調に変更。

 

個人的には0番台オリジナルの姿に通じるものを感じて、ちょっとツボでしたね。

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そしてなんといっても特徴なのは、外観通りのハイデッカー式の丸っこい天井と大きな窓でございます。

幼き頃のかわつる少年は、駅に置いてあったチラシや図鑑などを見て「いつかこれに乗ってやるぞ!!」と憧れと期待を膨らませたものですが、今にして思えばその憧れこそが私にとっての乗り鉄の原点だったのかもしれません。

やがて青年となった高校1年生の夏休み、ひとり「北斗」に乗り込んでついに初めてここの住人になった時の興奮と感動は、今でも鮮明に覚えています。

そんな私にとって多大な影響を与えてくれたキハ183系ハイデッカーグリーン車も、間もなくその使命を終えようとしております。

 

ひとしきり観察を終えたところで、列車は網走駅を発車。

いよいよキハ183系最後の乗り鉄旅が始まります。

 

発車後はそのほかの号車も観察することに。

まずは4号車のキハ183-1555から覗きます。

デッキは少々無機質でしたが、客室ドアはキハ283系などと同等のものに交換されています。

 

客室内の様子。

前回の記事でも触れましたが、この車両は宗谷本線特急「サロベツ」に優先的に割り当てられた関係で、同じ区間を走る「スーパー宗谷」用のキハ261系0番台とレベルを合わせるため座席や床がリニューアルされています。

当時のキハ183系は、まだまだバッタンリクライニングのR51やR55シートが主流だったので、随分と良い座席になったなぁ~と思ったもんでございます。

 

ちなみに4号車は自由席車なのですが、17列目AB座席のみ指定席となっています。

 

なんでこの2席だけ指定席?と思うかもしれませんが、この2席は昔から知る人ぞ知る有名座席でして・・・

実はこの2席は運転室助手席側の最前列に当たるのですが、貫通型キハ183系はこの部分が窓ガラスになっているため前面展望が楽しめる特等席となるのです。

JR北海道の場合、特急列車の自由席車両はたいてい札幌駅基準で小樽方に偏っているため、この座席が最先頭となる上り特急列車では鉄オタによるちょっとした競争が繰り広げられておりました。

 

そんなことを見越してか、現在この座席は指定席扱いとなっています。

「かぶりつきシート」なる鉄オタ向けド直球のネーミングも好いですね(笑)。

 

続いては3号車のキハ182-7557へ。

こちらのドアは500番台原形のままですね。

 

客室内の様子。

この車両はもともと「北斗」の指定席に充当されていたので、近年のJR北海道の特急普通車用シートのスタンダードになった「グレードアップ指定席」に換装されています。

また「大雪」「オホーツク」では3号車は指定席と自由席が折半されているので、自由席ながらグレードアップ指定席シートに座れるので、4号車よりも乗り得と言えるかもしれませんね。

 

最後は1号車となるキハ183-8564へ。

こちらのドアも500番台原形のままですね。

 

そしてドアを開けたらビックリな光景が・・・

なんとR55シートが載っているじゃないですか!!

私の青年時代、N183系の乗り鉄といえばこれだったので、個人的にはかなり思い出深い座席でしたが、まさか令和の時代に生き残っていたとは・・・。

てっきり絶滅していたものだとおもっていたので、ドアを開けた瞬間は感動すらこみ上げてきました(笑)。

 

ですがよくよく考えると、この1号車は全席指定席なので、編成全体でいえばグリーン車の次に格が高いはずが一番ショボい座席を装備しているのですね (^_^;)

この車両は「北斗」時代は札幌方先頭車の自由席車両として運用されており、上述のグレードアップ座席への換装対象外でしたが、苗穂転属後に方向転換されたため指定席に充当されるようになったのが原因。

趣味的には面白いですが、ちょっと乗り損な気がしてなりません・・・。

 

ひとしきり探検を終えて座席に戻る前、隠れた名物へ寄り道。

みるからに簡易的なこのジャンプシートですが、実はこれ鉄道マニアにはちょっとしたキハ183系名物になっている代物です。

 

このジャンプシートがあるのはこの場所。

ハイデッカーグリーン車のキロ182の車端に大きな平屋部分があり、ここの大きな1枚窓の裏側に取り付けられています。

 

ちなみにこの場所は、車販準備室も兼ねた簡易キッチンとなっています。

現在は使用されていませんが、オープンカウンター構造を生かしここで販売することも想定し、順番待ちのための座席として想定したのでしょうかね?

このようなシートは、かつてブルートレインの開放寝台にも付いていましたが、現役の車両はこのキロ182くらいしかないので、それを懐かしんだファンがこの座席のその思い出を重ねているのでしょう。

 

そんな座席にしばし腰かけて車窓を堪能。

この座席は窓が大きいのでそれなりに楽しいのですが、デッキ部ゆえ今回のような真冬ではかなり寒くて長時間座っているのは無理でした (^_^;)

 

とまあ車内を観察していたら、列車は北見駅に到着。

長くなったので続きは次回の記事へ。