前の記事はこちら。
広島・高松遠征、今回から2日目のお話に入ります。
2日目は早朝から本遠征のメインイベントである、JR貨物 広島車両所公開イベントに参戦しておりました。
お昼過ぎに会場から撤収し、広島駅前にてカキフライ定食で腹を満たしたところから、本記事は再開いたします。
というわけでやってきたのは瀬野駅でございます。
今回はセノハチを行く貨物列車を撮影・・・というわけではありません。
お目当ては瀬野駅ホームからも良く見える、こちらの建物でございます。
一見ただの駅ビル見えますが、左側になにやら生えているのがお分かりになるでしょうか?
こちらの建物は「スカイレールサービス広島短距離交通瀬野線」という乗り物の駅なのですが、実はこのスカイレールは2024年5月1日に廃止されております・・・。
このスカイレールは、瀬野駅の北側にある山の斜面を造成した「スカイレールタウンみどり坂」という住宅団地へのアクセス手段として設置されました。
ただ山の斜面を通すには、通常の鉄路やモノレールでは勾配がきつすぎるため、ゴンドラリフトとモノレールを合体したような構造が特徴で、導入事例は世界でここだけという変わった乗り物でございます。
しかしそんな特殊構造が災いし、部品の汎用性が無いうえに供給メーカーが廃業してしまい保守部品の入手が困難となり、さらに収支も赤字ということで、EVバスに転換される形で開業から26年で廃止となったのです。
セノハチでの貨物撮影や、山陽本線の乗り鉄で度々通るたびに気になっておりましたが、本格的に訪問したことはありませんでした。
というわけで今回は、廃止間近のスカイレールの最後の姿をじっくり記録したいと思います。
てことで瀬野駅の改札を出て、まずはスカイレールの駅へ。
JR瀬野駅と直結して「みどり口駅」という駅が設けられています。
みどり坂という街の入口なのでみどり口という名前なのでしょうか。
スカイレールは一見すると懸垂式モノレールのような構造で、軌道の代わりになる桁が山に向かって伸びています。
思った以上にしっかりした造りですね。
ただモノレールと異なるのは、ロープウェイやケーブルカーのように、ワイヤーで牽引されることです。
駅舎の中には動力源となるワイヤーを受けるローラーが、外から見えるように設置されていました。
ちょうど出発時刻になったので、外から見物してみることに。
のりばは駅舎3階に設けられています。
見た目はモノレールみたいですね。
定刻になり「列車」が出発。
こう見るとスキー場にあるゴンドラリフトがモノレールの軌道を走っているような、そんな不思議なビジュアルでございます。
発車時はリニアモーターで加速し、そのあとワイヤーをつかんで駅間を移動するという仕組みだそうな。
列車はみどり中街駅へ向けて山を登っていきます。
ここまで聞くとロープウェーやゴンドラでいいじゃん・・・と思うかもしれませんが、ワイヤーにそのままぶら下がるロープウェーは横風に弱いのと、基本的に直線移動しかできない欠点があります。
スカイレールは桁内にワイヤーを通してゴンドラをぶら下げることで、モノレールと同等の風の強さを確保し、かつ地形に沿って勾配やカーブを設けられるのが強みだそうです。
しばらくすると、山の上から対向列車が降りてきました。
日中時間帯は、2台の搬器が15分間隔で往復しているようです。
といった感じで、スカイレールのご紹介兼、みどり口駅探訪はこれにて終了。
このあとはスカイレールに乗って、山の頂上へと向かいます。