川崎鶴見鉄道録

川崎・鶴見界隈の鉄道に関するブログ

札幌市電M101号 大波乱の乗り納め 秋の札幌遠征⑥

前の記事はこちら。

今回の遠征、ここまでは引退迫るM101号をずっと撮り鉄しておりましたが、一般の列車の一部として運行されているので、もちろん乗車することも可能です。

前日から撮り続けたおかげで、欲しい画はあらかた回収したことから撮り鉄に一旦区切りを付けまして、今回はM101号の「乗り納め」を行うことにします。

 

すすきの界隈で適当に時間を潰し、資生館小学校前電停からM101号に乗車します。

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すすきの電停の隣ということもあり、乗り鉄のほか一般客も多く乗っていたものの、思ったよりは混雑しておらず3駅目くらいで座ることが出来ました。

 

といっても普通の電車より混んでいることは変わらなかったので、車内撮影などはせず吊り掛け音や車窓を眺めるなど、M101号最後の走りをじっくりと堪能。

今回は一日乗車券を持っていたので何周してもいいんですが、とりあえずほぼ一周となるすすきの電停で降りるかと考えていた矢先、西4丁目電停の手前で警笛とともに急ブレーキがかかり、直後にドン!!という大きな音が聞こえてきました

 

なにごとかと思って窓から前を覗くと・・・

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なんと交差点で乗用車と接触してしまったようです。

幸いにも転倒人などはいませんでしたが、いきなりの接触事故発生で車内はざわめきたちました。

 

運転士が降車して乗用車の方となにやらやり取りしたのち、乗客もしばらく待機するようアナウンスが。

そして事故から10分ほど経ったころ、一台の車がサイレンを鳴らしながら軌道上を緊急走行して接近。

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交通局の車で、応援の人員が駆けつけてきました。

こんな緊急車両があるんですねぇ。

 

ほどなくして中間の乗降扉が開けられ、ここで運転を打ち切るため降車するよう指示がありました。

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ちなみに迷惑料?かしりませんが、運賃は要らないとのことでした。

まあ私は一日乗車券を所持していたので、別に得したわけでは無いですが(笑)

 

電車を降りて先頭に回ってみると・・・

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乗用車の右側にべっこりとM101号がめり込んでおります。

 

電車を一旦バックして、乗用車の状況を確認。

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ドライバーも怪我が無かったのは不幸中の幸い。

しかし運転席と後部座席のドアはボコボコに凹んでおります。

 

一方のM101号はというと

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表面のパテと塗装面がはがれ鋼体が露出しちゃいましたが、それ以外は大きなゆがみも無くかすり傷といったところでしょうか。

60年前に作られた鋼鉄製の電車だけあり、現代の軽量な乗用車と多少ぶつかったくらいじゃビクともしないのはさすがですね。

 

ただ気がかりなのは車体ではなく台車のほう。

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一旦バックした際、ガリガリっとなにかを引きずるような異音がしたのです。

とりあえず走れはするようですが、これがラストランに向けて致命傷とならなければいいのですが・・・。

 

事故現場が中途半端な場所だったので、とりあえず西4丁目電停へと移動すると、M101号も前進して電停に停車。

てっきり車庫に回送するのかと思いきや・・・

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車庫に戻るついでに、その手前の中央図書館前まで客扱いするとのこと。

事故直後だというのになんとタフなんでしょうか。

 

と思ったものの、よく考えれば路面電車だとこの程度の接触事故は日常茶飯事で、取り立てて大きく騒ぐほどの出来事では無いのかもしれません。

しかし鉄オタにもドライバーにも不幸だったのは、当該車両がよりによって明日引退するM101号だった・・・ということでしょう。

 

ほっぺたにかすり傷を負いながらも、M101号はいつもと同じように4丁目交差点を通過していきました。

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これがM101号のラストカットにならないことを祈るばかりです・・・。

 

ちなみに今回の事故は、夜の道内ニュースで繰り返し流れたり、翌日の朝刊に大きく取り上げられたりと、結構な注目を集めました。

まさに私はこの当該列車に乗り合わせていたということです。

途中で降ろされてしまったのは残念でしたが、乗り納めた列車が接触事故に合うなんてまず無いですから、今回の乗り鉄の記憶は一生忘れないでしょうね(笑)

そういった意味では、後年いい思い出になると思います。

 

 

というわけで、まさかの大波乱で幕を閉じてしまったM101号の乗り納め。

車両の様子も気になるので、内回り電車に乗って私も車庫へと移動します。